実は、神奈川県川崎市は市民1人が一日に出すゴミの排出量が全国の政令指定都市で最小を記録しています。
特に平成29年度、平成30年度、令和元年と3年連続で政令指定都市最小を記録しました。
それは、川崎市がゴミの削減に取り組んでいるからこそです。
行政として様々な政策を打ち出していますが、その一環として民間業者と協力し、不用品の買取を推奨しています。
川崎市での賢い不用品の処分方法について掘り下げました。
目次
川崎市が不用品の買取に力を入れている背景
神奈川県川崎市が不用品の買取までしてゴミ削減に力を入れている理由として、川崎市の歴史は無視できません。
川崎市は横浜と東京に挟まれた好立地が注目を集め、近年は再開発が進んでいます。
しかし、かつては工業地域として知られていました。
日本全体が経済成長期だったこともあり、川崎市でも人口が爆発的に増加しました。
工業団地も多々登場するなど、人口が爆発的に増加し経済的にも発展を遂げました。
しかし、経済の成長は以下のようなゴミ問題を生み出していったのです。
人口増加によるゴミの増大で非常事態宣言
人口の増加・経済の発展は川崎市を飛躍させました。
しかし、一方でごみの量も増加し続けたことで、川崎市のごみ焼却処理能力の限界が迫りました。
そして1990年、川崎市はとうとう「ごみ非常事態宣言」を出します。
このままではゴミ問題が立ち行かなくなることを危惧し、以下の2点を目的に非常事態宣言を発令しました。
- 市民にゴミ問題を意識してもらう
- ゴミの削減に力を入れる
そして、川崎市では以下のような施策を打ち出していきます。
川崎市の鉄道輸送によるゴミ処理
「ゴミ非常事態宣言」を発令してからの神奈川県川崎市は、様々な施策を打ち出しています。
例えば1995年からは全国初となる鉄道輸送によるゴミ処理を開始しました。
これは、鉄道輸送コンテナを活用して一度に大量のゴミを輸送するものです。
これはゴミ問題と同様に大きな問題となっていた、川崎市内の交通事情改善も目指したものでした。
2000年代に入ると、ゴミの削減の更なる施策として、リデュース、リユース、リサイクルからなる「3R」を基本方針に策定し、循環型社会の構築を目指しました。
川崎市でのゴミ問題教育
3Rの取り組みの周知徹底のために、神奈川県川崎市では子供たちへの教育も開始しました。
学校、自治体、町内会にて、若年層に対してもゴミ問題を意識してもらう以下のような活動を行っています。
- ゴミの減量やリサイクルの体験学習
- 社会科副読本の配布
このように、神奈川県川崎市はゴミの減量化に向けて様々な施策を打ち出す中で、不用品の買取を推進して、さらなるゴミの減量化を目指しています。
川崎市でのリユース・リサイクルショップ制度による不用品買取
神奈川県川崎市ではリユース・リサイクルショップ制度を導入しました。
中古品の買取や販売を行っている業者を「リユース・リサイクルショップ」として認定しています。
認定業者は、川崎市の公式サイトで宣伝・告知できるので業者にとっても魅力的です。
リユース・リサイクルショップ制度によって、不用品の3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進できます。
特に、家電製品、家具、洋服や着物、アクセサリー、楽器、自転車などの買取を推進しています。
リユース・リサイクルショップ認定を受けている買取店
リユース・リサイクルショップ制度を適用したい業者は、まず書類による申請をおこないます。
そして、川崎市による現地調査を受け、適していると判断された場合にリユース・リサイクルショップ認定店となります。
書類の申請だけで簡単に認定を受けられるものではないのがポイントです。
川崎市が調査を行って申請を許可しますので、安心して利用できる買取店だと考えてよいでしょう。
川崎市にて不用品買取を行っているショップ
神奈川県川崎市からリユース・リサイクルショップ認定店として紹介されている買取ショップは中古品買取・販売店として30業者、中古自転車販売店として18業者あります。
川崎市の公式サイトでは、川崎区・幸区・中原区・高津区・宮前区・多摩区と各エリアに分類して紹介してくれています。
業者の業態も以下のように様々です。
- 出張買取を行っている業者
- 買取のみを行っている専門業者
- ブックオフなどの大手リサイクル業者
買取可能な品目については、それぞれ業者によって異なります。
必要な場合は個別に問い合わせてみるとよいでしょう。
買取店でも川崎市でも処分の難しい不用品
神奈川県川崎市のリユース・リサイクルショップ認定制度買取店、さらには川崎市としても回収が難しいものがいくつかあります。
そのような不用品とは何があるのかや、それぞれの処分方法について見てみましょう。
川崎市指定の処理困難物
川崎市が処理困難物として指定しているものは主に以下です。
- 100kg以上の重量物
- 2m以上の長尺物
- 処理作業に於いて爆発や火災など作業員に危害が及ぶリスクのあるもの
- 有害物質
上記に関しては川崎市としては回収を行っていません。
購入した店に引き取りを依頼することになります。
ただし、買取に個別対応している不用品買取業者もあるかもしれません。
もし購入した店がわからない場合などは、個別に問い合わせてみるとよいでしょう。
消火器
消火器に関しても川崎市としては回収していませんし、買取を行っている認定店もありません。
消火器は販売店に問い合わせる必要があります。
(社)日本消火器工業会も相談窓口となっていますので、相談してみるとよいでしょう。
ボタン型電池・リチウム電池・充電式乾電池
ボタン型電池に関しては川崎市、あるいは不用品買取業者ではなく、電気店や時計店に設置されているボタン電池回収ボックスに入れましょう。
リチウムコイン型電池に関しては、水銀を含んでいないので川崎市として回収が可能です。
充電式電池に関しては一部リユース・リサイクルショップに用意されているリサイクルBOXに入れて問題ありません。
在宅医療廃棄物
家庭から出る使用済みの薬品は、医療機関に引き渡すことが推奨されています。
薬局で購入したものであれば、川崎市から配布されている「薬剤回収推進店」のステッカーが提示されている薬局での回収が可能です。
どのように処分してよいか分からない不用品について
処分方法に迷った場合、川崎市の公式サイトにて指示があります。
あいうえお順にて掲載されており、分別区分、ゴミとして出す際のポイントまでレクチャーされています。
品目にない物に関しては、生活環境事業所に問い合わせましょう。
不明な場合には川崎市配信のアプリを活用しよう
川崎市ではごみ分別アプリを配信しています。
ゴミの出し方のレクチャーだけではなく、ゴミ収集日のアラート機能や3Rに関する情報発信を積極的に行っています。
iOS、Android共に用意されており、無料でのダウンロード・インストールが可能です。
川崎市の不用品買取業者を活用してゴミを減らそう
神奈川県川崎市では行政として積極的にゴミの減量化、不用品の買取などのリユース事業を推進しています。
かつてはゴミ非常事態宣言を発令したほど、川崎市はゴミの問題に悩まされていました。
しかしいろいろなゴミ施策で、政令指定都市の中で一日一人当たりのゴミの量が最も少ない街となっています。
それでも川崎市はまだまだゴミの減量、さらには循環型社会を目指し、様々な施策を実行中です。
ですから、川崎市でゴミを捨てる際には最新のルールをしっかりとチェックすることが大切です。
行政としても公式サイトやアプリにて周知徹底しています。
公式サイトやアプリを参考にしたり、不用品買取業者を頼るなどしてゴミの減量化に務めましょう。