京都府井手町では、ゴミ屋敷に関する条例として「井手町環境保全条例」が制定されています。
こちらはゴミ屋敷だけを想定したものではなく環境全般に関する条例です。
その中にゴミ屋敷対策を含めたものとなっています。
そんな井手町環境保全条例について、見てみましょう。
目次
井手町環境保全条例のゴミ屋敷に対応している部分
京都府の井手町が制定している井手町環境保全条例は、ゴミ屋敷だけではなく、ゴミ屋敷を含めた環境全般に関する条例です。
そこで、まずは井手町環境保全条例の中でも、ゴミ屋敷対策となる部分についてを見てみましょう。
井手町環境保全条例第1条
まずは井手町環境保全条例の目的が制定されていますが、「住みよい町づくりの推進を図る」との文言があります。
ゴミ屋敷はお世辞にも「住みよい町づくり」に該当するとは考えにくいでしょう。
ですので、ゴミ屋敷対策の根拠になると考えてよいでしょう。
井手町環境保全条例第2条
井手町環境保全条例の第2条では、「住みよい環境」が定義されています。
それによると、現在および将来において住民が健康で文化的な生活を確保することのできる環境だと定義しています。
ですので、ゴミ屋敷は該当しないと考えてよいでしょう。
井手町環境保全条例第3条
井手町環境保全条例の第3条では、町は国や京都府と協力・連携し、良好な住みよい環境の保全に努めると定められています。
つまり、ゴミ屋敷を放置することは条例違反だと解釈できます。
井手町環境保全条例第4条
井手町環境保全条例の第4条では、住民も住みよい環境の保全に努めなければならないと定めています。
つまり、ゴミ屋敷化はもちろんですが、近隣のゴミ屋敷を見て何もしないことも条例違反だと解釈できます。
井手町環境保全条例から見えてくるゴミ屋敷対策への姿勢
京都府井手町が制定している井手町環境保全条例から、井手町がゴミ屋敷についてどのような意志があるのか、いくつかの角度から見てみましょう。
1999年施行の条例
井手町環境保全条例は1999年3月15日に施行されました。
つまり、まだまだ世間に「ゴミ屋敷」という言葉が浸透していない時期にできた条例です。
ゴミ屋敷をあまり想定していないことが見て取れるのもそのためです。
1999年に施行した条例が変化を見せていないということは、裏を返せば京都府井手町はゴミ屋敷とは無縁だと考えることもできます。
もし、井手町でゴミ屋敷が発生し、近隣の住民が悩んでいた場合、より具体性のある条例となったり、あるいは新たな条文が加えられます。
ですが、施行時のままの条例であることから、井手町ではこの条例で不都合が起きていないことを意味します。
汎用性の高い条例と考えることもできる
先に抜粋した条例からも分かるように、井手町環境保全条例にはゴミ屋敷対策に関する具体的な施策はありません。
他の自治体のいわゆるゴミ屋敷対策と呼ばれている条例には、以下の点が定められていますが、それらは見えません。
- 行政代執行
- 費用負担
- 再発防止策等
しかし、「努めなければならない」など、広く解釈できる言葉が用いられています。
実際のゴミ屋敷問題が発生した際、その都度状況に適した対応策を取れると解釈できます。
井手町の身の丈に合わせた条例と解釈できる
井手町環境保全条例は10条からなる条例です。
つまり、先に紹介した部分だけでおよそ半分程度です。
他の自治体のゴミ屋敷条例だけではなく、環境に関する条例と比較してもボリュームは少ないです。
しかし、京都府井手町の人口はおよそ7,235人です。
多くの人がイメージする「古都」「観光地」ではありません。
京都の中心部よりもはるか南部、鉄道も二駅のみです。
京都中心部よりも、むしろ大阪や奈良にもアクセスしやすい長閑な町です。
そのため、ゴミ屋敷問題とは無縁の町と考えてよいでしょう。
京都府井手町とゴミ屋敷リスク
京都府井手町は決して人口の多い町ではありません。
その点ではゴミ屋敷リスクが低いと解釈することもできます。
他にも井手町の特徴を知ると、井手町環境保全条例でも十分であることが分かります。
町内には観光資源が見当たらない
京都といえば日本国内はおろか世界的にも有名な観光地です。
しかし、井手町に関しては多くの人が足を運ぶような観光資源は見当たりません。
つまり、住人以外の出入りが少ない町なので、外から来た人がゴミを捨てていくというシチュエーションも考えにくいです。
町内に高校がない
京都府井手町内に高等学校がありません。
そのため、町外の高校に進学するケースが一般的です。
特に多いのが、京都府立城陽高等学校です。
外から訪れる人が少ない町だとお伝えしましたが、高校もありませんので、訪れる高校生世代もいません。
自動車学校が一軒
井手町環境保全条例には山城自動車教習所があります。
こちらは井手町唯一の自動車教習所ですが、普通車だけではなく大型や二輪などにも対応しています。
しかし、近隣に宿泊施設はありません。
つまり、合宿ではなく通学者を主体とした自動車教習所になります。
外からではなく、町内の免許取得希望者を対象とした施設です。
井手町環境保全条例でゴミ屋敷問題が起きたら?
これまで紹介した京都府井手町の特徴から、人が少なく、かつ外から訪れる人も少ないことが伺えます。
その点ではゴミ屋敷リスクは低いと考えられますが、もし井手町でゴミ屋敷問題が起きたら何をすべきなのでしょうか。
まずは行政に連絡
まずは行政に連絡しましょう。
顔見知りの人がゴミ屋敷化してしまった場合、行政は条例に基づいた対策を行った方が良いでしょう。
個人と個人では何らかのトラブルが起きる可能性もあります。
知人であれば、むしろ人間関係に亀裂を生じることにもなりかねません。
ですから行政に連絡しましょう。
行政が状況に基いて対応する
行政は、井手町環境保全条例に基いて対応します。
これまで井手町では、ゴミ屋敷問題が顕在化されていません。
ゴミ屋敷対策のノウハウがあるとは考えにくいですが、条例に基づいた対応を行うことでしょう。
井手町環境保全条例には具体的なゴミ屋敷対策のための施策がありません。
ですが、状況に応じた行動が取れるよう解釈できる文言となっています。
ですので、ケースバイケースでの対応を取ることが予想されます。
実際にゴミ屋敷問題が起きたら条例が変わる可能性がある
井手町環境保全条例に限らず、どの自治体においても条例とは決して完成形ではありません。
状況・時勢によって変化するものです。
つまり、今後京都府井手町にてゴミ屋敷問題が起きた場合、さらには井手町環境保全条例では対応できないとなれば、条文を付け加えるなどの措置をとることも予想されます。
井手町環境保全条例についてのまとめ
京都府井手町で制定されている井手町環境保全条例は、1999年に施行されたものです。
そのため、ゴミ屋敷に関する具体的な施策はありません。
裏を返せば井手町がゴミ屋敷とは無縁であることを意味しています。
今後、もしも井手町でゴミ屋敷問題が勃発したときには、そのゴミ屋敷を解決するための施策を打ち出すことが予想されます。
しかし、人口や外部との出入りなど井手町の特性を踏まえると、今後ゴミ屋敷が顕在化する可能性も低いでしょう。