身内を亡くすというのは、非常に辛いことです。
「生きていれば、いつかお別れがくるもの」
そう思っていても、自分や家族が亡くなった後の準備を整えていない方も多いでしょう。
今でこそ「終活」を耳にすることが増えましたが、それでも実際に行動へ移す方は少数派です。
しかし、残された物の量が多いほど、遺品整理や片付けの負担が残された遺族へのしかかります。
葬儀や相続問題など親族がやらなければならないことがたくさんある中、ゴミ屋敷状態の住居の遺品整理を行うのは負担です。
この記事では、
- ゴミ屋敷状態の実家を遺品整理しなければならない方
- 不用品にあふれていた実家を片付けたい方
こういった悩みを解消できる方法や手順について解説します。
ゴミや不用品であふれた実家を、キレイな状態へ取り戻しましょう。
目次
実家がゴミ屋敷化してしまう原因
ゴミ屋敷の状態を解決する前に、まずは実家がゴミ屋敷状態に陥ってしまったのはなぜなのかを考えましょう。
住居がゴミ屋敷化してしまう主な要因は、次の3つです。
ほかに捨てる人がいない
実家がゴミ屋敷化する原因のひとつに、一人暮らしの生活が考えられます。
親と子が別で暮らす「核家族世帯」が多い現代では、高齢でも単身で暮らしている高齢者が少なくありません。
一人暮らしをされていた場合、ゴミ・不用品の片付けや家事が難しくなるケースも考えられます。
病気や加齢でカラダを思うように動かせなくなると、家の片付け作業でさえ大きな負担です。
自分以外に代わりがいない場合、どんどんゴミが溜まって実家がゴミ屋敷化するケースがあります。
親自身に物を溜め込むクセがある
そもそも、自宅がゴミ屋敷化してしまうのは、住民が「物が捨てられない人」であることがほとんどです。
物を大切にすることはもちろん大切ですが、キレイな状態をキープするためには、取捨選択も必要です。
不要な物を片付けたり、必要に応じて処分したりすることで、快適な部屋を維持できます。
しかし、物が捨てられない「もったいない精神」が強い人は、ゴミ同然の不用品でも手放せないこともあるでしょう。
生活の中で、物やゴミは必ず増えていくものです。
都度、不用品やゴミを処分しなければ、部屋にはどんどんモノやゴミが溜まり、ゴミ屋敷化してしまいます。
実家が遠方
高齢の一人暮らしでも、子どもや親せきが近くにいれば、定期的に様子を見てもらえる場合もあるでしょう。
片付けや掃除も、親の代わりに作業を行うことも可能です。
このように、核家族世帯であっても実家近くで身内が暮らしていれば、ゴミ屋敷化する前にまわりが対処できます。
しかし、実家が遠方にある場合はどうでしょう。
頻繁に実家へ足を運ぶことができないため、ゴミが溜まり始めていることも気づきません。
その結果、人知れずゴミ屋敷化が進み、気づいた時には手が付けられない状態に…といったことも起こり得ます。
実際に、遠方に住んでいたり、実家と疎遠になっていたりして、「親が亡くなってから実家がゴミ屋敷になっていたのを知った」というケースもあります。
後から気づいた場合でも、多少散らかっている程度なら、頑張れば自力で片付けることも可能です。
しかし、ゴミの量があまりにも多く、手に負えない状態あれば、素人だけでどうにかできる問題ではありません。
長期間ゴミが放置された部屋は、汚れだけでなく臭いも床や壁にこびりつきます。
徹底的に落とし、原状復帰をするには特殊清掃をするほかありません。
また、害虫が発生していれば、専門の駆除業者への依頼も必要です。
このように、実家が劣悪なゴミ屋敷状態となってしまった場合は、ゴミ屋敷片付けのプロにお任せすることが、解決の近道となります。
ゴミ屋敷片付け業者とは
ゴミ屋敷状態となった実家を救ってくれる「ゴミ屋敷片付け業者」とは、一体どんなものなのでしょうか。
対応サービスなどの特徴を簡単に紹介します。
「ゴミ屋敷片付け業者」は、その名の通り、ゴミ屋敷に溜まった不用品やゴミの片付け作業を行っている業者です。
一般的なハウスクリーニング業者では行えない、特殊清掃なども対応しており、業者によっては片付け作業中に見つかった不用品の買取サービスも行っています。
「ゴミ屋敷片付け業者」のサービス内容
ゴミ屋敷片付け業者へ依頼すると、どんなことまで対応してくれるのでしょうか。
具体的な作業内容をまとめました。
- ゴミや不用品の片付け
- 処分品と残す物の仕分け
- 価値ある物の買取
- 汚れや悪臭の清掃、消臭
- 害虫駆除
- 部屋のリフォーム全般
- 残置物の回収、撤去
- 作業時間の配慮
- 立ち合い不要の作業
ゴミや不用品の片付けを行うほか、人目に付かないよう作業を行うなど、プライバシーに配慮したサービスを提供している業者もあります。
人出が少ない深夜・早朝に作業するほか、不用品をダンボールに入れてカモフラージュするなどの工夫もみられます。
また、ゴミの積み込み運搬に利用するトラックも、ゴミ屋敷の片付け業者だということが分からないよう、社名のロゴが入っていない車両を使ってくれる場合もあります。
遺品整理に「ゴミ屋敷片付け業者」を選ぶポイント
身内が亡くなり、なおかつ住んでいた家がゴミ屋敷化していたとなると、それを片付けるには特別なスキルが要求されます。
その理由は、一般的なゴミ屋敷の清掃と作業内容が異なるからです。
ゴミや不用品の片付けや清掃をするだけなら、ゴミ屋敷の清掃業者や何でも屋さんに依頼しても問題ありません。
しかし、その家の主がそこで息を引き取っている場合は、さまざまな問題が生じます。
遺品整理時にゴミ屋敷清掃業者へ依頼する場合、どのような業者に依頼すればいいのか、業者選びのポイントをまとめました。
遺品整理の作業実績が豊富
単にゴミ屋敷を片付けるといっても、自分の肉親が住んでいた場合は、そこに思い出や遺品が含まれています。
そのため、手当たり次第に不用品を捨てればいいというわけではありません。
第三者から見ればゴミのように見えても、親族にとっては大切な思い出の品という場合もあります。
また、ゴミに埋もれた不用品の中には、ブランド物や骨董品など、価値のある物が混ざっている可能性もあるでしょう。
相続の問題もありますから、そのような価値のある物をうっかり処分してしまわないよう、目利き能力も必要です。
ゴミ屋敷片付け業者の中には、遺品整理業者のように、ゴミや不用品に埋もれる価値ある物を見つけ出せる専門のスタッフが在籍している業者もあります。
遺品の整理には、遺品整理の経験が豊富なゴミ屋敷片付け業者にお願いするのがいいでしょう。
特殊清掃の技術を持っていること
ゴミ屋敷でも難しいとされるのは、衛生的に問題があるケースです。
食べ残しの生ゴミやペットの糞尿などが放置されていたり、害虫や害獣が発生していたりするケースです。
このような劣悪な環境のゴミ屋敷は、ハウスクリーニングレベルの片付け・清掃作業で対処するのは容易ではありません。
部屋中に悪臭が染み付いているため、ゴミを回収しただけで原状復帰するのは不可能だからです。
とくに、ゴキブリなどの害虫やねずみをはじめとする害獣が繁殖している場合、近隣から苦情が来る場合もあるため、早急な処置が必須となります。
ゴミ屋敷がもたらす周囲への影響を考えても、かなり深刻な状況です。
さらに難しいのは、故人がその家で亡くなり、遺体が長期間放置されていたケースです。
「孤独死」の場合、生ごみの腐敗臭とは比べられないほど悪臭を発します。
遺体が布団に寝ていた状態であっても、その下の床にまで体液が浸み込んで痕跡が残る場合もあるでしょう。
このような、一般のハウスクリーニング業者では対応が難しい部屋を清掃する場合、「特殊清掃」の技術が必要となります。
「特殊清掃」では、専門の薬剤や清掃機材そして、除菌・消臭・消毒の技術を駆使して作業を行います。
専門的なアイテムを使うだけでなく、知識や技術を生かしながら、汚れや悪臭へアプロ―チします。
実家の状態があまりにもひどい場合、「特殊作業」に対応しているかどうかも、ゴミ屋敷片付け業者の決め手となるでしょう。
【合わせて読みたい記事】
ゴミ屋敷における特殊清掃現場とは?事例や片付け費用などを紹介
遺品整理の料金相場は?
不用品回収及び処分してくれる業者は世の中にごまんとありますが、上記のようなゴミ屋敷、遺品整理、特殊清掃が可能という条件かつ信頼できる業者は限られてきます。
そこで、遺品整理も可能な「ゴミ屋敷片付け業者」の作業料金を比較し、料金相場を算出してみました。
片付けのみなら「3~25万円」
ゴミ屋敷の片付けにかかる作業料金は、部屋の広さや間取りによって差があります。
もちろん、ゴミや不用品の多さによって作業スタッフの数も変わるため、一概にいくらかかるとは言えません。
基本的な料金は、3万円~25万円程度。
部屋の間取りと合わせると、ゴミ屋敷の片付け費用は以下が目安です。
間取り | 相場 |
---|---|
1R/1K | 3~3.5万円 |
1DK | 4~6万円 |
1LDK | 6~7万円 |
2DK | 8~12万円 |
2LDK | 9~15万円 |
3DK | 12~18万円 |
3LDK | 14~20万円 |
4LDK | 16~25万円 |
上記の相場料金には、ゴミ・不用品の仕分け、搬出、片付け費用が含まれます。
現金や有価証券、土地家屋の権利書や貴金属などの貴重品の捜索、思い出の品物などを探す仕分け作業も込みです。
買取サービスのあるゴミ屋敷片付け業者なら、不用品のうち買取できる物がある場合は、買取金額を作業料金から引いてもらえる場合もあるでしょう。
そうすれば料金が浮く可能性があり、経済的にもメリットがあります。
ただし、ゴミ屋敷の清掃作業は別途料金がかかります。
まとめ
ゴミ屋敷の片付けは、ゴミの物量や部屋の状態によって料金が異なります。
ゴミ屋敷片付け業者によって、基本料金に含まれる作業内容も違います。
あまり内容を確認せずに依頼すると、後から追加料金が発生する恐れもあります。
問い合わせ、見積もりまでは無料で行っている場合が多いので、まずは問い合わせてみましょう。