引越しする時に困るのが、大量に出てくる不用品。
新居へ移る前に処分しておきたいけれど、家具・家電といった大きな不用品は、ゴミ収集に出すわけにはいきません。
「捨てる時間がない」「手間をかけずラクに処分したい」
そんな時は、引越し業者へまとめて依頼を検討すると良いでしょう。
引越し業者によっては、オプションとして「不用品の処分」を行っているところもあります。
しかし、依頼する際にはいくつか注意点も…。
この記事では、不用品回収もしてくれる「おすすめの引越し業者」と合わせて、手早く処分する方法を解説します。
目次
引越し業者が行う不用品回収の特徴
家庭から出た不用品の処分を業者に依頼する場合、まずは「不用品回収業者」が頭に浮かぶ方は少なくないでしょう。
しかし、引越し業者の中にも不用品を引き取ってくれる業者もあります。
不用品回収業者と引越し業者では、具体的な作業内容に若干違いがあります。
参考までに、サービス内容を比較しながら、引越し業者が提供する不用品回収サービスの特徴をまとめました。
不用品回収はあくまでもオプション
当然ですが、引越し業者の本業は「引越しのサポート」です。
引越し荷物の運び出し・運び入れや、ダンボールなど資材提供など、引越し作業をスムーズに進めるサービスをメインに提供しています。
そのため、不用品回収はあくまでもオプションにすぎません。
引越し作業+αで依頼することはできますが、不用品回収サービスのみの利用は基本的に受け付けていません。
回収品目が決まっている
不用品回収業者は、ジャンル問わず幅広い不用品を引き取りできることが強みです。
大型家具・家電といった処分に困る不用品はもちろん、ペットボトルや衣類などの家庭ゴミもまとめて処分してもらえます。
引越し業者の場合は、不用品回収を専門に行っているわけではないため、不用品回収業者と比べると引き取りできる品目は圧倒的に少ないです。
そのため、家中にあるすべての不用品を回収できるとは限りません。
回収できる品目については、引越し業者によって異なります。
家具のほか、「家電リサイクル法」の対象品目に該当する、テレビ・エアコン・洗濯機・冷蔵庫は買取可としている業者が多い傾向です。
そもそも、不用品回収を実施していない引越し業者もありますので、引き取り可能な不用品やサービスの有無については事前に確認しておきましょう。
費用は見積もり次第
引越し業者に不用品の回収を依頼する場合、当然、費用面も気になるでしょう。
不用品回収は引越し料金には含まれないため、別途料金が発生します。
しかし、その料金は各社ホームページを見ても、「要見積もり」や「要問い合わせ」とするケースが多く、具体的な処分費用については明記していない業者がほとんどです。
なかでも家電リサイクル法に該当する4品目(テレビ・エアコン・洗濯機・冷蔵庫)や、資源有効利用促進法に該当するパソコンについては、リサイクル料金プラス各社が定めた回収費用が必要になるでしょう。
不用品回収を引越し業者に依頼するメリット
引越し業者は不用品回収のプロではないため、引き取ってもらえる品目は限定的です。
しかしそれでも、引越し業者に不用品回収を依頼することには、次のようなメリットがあります。
手間が省ける
通常、引越しするとなれば、不用品の処分は事前に済ませておく必要があります。
自治体のゴミ収集は曜日が決まっていること、粗大ゴミの処分には受付から最短で2週間程かかることを考えると、遅くても引越しの1ヵ月前から動かなくてはなりません。
家具・家電など大型のゴミは、自宅からの運び出しなど、処分するのに手間も労力も必要です。
こういった不用品の処分を、引越しの準備と並行しながら進めるのはなかなか大変です。
しかし、引越し業者に不用品の回収依頼をすれば、こういった事前準備は不要です。
引越し当日に不用品を回収してもらえるので、処分と引越しが1日で終わります。
別日にスケジュールを空けておく必要がなく、不用品回収の業者を探すことや粗大ゴミの回収を予約するといった手間もかかりません。
不用品処分の悩みから解放され、引越しのことにだけ集中できるのは大きなメリットではないでしょうか。
部屋の片付けや荷造りに使える時間をたっぷり確保できるので、引越し準備がスムーズに進められるでしょう。
プラン選びに悩まない
不用品回収業者は、「トラック積み放題」や「間取り別のパック」など、回収方法やプランが豊富です。
自分に合う最適なプランが見つかるメリットがある一方で、どれを選べば良いか迷うこともあるでしょう。
その点、引越し業者の不用品回収サービスは、プラン内容がシンプルです。
あくまでも引越しのオプションという位置づけなので、悩むほどのプラン数を用意していません。
何かと考えることが多く、多忙を極める引越し前に「余計な悩みごとを増やしたくない」といった方は、引越し業者の不用品回収サービスが向いています。
不用品を買い取ってもらえる場合も
引越し業者によっては、回収だけでなく「不用品買い取り」を実施しているところもあります。
回収した不用品を独自のルートで再販することで、利益を出す仕組みです。
捨てるはずの不用品がお金に変われば、その分を引越し費用に充てることができ、出費を抑えられるメリットもあるでしょう。
引越しにかかるお金は決して安いものではないため、不用品が少しでも費用の足しになるのなら、家計的にもプラスです。
ただし、買い取りサービスの有無や対象品目については引越し業者によって異なりますので、必ず事前に調べておきましょう。
不用品回収もしてくれる引越し業者おすすめ7選
繰り返しになりますが、引越し業者の不用品回収は、引越しサービスに追加で付けられるオプションです。
そのため、不用品の回収を行っていない業者もあります。
参考までに、不用品回収もしてくれる引越し業者から、おすすめの5社をピックアップしました。
アーク引越センター
「アーク引越センター」は、豊富な実績とサービスが人気の、大手引越し業者です。
テレビ・エアコン・洗濯機・冷蔵庫といった大型リサイクル家電の回収に対応しており、不要品の買い取りも行っています。
ただし、フランチャイズ店舗の場合は、不用品回収のオプションを行っていない場合もあるためご注意ください。
買い取りの回収方法は「宅配」で、ダンボール5箱までは集荷・査定ともに無料です。
回収可能な不用品 | 廃家電(家電リサイクル法対象品目も対応)※フランチャイズ店舗は対象外 |
不用品の買取 | あり(書籍・CD・洋服など)無料宅配:ダンボール5箱までピアノの高価買取も |
公式サイト | https://www.0003.co.jp/ |
サカイ引越センター
「サカイ引越センター」では、幅広い不用品の買い取りを行っています。
生活家電や衣類にとどまらず、生活雑貨・お酒・ブランド品なども買い取り可能です。
子ども用のおもちゃやゲーム機、ギフト品も対象に含まれるため、趣味の物やいただき物もお金に変わる可能性があります。
不用品の回収品目は限られますが、買い取り品目のジャンルが多い点は、サカイ引越センターの強みと言えるでしょう。
回収可能な不用品 | 廃家電(家電リサイクル法対象品目のみ対応)※エリアによっては委任状があればその他の不用品も回収可 |
不用品の買取 | あり(不用品全般) |
公式サイト | https://www.hikkoshi-sakai.co.jp/ |
アップル引越センター
「アップル引越しセンター」では、引越し時に出る不用品処理の悩みに寄り添い、不用品回収・買取サービスを強化しています。
大手リサイクル店とタイアップを行っているため、買取可能な品目が豊富です。
買取の基準も明確で、家具・家電は製造から5年以内で状態の良いものであれば、高額買取の可能性もあります。
見積もりのほか、作業代も一切かからないため経済的です。
回収可能な不用品 | 家具・家電 |
不用品の買取 | あり(家具・家電)製造から5年以内大きな汚れがないもの |
公式サイト | https://www.apple-hikkoshi.co.jp/ |
アリさんマークの引越し社
「アリさんマークの引越し社」では、不用品の回収と、一部の品目は買取も可能です。
生活ごみや危険物の引き取りはできませんが、処分品・買取についての相談は常時行っています。
対応できる品目はかなり幅広く、引越し料金自体も低コストです。
回収可能な不用品 | 家具(テーブル・ベッド・ソファなど) |
不用品の買取 | あり ※詳細は問い合わせ |
公式サイト | https://www.2626.co.jp/ |
ファミリー引越センター
「ファミリー引越しセンター」は、料金がお手頃でありながら、充実したサービス・オプションが強みです。
引越し時に出る不用品については、回収の相談を行っています。
また、引越し時の家具の一時保管や、倉庫代わりに使えるトランクルームも、1ヵ月1,650円からの格安料金で提供しています。
「不用品はあるけれど、捨てるべきか迷う…」こんな時は、トランクルームに一旦預けて、どうするかじっくり考えるのも良いでしょう。
回収可能な不用品 | 要相談 |
不用品の買取 | なし |
公式サイト | https://www.505555.jp/ |
引越し費用と同じく、不要品の回収料金や買取の査定額については、まず見積もりをしない限りはっきりしません。
引越し業者によって回収・買取できる品目等の詳細も異なりますので、まずは見積もりを取ることから始めましょう。
費用が気になるなら「自分で処分」
ここまで、引越し業者に不用品の回収依頼をするメリットやおすすめの引越し業者を紹介してきました。
引越し当日に不用品を処分でき、荷造りに集中して取り組めるのは大きなメリットです。
しかし、その分費用は割高となるでしょう。
買取可能な不用品があったとしても、処分費用の方が上回れば、当然出費はかさみます。
「できるだけお金をかけずに処分したい」方は、不用品回収を業者に依頼せずに、自力で処分することも検討しましょう。
引越しの際に出た不用品の処分方法は、以下の5つです。
自治体のゴミ収集に出す
小さなゴミや不用品であれば、自治体が回収するゴミ収集に出して処分できます。
ゴミ袋以外の費用がかからないため、一番経済的な捨て方です。
ただし、収集スケジュールや回収できる品目などの「ゴミ出しルール」は自治体によって異なります。
分別方法についても違いがありますので、お住まいの地域のルールを確認しましょう。
粗大ゴミ回収に出す
大型家具など、自治体が定める規定サイズを超えるものについては、通常のゴミ収集に出すことができません。
大きなゴミは、「粗大ゴミ」として扱われ、処分費用がかかります。
- 家具や寝具など最大辺がおおむね30センチメートル以上のものが粗大ごみ
- 解体、分解した場合も粗大ごみの取り扱い
- ただし、30センチメートル未満のものでも粗大ごみに該当する品目あり(ボーリングのボール、鉄アレイ、ダンベルなど)
- 手数料:400円~2,300円 ※品目によって異なる
粗大ゴミに出すには、電話やインターネットで「粗大ごみ受付センター」へ事前申し込みの連絡をした後、必要な料金のゴミ処理券を購入します。
券に必要事項を記入の上、指定の日時に指定の場所へ出しておくのが一連の流れです。
家から指定場所への搬出は自力でしなければなりません。
そのため、大型家具の場合は「自力で運び出しできるか」をよく検討しましょう。
粗大ゴミ回収は申し込みから2週間ほどかかるため、引越し予定日までに処分できるよう早めの申し込みが必要です。
クリーンセンターに持ち込む
粗大ゴミ回収の費用は決して高くありませんが、品目ひとつにつき料金が発生します。
処分したい不用品が多い場合は、回収費用がかさむ場合も。
もし、不用品を自力で運べる手段がある場合は、クリーンセンターへ持ち込み処分するのもひとつの方法です。
地域によっては処分料金の減免措置が受けられ、粗大ゴミ回収よりも安く処分できます。
- 西台粗大ごみセンターに持ち込む場合の手数料は、区に収集を依頼する場合の半額
- 西台粗大ごみセンター」に持ち込みができるのは板橋区民のみ。
クリーンセンターへ持ち込む場合も、事前受付をし、車はご自身で用意が必要です。
フリマアプリ・オークション・リサイクルショップで売る
引越し時に出た不用品は、フリマアプリやオークション、リサイクルショップなどに売って処分する方法あります。
売却処分するメリットは、不用品がお金に変わることです。
大型家具を始めとする粗大ゴミや、リサイクル料金がかかる家電が売れれば、臨時収入を得られるだけでなく、処分料金も浮いて一石二鳥です。
フリマアプリ・オークションの場合は、出品価格を自分で決められるため、引越し業者の不用品買取サービスを利用するよりも高値で売れる可能性もあります。
少しでも高く売りたい方や、不用品を現金化したい方におすすめです。
ただし、梱包・発送はすべて自分で行います。
引越しまで時間がない方や、手間をかけたくない方には不向きです。
出品してもすぐに売れるとは限らず、手間と時間がかかる点は、売却処分のデメリットと言えるでしょう。
欲しい人に譲る
「売るのは手間だけど、処分費用は浮かせたい」という方は、人に譲ることも選択肢のひとつです。
使用感のある家具・家電のように、「売れないけれど、捨てるには惜しい」不用品も、欲しい人に引き取ってもらうことで、心置きなく手放せます。
友人・知人や近所の方で譲り先が見つからない場合は、「ジモティー」を始めとする地元密着型の掲示板を利用しましょう。
ジモティーは、欲しい人と譲りたい人をマッチングする無料のサービスです。
取引が成立しても手数料はかからないので、安心して利用できます。
ただし、取引は個人間で行うため、プライバシーには注意が必要です。
自宅から離れた場所で引き渡すなど、トラブルを避ける工夫をしましょう。
手早く処分するなら「不用品回収業者」がおすすめ
引越し時に出る不用品は、「不用品回収業者」へ依頼する方法もあります。
引越し業者の不用品回収サービスを利用すれば、引越し当日にすべて対応してもらえる時間的なメリットがありますが、スピード感で言えば不用品回収業者の方が早いです。
手早く処分したい時に不用品回収業者をおすすめする理由は、次の3つです。
回収できる品目が幅広い
引越し業者の不用品回収サービスは、回収品目が限定的ですが、不用品回収業者なら、ジャンルを問わずほとんどの不用品を引き取ってもらうことが可能です。
危険物などでない限り、家中の不用品をまとめて引き取ってもらえます。
不用品の回収・運搬に使用する専門の大型トラックも所有しているため、一度の依頼で大量の不用品を回収できます。
最短で即日対応が可能
不用品回収業者は、回収までの早さが段違いです。
最短で即日対応している業者も多く、量にもよりますが作業も2~3時間で完了します。
引越し業者に依頼して、引越し当日に不用品を回収してもらうのも時間の節約になりますが、引越し準備を考えるとどうでしょうか。
荷造りが進むにつれて、生活スペースを大量のダンボール箱が占領します。
大型家具や家電を処分することが決まっているのなら、引越しを待たずに少しでも早く手放した方が、引越し作業の効率がアップするのは明確です。
深夜や早朝の作業に対応している業者もあるため、都合の良い時間にスケジューリングできるメリットもあります。
日時を指定できる柔軟さと、即日回収できるスピーディーさを持つ不用品回収業者は、引越しシーズンなどの繁忙期にも心強い味方です。
買取サービスを利用できる
一部の引越し業者同様、不用品の買い取りを行っている不用品回収業者もあります。
買い取りサービスのある不用品回収業者を利用すれば、要らないものがお金に変わる可能性もあります。
買い取った金額を回収料金から値引きして清算してもらえれば、不用品処分にかかる費用が浮き、経済的な負担が減らせます。
引越し業者で不用品回収と買い取りまで対応可能な業者はかなり絞られるため、業者選びの手間を考えても、買い取り行っている不要品回収業者に依頼する方がスムーズです。
割安なプランがある
引越し業者の不用品回収サービスは、引越し作業のオプションサービスです。
そのため、不用品回収に特化したプランは乏しいです。
不要品の品目や量によっては、引越し料金とは別に多額の上乗せになる場合もあります。
不要品回収業者の場合は、トラック1台積み放題プランや間取り別の料金プランがあるため、回収するものが多いほど割安と言えます。
ただし、「テレビ1台だけ」など回収する不用品が少ないと、返って料金は割高になるケースがあるため注意してください。
引越し業者の不用品回収サービスで引き取りできない不用品がある場合や、処分したい不用品がたくさんある場合は、不用品回収業者への依頼も検討してみましょう。
まとめ
引越しをともなう不用品の処分方法は様々ですが、基本的には以下の3つです。
- 引越し業者の不用品回収サービス(買取)を利用する
- 不用品回収業者に依頼する
- 自力で処分する
処分費用をかけずに手放す場合の主な処分方法は、自治体のゴミ収集や粗大ゴミ回収のほか、売却・譲るなどです。
この場合、コストパフォーマンスがいい反面、タイムパフォーマンスは悪く手間がかかります。
退去・入居手続きに加えて引越しの準備を行う多忙ななか、不用品の処分も行う余裕はあるでしょうか。
引越しまで時間がなく、不用品を処分する余裕もないといった場合は、引越し業者または不用品業者へ回収を依頼した方がスムーズです。
引越し業者と不用品回収業者では、回収方法や引き取り可能な品目、回収料金が異なります。
不用品が大量にある場合などは、幅広いジャンルを回収できる「不用品回収業者」の利用がおすすめです。
引越しは、荷造りや荷物の仕分け、不用品の処分を含め、手間と時間がかかります。
できるだけ早くスケジュールを立てておくと、スムーズに進められるでしょう。