新築物件の場合、慣習として工事を始める前や完成後にお祓いが行われています。同様に家を購入したり、賃貸物件に入居したりする際にお祓いは必要なのか、気になる方もいるでしょう。
家やお部屋のお祓いについて、以下のような疑問はありませんか?
- お祓いは誰に依頼すればいいの?
- 料金相場はどのくらい?
- お祓いは自分でできるの?
この記事では、家や部屋をお祓いするタイミングや理由、料金相場ややり方などについて紹介します。
目次
家や賃貸の部屋をお祓いする主なタイミング
お祓いとは人や物についた厄災やけがれを取り除く神事のことです。特に家や賃貸の部屋に対して行われるお祓いには、土地の神様への挨拶や、邪気を払って住む人の健康・幸福を祈願するという意味があります。また、状況によって供養のためにお祓いすることもあります。以下は、家や賃貸の部屋のお祓いが行われやすいタイミングです。
新築の家を建てるとき
新築の家を建てる際は、工事の段階に応じて地鎮祭・上棟式・竣工式の3つのタイミングに分けてお祓いするのが一般的です。それぞれのお祓いには以下のような意味があります。
地鎮祭:工事予定地の氏神様に挨拶する儀式で、工事着工前に行われる
上棟式:建物の骨組みが完成したことを祝い、残りの工事の安全を祈願する
竣工式:工事終了後、建物の完成を祝う
ただし、準備の時間や費用を削減するため3つの儀式のうち一部だけを実施することもあります。新築の家のお祓いについてはハウスメーカーが準備することが多いため、詳しくは担当者へ確認しましょう。
中古物件を購入するとき
中古物件の場合、新築であったときにお祓いが行われていると考えられるため、購入時にはお祓いしなくても問題ありません。ただし、お祓いしたことを確認するのは難しいうえ、中古物件は前の住人の気配が残っているようで気になるという方もいます。そのような場合は、スッキリとした気持ちで新生活を始めるためにお祓いしてもらうとよいでしょう。
中古物件をお祓いする場合は、自身で神社へ連絡したりお供え物を用意したりする必要があります。神社がお供え物を準備してくれる場合もあるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
所有している賃貸物件が事故物件になったとき
大家として人に貸している物件で不幸があると事故物件となってしまうため、次の入居者が見つかりにくくなることがあります。お祓いしても事故物件であることは変わりませんが、入居希望者の不安を少しでも取り除くことにつながります。
事故物件のお祓いは部屋を片付けるときやリフォーム後などに行いましょう。お祓いの料金は事故物件になった理由によって異なります。マンション・アパートでなく一戸建て、もしくは大きな事故などにより建物全体をお祓いする場合は、自然死や孤独死に比べて料金が高くなる傾向にあります。
賃貸物件に入居するとき
中古物件を購入するときと同様に、賃貸物件を借りるときも前の住民のことが気になる方はお祓いするとよいでしょう。不動産会社から鍵を受け取った後、入居前にお祓いしてもらうと安心して新生活を始められます。なお、このケースでは神社への連絡や料金の支払いなどは入居者自身が行う必要があることに注意しましょう。
このほか、家や賃貸物件をリフォームしたタイミングでお祓いするケースもあります。お祓いするタイミングに決まりはないものの、一般的に工事をしたときや入居者が変わったときなどに行われます。
家や賃貸の部屋をお祓いする理由
家や部屋のお祓いは厳密にいえば宗教行事の1つであり、物件の所有者や入居者の義務ではありません。しかし、慣例として広く受け入れられていることや、関係者が安心感を得られることを踏まえると行った方がよいと考えられています。ここでは家や賃貸の部屋のお祓いが行われている理由を詳しく解説します。
日本の慣例として根付いているため
時間や費用の観点から簡略化される傾向にあるとはいえ、現在でも新築物件を建てる際は地鎮祭や竣工式が行われるのが一般的です。たとえば日本最古の歴史書として知られる「日本書紀」には、弥生時代であった700年前後から地鎮祭が行われていた記録が残っています。
1000年以上の歴史があり、すでに日本の慣例として根付いているため、新たに建物を建てる際はハウスメーカーが主導して儀式を執り行うケースが少なくありません。そのため、物件の所有者に特別な事情がない限り、お祓いが行われることが多くなっています。
ただし、新築に比べると中古物件のお祓いは慣例といえるほど広がっていないため、実施する場合は物件の所有者や入居者が自分で手配する必要があります。
入居者が亡くなった場合などは供養のため
理由にかかわらず、入居者が亡くなった場合は供養のために家や賃貸物件をお祓いすることがあります。特に入居者の死亡理由に事件性のある場合は、事故物件として入居者募集や売却の際に告知義務が発生します。事故物件を敬遠する人は多いため、入居者や売却先が見つかりにくくなってしまうのが一般的です。しかし、物件をお祓いすることで入居や購入を決める人が現れる可能性があります。
なお、入居者が亡くなった家や部屋でも事件性のない自然死や病死などが理由であれば事故物件として扱われないため、告知義務はありません。しかし、入居者と個人的に親しかった場合や心理的に負担を感じる場合はお祓いするとよいでしょう。
お祓いを行うことで安心感が得られる・与えられるため
お祓いは義務ではないものの、安心感を得るためにあえて実施することもあります。中古物件や賃貸物件の場合、なんとなく前の住民の気配が残っているようで気になるという方もいるでしょう。
また、購入者や賃貸物件の入居者は前の住人の人柄や生活について知らない状態で新生活をスタートさせるのが一般的です。もし前の入居者が物件の中で亡くなっていたとしても、事件性がなければ不動産会社などに告知義務はありません。知らされていない事実がある可能性を考慮して、入居前後にお祓いすると不安を減らせます。
同様に入居者や居住者に安心感を持ってもらうため、物件管理者である不動産会社や大家がお祓いするケースもあります。たとえばマンション・アパートで事件や事故があった場合、他の部屋の居住者が不安を感じて退去を検討するかもしれません。現場となった部屋をお祓いしてもらうことで安心を与えることができ、退去を防ぐ効果を期待できます。
お祓いの方法と料金
お祓いをしてもらいたいが、やり方や料金の目安がわからないという方は多いでしょう。人に対する厄払いは寺や神社でできますが、家や部屋のお祓いの場合、神主やお坊さんに来てもらうのが一般的です。お祓いする前に日程調整や供え物の準備が必要なため、まずは寺や神社、不動産会社、特殊清掃業者などへ相談しましょう。なお、場合によっては自分でお祓いすることも可能です。
寺に依頼する場合
新しい家に引っ越す方のお祓いとして、普段から縁のある寺で厄除け祈願をしてもらう方法があります。料金の相場は5,000円程度です。
事故物件などで故人の霊を供養するのが目的で厄除け祈願では不十分な場合、お坊さんに家に来てもらう必要があります。仏教でお祓いのことを指す加持祈祷ができるお坊さんは限られているため、まずはお祓いができるか問い合わせが必要です。入居者もしくは入居していた方に縁のあるところに依頼するのが基本ですが、分からない場合は引き受けてもらえる可能性が高い近くの寺に相談してみましょう。
家でのお祓いは約30,000円が相場で、寺からの距離やオプションによって料金が追加されます。近年は出張お祓いを行うところも多いため、付き合いのある寺がない場合、自宅の近くにお祓いができる寺が見つからない場合などに便利です。
神社に依頼する場合
神社のお祓いには参拝したうえで受ける方法と、外祭と呼ばれる家に来てもらう方法の2つがあります。家や賃貸物件のお祓いの場合は場や物件そのものを清めるため、来てもらう方を選びましょう。どちらの方法でも、物件の近くの神社に依頼するのが基本です。訪問したり、電話したりして日取りを決めましょう。
お祓いやお守りのために神社に払うお金を初穂料といい、外祭の相場は30,000円〜50,000円です。神社によっては祈祷内容によって初穂料が決まっていることがあるため、問い合わせの時点で確認しておくと安心です。
初穂料はのし袋か白い封筒に入れて渡しましょう。中袋には名前や住所、金額を記入します。新札である必要はないものの、できるだけきれいなお札を選ぶとよいでしょう。
不動産会社や管理会社にお願いする場合
不動産会社は地鎮祭や竣工式などで普段から神社や寺との付き合いがあるうえ、地域の事情にも詳しい傾向にあります。家や部屋のお祓いをしたいが、どこに依頼すればいいかわからないときは物件の契約を担当した不動産会社に相談し、神社や寺などを紹介してもらいましょう。
一方、賃貸物件であれば、管理会社が対応してくれることもあります。管理会社では入居者が亡くなったときの対応方法として、お祓いを依頼する神社や寺を決めていることがあります。決まりがなくても、過去に他の部屋や物件でお祓いをした経験があればそのときに利用した神社や寺を紹介してもらえるでしょう。
なお、不動産会社や管理会社に紹介してもらう場合でも、神社や寺へ相談や依頼するのは物件の所有者や入居者自身であることに注意が必要です。
特殊清掃や遺品整理の業者にお願いする場合
孤独死が起きた場合などには、室内の清掃や遺品整理を専門の業者に依頼するのが一般的です。特殊清掃や遺品整理の業者が神社や寺を紹介してくれることもあるため、併せて相談するとよいでしょう。
サービスの1つとして、紹介だけでなく、神主やお坊さんの手配まで代行してくれる業者であれば、自身で神社や寺に連絡する手間を省けるメリットもあります。特殊清掃や遺品整理の前は、部屋に故人のものが多く残っているためお祓いするのに適したタイミングです。特殊清掃や遺品整理業者の作業日に合わせてお祓いの日程を調整してもらうとよいでしょう。
自分でお祓いする場合
塩やお酒などを使い、自分でお祓いする方法もあります。具体的には小皿に多めの塩を入れて盛り塩を作って置いたり、神棚に塩をそなえて神様に場を浄化させてほしいとお祈りしたりします。盛り塩をする場合は、清酒を軽く振りかけるとより効果的です。塩はスーパーでも入手できますが、神社で販売されている清め塩を使うとよいでしょう。
特に事故物件でない家や部屋に引っ越す際などに気持ちをスッキリさせるのが目的であれば、自分でお祓いするのでも十分という人もいます。ただし、神主を呼んでお祓いする場合と比較して、自分でできるのはあくまでも簡易的な方法です。不安な場合は神社や寺、業者に依頼するとよいでしょう。
お祓いの料金が高額になるケース
お祓いの料金はお祓いする理由によって高額になることがあります。特に高額になりやすいのが特殊清掃が必要な孤独死や自殺など、事故物件に該当するときです。自然死であれば料金は30,000円程度、かかる時間は30分以下が目安ですが、事故物件では4〜5万円、時間も10分以上長くなります。亡くなった方の思いが強く残っていると考えられるため、準備やお祓いに時間がかかるためです。もし事故や火事などで建物全体のお祓いが必要なときは10万円以上かかることもあります。
なお、国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では自然死や不慮の死以外の理由で部屋の中で人が亡くなった場合、ケースでは入居者や買い主に対して事実を告知することを物件所有者・管理者に義務付けています。いわゆる孤独死のような、自然死であっても特殊清掃が必要なケースも同様です。高額な費用でお祓いをしたとしても、法的な告知義務は残ることに注意しましょう。
まとめ
家や部屋に対するお祓いには、土地の神様への挨拶や邪気を払って幸せな新生活を願うといった意味があります。新築物件を地鎮祭などでお祓いすることは慣習にもなっています。
中古物件や賃貸の部屋に対しても、入居者や所有者の判断でお祓いすることが可能です。神主やお坊さんに家に来てもらう場合、お祓いの料金相場は約30,000円です。ただし、事故物件に該当するケースではより高額になる傾向にあります。
家や部屋のお祓いは神社や寺のほか、不動産会社、特殊清掃や遺品整理業者などにも相談できます。神主やお坊さんの手配を代行してくれる業者もいるため、忙しい方は利用してみましょう。
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遺品の供養もまとめてできるため、ものがたくさん残っている部屋でも安心です。事故物件の供養・お祓いでお困りの方は、ゴミ屋敷バスター七福神にぜひご相談ください。