ゴミ屋敷問題は、近隣住民とのトラブルが絶えません。
家の外にまでゴミが溢れ出し、異臭や害虫の発生などで周囲の生活環境に悪影響を及ぼすこともあります。
特に、コロナ禍でネット通販やアプリを利用した出前サービスが普及した昨今、家に引きこもる若年層も増えています。
そのため、ゴミ屋敷問題も社会問題として年々その深刻さが増してきています。
この記事では、静岡県湖西市のゴミ屋敷に対する条例(湖西市における廃棄物の減量及び適正処理に関する条例)の内容を詳しく説明します。
さらに、ゴミ屋敷になってしまう人の特徴を紹介していきます。
目次
ゴミ屋敷になってしまう人の特徴は?
物が捨てられず家がゴミ屋敷になっていく理由は、以下のように人それぞれです。
- 考え方のくせ
- 精神的な状態
- 病気やけが
ゴミ屋敷になってしまう人の特徴について、代表的なものを以下にまとめました。
もったいない精神がつよい
いつか使えるだろうと、空き缶や空き箱、紙袋を大量にストックしています。
また、10年前の服が捨てられなかったり、壊れた家電を取っておくこともあります。
もったいないと思う気持ちから捨てることができず物が溜まっていってしまうことがあります。
心の寂しさを埋められない
ペットや身近な人の死を経験し、心の寂しさを埋めるように不用品を集めてしまうという人がいます。
物で心が満たされることはなく、さらに不用な物を購入してしまったり、不必要な物まで溜め込んでしまいます。
その結果ゴミ屋敷となるケースもあります。
収集癖がある
ゴミ屋敷住人の中には、とにかく物を集めることが大好きな収集癖がある人もいます。
毎週ゴミステーションから何か使えそうなものはないか物色するなど、収集することが習慣化しているためどんどんゴミは溜まっていきます。
一度強制的にゴミを撤去してきれいにしたとしても、またすぐにゴミが溢れた状態に戻ってしまうのが特徴です。
仕事が忙しい
単身で住んでいる場合や母子家庭などに多く見られるのが、ゴミを捨てに行く暇もないほど忙しく、気がついたらゴミ屋敷となってしまったというケースです。
ゴミの回収時間は自治体によりますが、朝早くに回収するところが圧倒的に多いでしょう。
ゴミ出しの時間も限られているため、夜勤の仕事をしていたり、出張が多い人は、ゴミを出すタイミングに不在となります。
そのためゴミが出せずに溜まっていってしまいます。
社会から孤立している
ゴミ屋敷になると近隣住人とのトラブルも増え、ご近所付き合いがほとんどなくなります。
また、家族や友人とも距離をおいて暮らしている人も多く、社会から孤立しがちと言えるでしょう。
精神的・身体的な問題を抱えている
認知症などの病気や、ケガ・事故の他、加齢に伴う身体能力の衰えの問題から自力でゴミを出せなくなる人も多くいます。
また、うつ病や発達障害など精神的な問題から家を片付けることができない人もいます。
そのため、行政や福祉、地域などのサポートが必要な場合があります。
静岡県湖西市のゴミ屋敷条例とは
湖西市では、ゴミ屋敷に関する条例として「湖西市における廃棄物の減量及び適正処理に関する条例」を定めています。
ゴミ屋敷条例は一般的に全ての自治体が定めているわけではありません。
ではなぜ、湖西市のようにゴミ屋敷条例を定めている地域があるのでしょうか。
ゴミ屋敷条例が任意で各自治体によって定められている理由
ゴミ屋敷条例の制定は各自治体に任されています。
なぜゴミ屋敷条例が存在するかというと、日本にはゴミ屋敷を取り締まる法律がないからです。
ゴミ屋敷は、ライフスタイルや健康状態、精神状態など、一人一人異なる問題が背景にはあります。
一概に善悪で判断するのが難しい問題です。
仮に問題となっているゴミを強制撤去するとなると、財産権や個人の自由などさまざまな問題に直面します。
国としてはそこまで踏み込んだ対応が難しいのが事実です。
そのため、自治体の中には法律に代わりとなる条例を定め、これらのゴミ屋敷問題解決に当たるところが増えてきました。
湖西市もゴミ屋敷問題について条例で、ゴミの捨て方や所有する土地、建物に対してのルールを定めています。
静岡県湖西市のゴミ屋敷条例の特徴
湖西市では、以下のことが条例として定められています。
- 生活環境を保つために必要がある場合は、必要な措置を講じるように土地や建物の占有者に指導または助言を行うことができる。
- 土地または建物の所有者は、みだりに廃棄物が捨てられないように努めなければならない。
- 所有する土地または建物内に廃棄物が捨てられた際には自らの責任で処置しなければならない。
これらのルールに反した際には立入調査や助言・指導が行われます。
静岡県湖西市ゴミ屋敷条例による対応①立入調査
住民から湖西市内のゴミ屋敷や生活環境の悪化などについて相談や報告があると、市の職員がゴミ屋敷を訪問し立入調査を行います。
立入調査の際には一般的にゴミが周辺地域に及ぼしている影響を調べます。
他にも、ゴミ屋敷に住む人の健康状態や生活環境などをヒアリングします。
その際、サポートが必要と判断されれば福祉施設の紹介などが行われることもあります。
静岡県湖西市ゴミ屋敷条例による対応の流れ②助言・指導
立入調査から、衛生面や安全面において周囲の生活環境に悪影響を及ぼしていると判断された場合、改善のための指導や助言が行われます。
まとめ
この記事では、ゴミ屋敷になってしまう人の特徴や静岡県湖西市のゴミ屋敷に対する条例(湖西市における廃棄物の減量及び適正処理に関する条例)について紹介しました。
自治体はゴミ屋敷の状況を把握してはいても市民からの要望がないと具体的な行動を取りにくいのが現状です。
もし近所にゴミ屋敷があり困っているという場合は、お住まいの自治体に連絡することが大切です。