愛知県稲沢市は、名鉄やJRが通っていることから、名古屋中心部はもちろん、様々なエリアにアクセスしやすいベッドタウンとして発展している東部と田園地帯と、長閑な光景が広がってる西部から構成されている人口およそ13万人の町です。
そんな稲沢市でも、いわゆるゴミ屋敷条例が用意されており、住民市民の快適で住みやすい町づくりに寄与しています。
目次
稲沢市のゴミ屋敷条例について
稲沢市で制定されている「快適で住みよいまちづくり条例」が、いわゆるゴミ屋敷条例です。
決してゴミ屋敷だけに特化した条例ではなく、生活環境の問題を明確化したもので、市民や事業者に対して様々なルールが制定されています。
そこで、ゴミ屋敷を想定している、あるいはゴミ屋敷に対して適用されるであろう条例をご紹介します。
稲沢市・快適で住みよいまちづくり条例第4条
快適で住みよいまちづくり条例第4条にて、市民は快適で住みよいまちづくりの推進に対する意識を高めると記載されています。
「汚い」に関しては様々な判断基準ではありますが、ゴミ屋敷に関しては、明確に違反していると考えられます。
愛知県稲沢市民は、大前提として住みよいまちづくりを推進することが求められています。
ですので、ゴミ屋敷のように、他者に不快感を与えることは条例違反です。
稲沢市・快適で住みよいまちづくり条例第15条
快適で住みよいまちづくり条例第15条にて、土地や建物の所有者は、土地や建物を清潔に保持しなければならないと明文化されています。
第1項にて管理者はゴミが大量に堆積しないよう義務付けています。
また、雑草が生い茂った場合には刈り取る等、適正な管理を明文化しています。
特にゴミの堆積に関しては、ゴミ屋敷を指すものだと考えてよいでしょう。
つまり、ゴミ屋敷化は、稲沢市が定める快適で住みよいまちづくり条例の第15条違反となります。
稲沢市・快適で住みよいまちづくり条例第20条
快適で住みよいまちづくり条例第20条では、指導・勧告が可能であることが記載されています。
第4条に関して指導・勧告の対象ではありませんが、15条に関しては第1項から第3項まで、規定に違反している者に対し、指導・勧告を行えると記載されています。
つまり、もしもゴミ屋敷化してしまった場合、住居人に対し、稲沢市として指導・勧告が行えます。
稲沢市・快適で住みよいまちづくり条例第21条
先述の第20条では指導と勧告が記載されていますが、あくまでも口頭です。
もしもですが、第20条に基づき、口頭での指導・勧告に従わなかった場合、従うよう命ずると記載されているのが第21条です。
指導や勧告を受けたものの、正当な理由がないにも関わらず、従わない場合には文書にて命令が可能です。
つまり、快適で住みよいまちづくり条例第20条に基づき、ゴミ屋敷改善を口頭にて指導したものの、正当な理由もなく聞き入れない場合、従うよう命ずることができます。
稲沢市・快適で住みよいまちづくり条例にてゴミ屋敷は防げるのか
稲沢市では、ゴミ屋敷に特化した条例ではなく、快適で住みよいまちづくり条例にてゴミ屋敷問題の対策をと考えています。
果たしてこの条例にて、ゴミ屋敷を防ぐことはできるのか、問題点がないのかといった展を見てみましょう。
命令に従わない場合のその先が明文化されていない
他の自治体の、いわゆるゴミ屋敷条例の場合命令に従わない場合には行政代執行が記載されています。
つまり、命令に従わないのであれば行政が業者を手配し、ゴミ屋敷を強制的に清掃・撤去すると定めたものです。
しかし、稲沢市の快適で住みよいまちづくり条例では、命令から先が定められていません。
もしもですが、第21条に基づいて命令を下しても、非協力的な姿勢を見せた時にどうするのかという問題があります。
行政代執行の費用は?
稲沢市の快適で住みよいまちづくり条例第21条に基づいた命令に従わない場合、行政代執行が予想されるのですが、行政代執行の費用は誰が負担するのかも記載がありません。
他の自治体の、いわゆるゴミ屋敷条例には行政代執行の費用を誰が負担するのかまで記載されています。
一般的には住居者に費用を請求する形となっています。
ですが、稲沢市の条例では、そもそも命令の後、行政代執行なのかも定かではありません。
仮に行われたとして、誰が費用を負担するのか不明瞭です。
ゴミ屋敷の再発防止策がない
ゴミ屋敷問題は、ゴミ屋敷をどうするかだけではありません。
再発防止もまた、大きなテーマです。
そのため、自治体によっては、いわゆるゴミ屋敷条例において、支援策が盛り込まれています。
ゴミ屋敷を清掃したところで、結局は再びゴミ屋敷化してしまう懸念があります。
実際に行政代執行の後、再びゴミ屋敷化してしまったケースも見受けられます。
しかし、稲沢市の快適で住みよいまちづくり条例では、住居者支援策は見当たりません。つまり、あくまでもゴミ屋敷の清掃を目的としたものでしかありません。
稲沢市では今後ゴミ屋敷にどのように向き合うのか
稲沢市の快適で住みよいまちづくり条例は、ゴミ屋敷を含めた環境に関しての条例です。
決してゴミ屋敷だけを想定した条例ではないので、ゴミ屋敷対策としては、他の自治体のゴミ屋敷条例と比較して甘い部分があるのも事実です。
稲沢市で今後、ゴミ屋敷が発生した際、条例でカバーできない点はどうするのでしょうか。
稲沢市・快適で住みよいまちづくり条例第22条
稲沢市の快適で住みよいまちづくり条例第22条に於いて、「この条例に定めるもののほか、必要な事項は規則で定める」とあります。
つまり、今後ゴミ屋敷問題が稲沢市にて大きな問題として顕在化した場合、快適で住みよいまちづくり条例、あるいは他の条例かまでは定かではありませんが、規則として定めることが可能です。
ゴミ屋敷問題が発生しなければ分からないこともある
ゴミ屋敷条例を制定している自治体の多くは、実際にゴミ屋敷問題に悩まされたからこそ、条例として制定しました。
稲沢市に関しては、条例にするほど悩まされていません。(※2021年11月現在)
実際にゴミ屋敷問題が発生して気付かされることもあります。
だからこそ第22条にて、今後規則を定めることを定義しています。
つまり、ゴミ屋敷問題が発生していない稲沢市にとっては快適で住みよいまちづくり条例で十分なのです。
ゴミ屋敷の予防としては十分な条例
ゴミ屋敷問題が発生した際には、行政代執行の費用や支援・再発防止策等、稲沢市の快適で住みよいまちづくり条例だけでは心許ない部分があるのは事実です。
しかし、予防策として考えると十分との声もあります。
そもそも、先にもお伝えしたように稲沢市ではゴミ屋敷問題は行政としては確認していません。
つまり、今後も条例で定めているように、市民一人一人がきれいな町づくりを意識していれば、ゴミ屋敷は発生しません。
つまり、現行の快適で住みよいまちづくり条例で問題ないのです。
稲沢市の快適で住みよいまちづくり条例でゴミ屋敷を防げている
稲沢市では快適で住みよいまちづくり条例にてゴミ屋敷をカバーしています。
他の自治体の、ゴミ屋敷に特化した条例と比較すると、ゴミ屋敷問題で行政が実践できること、あるいは具体的記載がない点があるのは事実ですが、ゴミ屋敷化を防げているのも事実です。
今後、条例が新しくつくられることにも含みを持たせた条例となっています。
ゴミ屋敷問題が顕在化した際には、ゴミ屋敷問題解決のために、快適で住みよいまちづくり条例よりも一歩踏み込んだゴミ屋敷のための条例ができる可能性もあります。