買い物などでもらった保冷剤が、いつの間にか大量にたまってしまったという方は多いでしょう。捨てるのはもったいないと思う方は消臭剤や芳香剤として再活用してみてはいかがでしょうか。家にあるもので簡単に作れるうえ、色や飾りをつけるとインテリアとしても使用できます。
ただし、保冷剤に使われている素材は安全性が高いものの特殊な素材であるため、使い方や捨て方には注意が必要です。
この記事では、保冷剤で消臭剤や芳香剤を作る方法や使用上の注意点などについて紹介します。
目次
保冷剤の素材と特徴
保冷剤とは物体の温度を低く保つために使われる薬剤のことです。保冷剤は柔らかい袋と硬いケースという包装の違いによってソフトタイプ・ハードタイプに分かれますが、中身の素材はほぼ同じです。約1%が水分を吸収する性質を持つ高吸収性ポリマーで、残りの約99%は水分です。
高吸収性ポリマーは本体の何百倍もの水分を吸収して、ハイドロゲルになる性質を持っています。凍ったハイドロゲルは氷よりも解けるのに時間がかかるため、冷たさを保つのに適しているのです。
家庭で保持剤が余ってしまったときには、水分を長く保持できる高吸収性ポリマーの特徴を生かして芳香剤や消臭剤として活用するのも方法の1つです。
なお、高吸収性ポリマーそのものには消臭効果がないといわれることもありますが、臭いは水分に吸着する性質があるため水分を吸収して膨らむ高吸収性ポリマーには、嫌な臭いを取ってくれるという説もあります。市販の消臭剤ほどではないものの、ある程度の消臭効果が期待できる素材だといえます。
保冷剤の危険性
エチレングリコールを使用した保冷剤には危険性があります。エチレングリコールはアルコールの一種でさまざまな製品に用いられる物質ですが、人体への有毒性があるとされるものです。
人が使用する製品に用いられる場合は、危険性がないよう薄めて使用されるのが一般的ですが、誤飲すると意識障害や痙攣、急性腎不全を起こす可能性があります。
現在、国内で流通している保冷剤の主な素材は、先に説明した通り、高吸収性ポリマーと水分でありエチレングリコールは含まれていません。そのため、保冷剤の中身に直接触れてしまってもとくに危険性はないといえます。
しかし、古い製品や国外製品にはエチレングリコールが含まれている可能性があります。
日本では2000年代以降、エチレングリコールを使用した保冷剤の危険性が注目され、代替素材を使った保冷剤が増加した経緯があります。
エチレングレコールが含まれる保冷剤かどうか見分ける方法には次のようなものがあります。
- ラベルを確認する:保冷剤のパッケージに「エチレングリコール」の記載があるか、製造年月日はいつか、国内製品か国外製品かなどを確認する
- 凍結するか確認する:エチレングリコールを使った保冷剤は完全に硬化しません。凍らせても柔らかく凍結していないものはエチレングリコールを使っている可能性があります。
- 匂いを確認する:エチレングリコールは甘い香りがするため、匂いを嗅ぐことで見分けることができます。ただし有毒性があるため、取り扱いには注意してください。
エチレングリコールを使用した保冷剤ではないか確認したうえで、消臭剤や芳香剤として再活用してください。
保冷剤を使った消臭剤・芳香剤の作り方
保冷剤を使って消臭剤・芳香剤を作るために必要な材料は以下の通りです。
- ソフトタイプの保冷剤
- ジャムの空き瓶など、適度な深さのある容器
- 竹串または割り箸
- 好みのアロマオイル(芳香剤を作る場合)
- 絵の具やマニキュア、ビー玉など(好みに応じて)
材料を準備したら保冷剤を常温に戻し、袋を切ってゲル状の中身を容器に出すだけで消臭剤の完成です。高吸収性ポリマーのゲルが偏っているときは、竹串や割り箸を使って平らにならしてください。
香りを付けて芳香剤を作る場合は、保冷剤の中身を容器に出した後、アロマオイルや柔軟剤、香水などを適量垂らしてよく混ぜます。
また、絵の具やマニキュアを使って色を付けたり、ビー玉やビーズなどを入れたりして見た目を変えることもできます。保冷剤とさまざまな素材を組み合わせて、自分好みのおしゃれな消臭剤・芳香剤を作ってみましょう。
保冷剤を使った消臭剤・芳香剤の捨て時
保冷剤を使った消臭剤・芳香剤は、ある程度使ったら交換が必要です。しかし、特に見た目に変化がない場合は捨て時がわかりにくいものです。また、保冷剤に含まれる高吸収性ポリマーは乾燥しても水を加えると再び膨らむ性質があるため、捨てるべきか繰り返して使うべきか迷う方もいるでしょう。ここでは保冷剤を使った消臭剤・芳香剤の捨て時の目安を紹介します。
消臭効果を感じなくなった
一般的に保冷剤を使って作った消臭剤が効果を発揮するのは2〜3週間程度といわれています。消臭効果を感じなくなったり、作ってから3週間以上経ったりしたときは容器の中身を処分し、新しいものと交換しましょう。
匂いがしなくなった
保冷剤にアロマオイルなどを加えて芳香剤として使用している場合、鼻を近づけても匂わないときは捨てることも検討しましょう。高吸収性ポリマーに水分が残っているときは再びアロマオイルなどを垂らすことで香りが復活することもあります。しかし、高吸収性ポリマーから水分が蒸発して縮んでしまっているときは捨て時といえるでしょう。
カビが生えた
保冷剤の原料である高吸収性ポリマーは乾燥して小さくなってしまっても、水を加えればまた使えるようになります。しかし、常に水分があることによって、カビが生えてしまうことがあります。健康に害を及ぼすおそれがあるため、カビが生えてしまったときには使用を中止して処分しましょう。また、カビが生えていなくても衛生的に問題が起きるのを防ぐため、乾燥した高吸収性ポリマーに水を足して再利用するのは1回までとし、定期的に中身を交換すると安心できます。
カビが生えづらい消臭剤・芳香剤を作りたい場合、適度な濃度の次亜塩素酸を混ぜる方法があります。
次亜塩素酸は、強力な除菌・消臭効果を持つ物質でカビの抑制に効果的です。酸性の物質を混ざると有害なガスを発生させる危険性がありますが、高吸収性ポリマーと混ぜても問題のない物質です。ドラックストアなどで購入できますのでカビが気になる方は試してみてください。
保冷剤を消臭剤・芳香剤を使う際の注意点
保冷剤は人体や環境に悪影響のない素材で作られているため、消臭剤・芳香剤として安全に再活用できます。ただし、使い方によってはトラブルが起きる可能性があるため、以下で紹介する2点に注意して使用しましょう。
子どもやペットの誤飲に注意する
保冷剤で作った消臭剤・芳香剤は子どもやペットの届かない場所に置き、誤って口に入れたり食べたりしないよう注意しましょう。保冷剤には、人体に害のない原料が使われています。しかし、高吸収性ポリマーは水分を吸収する性質があるため、大量に飲み込むと思わぬ影響を与える可能性があります。たとえば、飲み込んでしまった高吸収性ポリマーが体内の水分を吸収して膨らみ、腸閉塞を引き起こすことがあります。誤飲に注意し、万が一飲んでしまったときはすぐにうがいで洗い流し、医師に相談しましょう。
捨て方に注意する
保冷剤に含まれる高吸収性ポリマーは、水分を吸って膨らむ性質を持つ物質です。水に流すと配管を詰まらせることがあるため、捨て方に注意しましょう。不要になった保冷剤は袋やケースから中身を出さずに処分するのが基本です。なお、保冷剤を可燃ゴミとして回収する自治体が多いものの、不燃ゴミとして扱われることもあります。迷ったときは自治体のウェブサイトや窓口で確認しましょう。
また、袋やケースが破損して保冷剤の中身がこぼれてしまったときは、水で洗い流すと排水溝が詰まるおそれがあります。保冷剤はビニール袋などに包み、ゴミとして処分しましょう。テーブルなどにこぼれたものはティッシュやキッチンペーパーで拭き取ってからゴミとして捨てることで安全に処分できます。
まとめ
保冷剤の原料は本体の何百倍もの水分を保持できる性質を持つ高吸収性ポリマーと水分です。使っていない保冷剤がたくさんある方は、高吸収性ポリマーの特性を生かして芳香剤・消臭剤を作ってみましょう。現在流通している保冷剤には人体や環境に危険のない素材が使われているため、安心して再利用できます。
ただし、保冷剤は食用ではないため誤飲には注意が必要です。また、水分を吸収して膨らむ性質があることから、水に流すと配管を詰まらせるおそれがあります。不要な保冷剤や作った消臭剤・芳香剤は自治体の指示に従ってゴミとして捨て、排水溝やトイレには流さないようにしましょう。
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