小城市は、佐賀県の中央部に位置し、県庁所在地である佐賀市に隣接する都市です。
「街まで近くて便利。でも程よく田舎」がキャッチフレーズです。
名産物は胡蝶蘭、みかん、いちご、れんこん、玉ねぎなどです。
そのほか、有明海でとれる海苔、牡蠣、日本酒、小城ようかんなどが有名です。
観光資源も豊富で、田中呉服店の倉庫として明治時代中期に「牛津赤れんが館」(国登録有形文化財)が建てられました。
弥生時代中期の農耕集落遺跡「土生遺跡公園」(国指定史跡)や平安時代に弘法大師によって創建されたと伝えられる「常福寺」があります。
他にも、佐賀県の石材産業の中心地であった「石工の里」、明治36年に建てられた小城駅駅舎(国登録有形文化財)など、歴史を感じられる史跡が数多く残っています。
また、小城市は佐賀市の西方約10km・車で20分の好位置です。
交通の便も良く、福岡都市圏へは高速利用で60分ほど、久留米市街地へ60分ほど、また長崎市街地へは高速利用で60分ほどとアクセス環境は良好です。
市内には市民の交通手段として、国の地域公共交通確保維持・改善事業の支援を受け、市内巡回バス・タクシーが利用できます。
目次
小城市と空き家対策
人が住んでいない空き家は荒れやすく、ごみが不法投棄されたり、犯罪の温床になりがちです。
市役所の運営するホームページ「@小城暮らし」には、空き家に関する情報が多く掲載されています。
小城市は、空き家の利活用に力を入れ、以下のような制度を実施しています。
空き家バンク
小城市内の空き家の住宅所有者に情報を登録してもらいます。
この情報を以下の人に公開することで、小城市への定住を促進し、各地域の活性化を図る制度です。
- 小城市に移住したい人
- 定住したい人
- 空き家を活用したい人
これらの空き家は売買するだけでなく、賃貸に出すこともできます。
以下の人は、空き家を見学できます。
- 市内に定住・滞在を目的とする人
- 市内で空き家の活用を目的として購入・賃貸したい人
移住・定住・空き家利活用支援制度
小城市に住みたい人に対して、いろいろな支援を行なっています。
小城市物件情報案内
小城市への移住・定住の支援策として、市内に所在する売買物件や賃貸物件の情報をホームページに掲載しています。
以下のように、さまざまな賃貸・売買物件情報を閲覧できます。
- 土地
- 一戸建て
- アパート
- マンション
空き家改修費助成事業補助金制度
小城市内の空き家活用、移住・定住、また地域の活性化を促進するため、空き家のリフォームなどに必要な経費に補助金が支給されます。
ただし、空き家を購入した人が行う場合に限ります。
耐震診断、改修事業費補助金制度
市内にある木造住宅の所有者が住宅の耐震診断を行なったり、耐震改修を行なったりする場合、その費用の一部を助成します。
災害に強いまちづくり、また、市民の木造住宅の耐震性に対する不安を解消するために行われています。
空き家・移住・定住相談窓口
小城市で楽しく生活するため以下の人に対して、アドバイスやサポートを行っています。
- 小城市内の空き家を活用したい人
- 小城市に移住したばかりで町のことがよくわからない人
- これから小城市への移住を検討している人
佐賀県小城市のゴミ屋敷に関する条例とは?
小城市において施行されているゴミ屋敷に関する条例は、正式名称を「小城市環境美化条例」といいます。
この条例が定められた目的は、第1条で以下のように規定されています。
市、市民等及び事業者が一体となり、ごみ等の散乱防止対策、生活排水対策等による環境美化の推進を図り、排出の抑制とリサイクルの推進により、廃棄物の減量を目指し、もって市民の快適な生活環境の創造と環境保護に資すること
小城市では以下によって、市民が快適に過ごせる環境をつくり、また環境の保護を推進していこうというわけです。
- ゴミを散乱させないこと
- ゴミを減らしてリサイクルを進めること
これらの活動を小城市と小城市民、小城市で事業を行う人が一体となり進めていくことを定めています。
まずは、条文の中で規定されている用語について見ておきましょう。
「市民等」とは
「市民等」とは、以下を指します。
- 小城市で生活している小城市民
- 小城市を旅行する人
- 小城市に滞在する人
「事業者」とは
「事業者」とは、小城市内において事業活動を行う人のことです。
小城市内で会社を営んだり、お店を開いていたりなど事業を行う人すべてを指します。
「ごみ等」
以下のような一般的にゴミと言われるものを指します。
- 空き缶
- 空きびん
- 紙くず
- たばこの吸い殻
これらを踏まえて、条例の内容を見ていきましょう。
佐賀県小城市では、どのように環境美化を図っていくの?
小城市では、環境美化を推進するため、どのような規定を定めているのでしょうか。
市民等の役割
小城市民や小城市を訪れた人は、どのような心がけをすればよいのでしょうか。
第4条には以下のように規定されています。
市民等には、ごみ等を散乱させないため、家庭で自ら生じさせたごみ等を持ち帰り市環境美化に努めるものとする
さらに、以下の点が定められています。
- 家庭の排水から調理くず等のごみを除去し、河川、水路等の水質の汚濁防止に努めること(第2項)
- 市が実施する環境美化の推進に関する施策に協力すること(第3項)
- 廃棄物の分別排出に努め、市が実施する分別収集に協力すること(第4項)
普段の生活の見直し、できるだけゴミを出さず環境を汚さない努力が求められています。
事業者の役割
事業者の責務については、第5条において以下が求められます。
- ごみ等の散乱を防止するために、消費者に対する啓発及び再資源化への転換に努めること
- 市が実施する環境美化の推進に関する施策に協力すること
消費者に対して、ゴミの捨て方や減量などを啓蒙していく必要があります。
それとともに、市の施策を行っていかなくてはなりません。
小城市の役割
では、市自体はどのようなことを行うべきなのでしょうか。
第3条で、環境美化並びに廃棄物の減量及びリサイクルの推進に関する対策について、以下のように総合的な施策を実施していくことを定めています。
- ごみ等の散乱防止対策
- 生活排水浄化対策
- 廃棄物の減量対策
- 分別収集等リサイクル対策
また、関係行政機関との連携(第6条)、広報活動の実施(第7条)によって、環境美化を推進していくものとしています。
「小城市環境美化条例」は、なぜ「ゴミ屋敷に関する条例」なの?
この条例には「ゴミ屋敷」というワードは出てきません。
なぜ、この条例が「ゴミ屋敷に関する条例」と言われるのでしょうか。
第9条を見てみましょう。
市民等及び事業者は、道路、河川、水路、公園、広場及びその他の場所並びに他人が所有し管理する場所に、みだりにごみ等を散乱させて生活環境を汚してはならない
ここで大事なのが「その他の場所」「他人が所有し管理する場所」という文言です。
「ゴミ屋敷」と明確には定義されていません。
しかし、この文言を解釈すれば、自分の住んでいる家はもちろん、賃貸物件や空き家など全ての家にゴミなどを散乱させてはならないということになります。
この文言によって、ゴミ屋敷を発生させないようストップをかけていると解釈できます。
もし、ゴミ屋敷条例にあたる第9条に違反があったとき、罰則などはあるのでしょうか。
指導・助言
市は、第9条に違反があった場合、市民等及び事業者に対し、必要な指導や助言を行うことができます。(第10条)
勧告
市は第9条に違反があった場合、当該市民等や事業者に対して、期限を定めて具体的な改善措置を示して勧告することができます。(第11条)
命令
市は、第11条によって勧告を受けた者が正当な理由なくして勧告に従わない場合、期限を定めてその勧告に従うよう命ずることができます。(第12条)
立入調査
市が、ごみ等の散乱状況を調査する必要があると認めた場合、指定する職員にその土地に立ち入らせ、必要な調査をさせることができます。(第13条)
もし、ゴミが散乱している家がある場合、このように段階を踏んで調査を行うこととなります。
また、第6条によって、市、市民等、また事業者はお互いに協力していくことが定められています。
もし市からの指導や勧告などがあった場合、協力しなくてはなりません。
まとめ
佐賀県小城市では「小城市環境美化条例」によって、環境美化やリサイクルを促進しています。
この条例は、生活環境を汚してはならないとする第9条によって「ゴミ屋敷に関する条例」でもあると言われます。
違反した場合は、指導・助言→勧告→命令という順を踏み、市が介入することになります。
また、市が調査の必要を認めた場合は、市の指定する職員が立ち入り調査をすることができます。