お役立ちコラム

ゴミ屋敷片付け

ゴミ屋敷になった空き家の放置は迷惑!行政の対応や補助金制度も紹介

近年、人口減少の加速と共に増加の一途を辿る空き家の数。
その中には、ゴミ屋敷と呼ばれる敷地内や家の中がゴミで埋め尽くされた状態の家もあり、地域の治安の悪化や倒壊、放火などの危険性から注意が必要です。

ゴミ屋敷化した空き家の片付け方法は、自治体による強制撤去や、ゴミ屋敷清掃業者の活用など様々です。
自治体によっては専門業者に依頼した際にかかる費用について一部補助金制度が適用される地域もあります。

この記事では、こうしたゴミ屋敷化した空き家の片付け方法について、自治体からの補助金制度を交えて詳しく解説していきます。

ゴミ屋敷化した空き家の片付け方法

目次

空き家がゴミ屋敷化する原因

空き家がゴミ屋敷化する理由

なぜ空き家がゴミ屋敷化するのでしょうか。
空き家がゴミ屋敷化する主な原因は以下の5つです。

  • 不法投棄でゴミ屋敷化が進む
  • 遠方にしか親族がいない
  • 野良動物や害虫のすみかになっている
  • 不法侵入者が住み着いている
  • 住人が介護施設等に入所している

ここでは、これら5つの主な原因について説明します。

不法投棄でゴミ屋敷化が進む

空き家がゴミ屋敷化する理由の一つに、住人ではない第三者による不法投棄があります。
粗大ゴミや不用品などが空き家所有者に許可なくその敷地内に捨てられます。
また、一度ゴミが捨てられると、次から次へと他のゴミが投棄され年月とともに蓄積することで空き家がゴミ屋敷へと変わっていくのです。

なお空き家にかかわらずゴミの不法投棄は犯罪であり、個人での不法投棄が見つかれば「5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、その両方」が科せられます。

親族が遠方にしかいない

親族が遠方にしかいない場合も、空き家がゴミ屋敷になってしまう原因のひとつです。

近くに住んでいればこまめに訪れて掃除をしたり庭の草むしりをしたりなどの管理ができますが、遠方の場合はこまめな訪問は難しいでしょう。

人の手が入らない家屋は劣化が激しく、あっという間に廃墟のような見た目になってしまいます。空き家には住人が使用していた家具などが残されていることもあり、これらも劣化が進んでゴミ状態になることで家屋全体がゴミ屋敷と化してしまうのです。

野良動物や害虫の住みかになっている

野良動物や害虫の住処になることでも、空き家はゴミ屋敷になってしまいます

近年、郊外だけではなく都心部でもさまざまな野生動物が発見されるようになりました。これらの野生動物は子育てなどの目的で静かな場所を求め、空き家にたどり着く傾向が多く見られます。人の気配がないため、安心して子育てに専念できるからでしょう。

野良動物が住み着くと天井や柱などをかじったり、糞やえさの食べ残しなどから害虫が繁殖してしまいます。

これらはすべて家屋を傷める原因となり、ゴミ屋敷になってしまうのが現状です。

不法侵入者が住みついてしまう

空き家に不法侵入者が住み着いてしまうことでも、ゴミ屋敷になる可能性があります

不法侵入者は空き家を自分の家であると認識していないため、「綺麗にしよう」「掃除をして清潔感を保とう」という感覚がありません。

例えば食事の際に出る弁当のプラスチックケースやペットボトルなどは、空き家のいたるところに捨てるなどするでしょう。自分の家ではないので、ゴミ回収日にまとめて出そうという考えがないからです。

このようなゴミの放置が繰り返し行われることで空き家に溜まり、ゴミ屋敷と化します。

住人はいるが、介護施設へ入所している

近年、高齢化や核家族化が進む影響で一人で暮らす高齢者の方が増えてきました。
こうした高齢者の方の中には体力の低下や認知症などの理由から一人では身の回りを片付けることが困難になるケースがあります

親族・家族のなかには「一人で実家においておけない」と考え、介護施設などに入所することもあるでしょう。体力の低下や認知症は、事故・怪我などの原因になるからです。

住む人がいなくなった家や空き家同然となり、管理・手入れをする人がいなくなれば家屋の劣化が進み、ゴミ屋敷へと変貌していきます。

空き家のゴミ屋敷や荷物をそのまま放置すると近隣にも迷惑

空き家のゴミ屋敷や荷物をそのまま放置すると近隣にも迷惑

空き家のゴミ屋敷や荷物を放置することは、悪臭・害虫などの近所明確になるため良くありません。

放置するとどのような迷惑が発生するのか、詳しくみていきましょう。

ゴミ屋敷は火災発生のリスクが高い

空き家をゴミ屋敷の状態で放置すると、火災の発生リスクが高まります。

空き家のゴミ屋敷は、基本的に締め切った状態です。充分な換気が行われない家屋内部ではたまったゴミの腐敗・発酵により、ガスや熱を発生する可能性があります。これらは家屋内部にこもり続けることで発火点に到達し、自然発火を引き起こしてしまうのです。

また、ゴミの中には可燃性の高いものも多く、火の回りをはやめてしまう原因にもなります。

このように空き家のゴミ屋敷は住人がいる住宅に比べて火災のリスクが高い上に消火が遅れることから近所迷惑になるのです。

害虫や害獣の発生・繁殖

空き家のゴミ屋敷放置は、害虫や害獣の発生・繁殖のリスクを高める原因にもなります。

家屋は住人が毎日掃除などの手入れをすることで清潔な環境を保持し、害虫の発生・繁殖を防いでいます。しかし、清潔を保持する人がいなくなれば誰も住んでいなくてもホコリなどがたまり、害虫発生を引き起こしてしまうのです。

また、空き家は人気がないことから害獣にとって安全な住処になります。天敵がいないことで子育てなどをする可能性も高まり、大人に育った害獣が近所の草花や農作物などを食い荒らすなどの迷惑をかけることになるでしょう。

ゴミ屋敷から周辺に悪臭が漂う

ゴミ屋敷から発生する悪臭で、周辺住民に迷惑をかけることも可能性も考えられます

ゴミから発生する悪臭は臭いだけではなく、身体にとって有害となる物質が含まれていることもあるので危険です。長期にわたってゴミ屋敷から発生する悪臭を吸い込み続けると健康被害を発症する可能性が高まります。

健康被害が家族・親族の場合は治療費程度で済みますが、近隣住民にまで及んだ場合は裁判沙汰になり、治療費とあわせて賠償請求される可能性もあるでしょう。

家屋の腐食が進み、災害で倒壊することもある

空き家のゴミ屋敷は、災害で倒壊する危険性を秘めています。

ゴミの腐敗が進むとその腐敗が家屋にまで及んでしまい、家屋の腐食を進行させる原因になります

腐食が進んだ家屋はもろく、少しの衝撃や揺れでも倒壊してしまうので危険です。地震などで大きな揺れが行った場合には倒壊する危険性が極めて高く、その被害・影響が近隣住民の住宅にまで及ぶ可能性も考えられます。

家屋が倒壊する瞬間にその近くを人が通行していた場合は、巻き込んでしまう可能性あるでしょう。

近所のゴミ屋敷化した空き家の片付け方法

ゴミ屋敷化した空き家の片付け方法

お住まいの近くにこのようなゴミ屋敷化した空き家があるものの、まず何から手をつけたら良いか分からないという場合、お住まいの市区町村にある役場へ相談しましょう

2014年には各自治体が独自に空き家の調査や所有者への指導、罰金や強制撤去なども行うことができる「空家等対策特別措置法」という法律が制定されたため、国に代わり自治体が権限を持って措置をとることが可能です。

空き家・ゴミ屋敷への条例

各自治体では、空き家・ゴミ屋敷に対して条例を設けています。ただしその主な内容は各自治体によって異なり、同一ではありません。

東京都新宿区では火災・倒壊・悪臭発生などの恐れがある管理不全な空き家・土地・建物に対して、区長権限で調査を行い、最終的には行政代執行を行えると定めています。

同じ東京都でも大田区の場合は、健康被害・火災などとあわせて交通障害の恐れも対象として含めていますが、対応については立ち入り調査から行政代執行まで新宿区と同様です。

ゴミ屋敷の片付け費用は空き家の所有者が支払う

ゴミ屋敷の片付け費用は、家屋の所有者が支払うことになります。自分で業者に依頼してゴミ屋敷を片付けるケースはもちろん、行政が代理で片付ける場合も同様です。

行政代執行による空き家のゴミ屋敷片付けの場合、費用はいったん行政が立て替えますが、その後、空き家の所有者に請求します。

空き家の持ち主が片付け業者に依頼する際は、相見積もりを取るなどして費用を安く抑えることも可能です。

しかし行政代執行では行政が片付け業者を選定し、事前の相談はありません。そのため、自分で依頼するよりも高額になる可能性があります。

ゴミ屋敷化した空き家を自治体が撤去するまでの流れ

ゴミ屋敷化した空き家を自治体が撤去するまでの流れ

自治体が近隣住民から空き家の連絡を受けた場合、どのような手順で問題解決されていくのでしょうか。
具体的なやり方については各自治体ごとに異なりますが、次の章ではその大まかな流れをご説明します。

住民から市区町村へ役所にゴミ屋敷の実態を連絡

ゴミ屋敷化した空き家の撤去などを自治体に依頼する場合は、住民から市区町村を管轄する役所へ連絡しなければなりません

ただし、自治体によっては「1~2度程度の連絡では動いてくれない」「個人的に相談に行っても対応してくれない」などのケースがあります。

複数人数の意見書などを集めたり、一緒に自治体に行ったりすると、事態の深刻さが伝わりやすくなるのでおすすめです。

ゴミ屋敷化した空き家で悩んでいるのはご近所も一緒のはずなので、声をかけたり相談したりしてみると良いでしょう。

行政による調査開始

各自治体が近隣住民から空き家の相談を受けた場合、まずは空き家の現地調査が行われます
また、1年を通して人の出入りが全くないかどうかや、電気・ガス・水道などが長期間使用されていないかどうか、固定資産税の納税情報など、あらゆる方向から空き家の実態調査が行われます。

行政による調査期間は、一日で終了するとは限りません。  調査方法などが決まっていないことから、何日間かに分けて自治体の職員が現場を訪れ、慎重に調査を行うこともあります。

「特定空き家」として自治体が指定

調査を行い空き家であることを確認した上で、以下の4つの条件に当てはまる場合、「特定空き家」として自治体が指定します。
その条件とは1:倒壊の危険性がある、2:衛生上有害である、3:周囲の景観を損なう、4:放置することが不適切である、というものです。
自治体が「特定空き家」として指定すると、自治体の管理下に置かれ指示を受けるようになります。

「特定空き家」として指定を受けたからといって、その指定が解除されないということはありません。

例えば周囲の景観を損なうという問題点を改善すれば、指定解除が可能です。

行政からゴミ屋敷の持ち主へ助言・指導

「特定空き家」と定められた空き家に対しては、空き家の所有者へ自治体から改善の指導が行われます
所有者は速やかに行政の指導に従い改善する必要があります。

例えば、「捨てられたゴミが敷地内から溢れ道路を塞いでいるため、ゴミの撤去作業をしてください」、「塀の老朽化で今にも崩れ落ちそうなため、速やかに取り壊し作業を行ってください」など、行政から具体的な助言・指導が行われ、早急な対応が促されます。

ゴミ屋敷の所有者へ勧告

助言や指導を行ったにも関わらず、所有者が従わなかった場合、所有者に対し勧告が行われます
勧告を受けた場合は状況が改善されるまでの間、所有者が受けている固定資産税の優遇措置制度が適用されなくなります。
それに伴い、従来支払っていた土地の税金の約6倍の金額を強制的に支払うこととなります。

税金面では不都合が生じますが、この時点では法的強制力がありません。罰則・罰金などが科せられることもないため、このタイミングで問題を解決することが望ましいでしょう。

ゴミ屋敷の所有者へ改善命令

勧告されても改善が見られない場合、自治体は空き家の所有者に対して改善命令が行われます
命令は行政処分とも言われ、「空家等対策特別措置法」の下、50万円以下の罰金が科されることになります。

改善命令が行われても改善が見られない場合は、文書による戒告が行われ、履行期限が設定されるのが一般的です。ただし、緊急性が高いと自治体が判断した場合は戒告を省略して行政代執行が行われるケースもあります。

行政代執行(強制撤去)

命令を受けてもなお、行政に従わない場合は最終的な措置となる行政代執行が行われます。
行政代執行とは行政が空き家所有者の代わりに空き家の解体や樹木の伐採、ゴミの撤去などの問題解決を行うものです。
その際にかかった費用は空き家所有者が負担する必要があります。

なお行政代執行が実施される前に「代執行実施期間」「責任者氏名」「費用の見積もり」などが明記された代執行令書が発行されるのが通例です。ただし緊急に対応しなければならないと判断された場合、通知手続きは省略されます。

実家がゴミ屋敷になっている場合の片付け方法

ゴミ屋敷化し空き地となっている場合の片付け

もし、あなたの実家や身内の自宅がゴミ屋敷化した空き地となっている場合、時間が経てば経つほど建物の倒壊や放火のリスクは高まるため、近隣住人への被害を及ぼす前に早めの対処が必要です

しかし、何年にも渡って築き上げられたゴミ屋敷を一人で一つ一つゴミを分別しながら片付けようと思うと、いくら時間があっても足りません。
また、遠方にお住まいの方の場合には通う交通費や移動時間も負担になってしまいます。
このような場合には、ゴミ屋敷清掃業者を頼り早期解決に当たることをおすすめします。

この章ではゴミ屋敷になった実家・空き家の片付け方を紹介するので参考にしてください。

自分で空き家の片付けを進める

できるだけコストをかけたくない場合は、自分で空き家の片付けを進めましょう。自治体のゴミ回収日に不用品・ゴミなどを出すようにすれば、お金はかかりません。

ただしゴミの量が多い場合や家屋全体がゴミ屋敷になっている場合は、自分で片付けるために労力や時間がかかります。

家屋の状態やゴミの量などを確認し、自分一人での片付けが困難だと感じたい場合は親族にも相談して手伝ってもらうなどの方法を取ってください。

ゴミ屋敷片付け業者に空き家片付けを依頼

実家・空き家全体がゴミ屋敷化していた場合は、ゴミ屋敷片付け業者に依頼することもひとつの方法です。

ゴミ屋敷片付け業者はさまざまな家屋・空き家の片付け実績を積んでおり、短時間で手早く片付けるノウハウも熟知しているので、自分で片付ける方法よりも短時間で作業が完了するでしょう

ただしゴミ屋敷片付け業者のなかには、相場よりも高い金額を請求するところもあるので注意してください。依頼する際には複数の業者を選定して相見積もりを依頼し、提示される価格を比較したうえで選びましょう。

空き家の解体業者に片付けも任せる

実家が空き家で今後も誰も住まない場合は、空き家の解体業者に依頼することもおすすめです。

解体業者に依頼する際には、家の中を片付けておいたほうが良いと思う人もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。

解体業者は取り壊した家屋の廃材とともに、ゴミや不用品も一度に片付けてくれます。片付け業者と解体業者それぞれに依頼する必要もなく、まとめて作業してもらえるので時間と費用の削減にもなるでしょう

ゴミ屋敷化した空き家の片付けで利用できる補助金制度

https://www.photo-ac.com/main/detail/29150442&title=%E8%A3%9C%E5%8A%A9%E9%87%91

ゴミ屋敷化した空き家を片付ける際にはコストがかかることが多く、その理由で放置状態になっているケースもあるでしょう。

各自治体ではゴミ屋敷化した空き家の片付け・撤去作業に対して補助金を設けており、一定の条件を満たせば利用可能です。

補助金がもらえる空き家の条件や対象となる片付け作業などを解説するので、参考にしてください。

補助金がもらえる空き家の条件

ゴミ屋敷が空き家だからという理由だけで、補助金がもらえるわけではありません。給付には以下のような条件が設けられており、これらを満たす必要があります。

  • ・空き家が売却・賃貸予定
  • ・新たに取得した空き家
  • ・空き家バンクへの登録

空き家を売却・賃貸する際には、家屋のなかに残っている家財道具やゴミの処分が必要です。空き家のスムーズな売却・賃貸が行えるように、自治体が片付けの補助を行っているケースがあります。

また新たに取得した空き家がゴミ屋敷だった場合も、空き家を解消して早く家屋に住んで欲しいなどの理由から、自治体が補助してくれることがあります。ただしこの場合は、回収・リフォームを含む片付けを対象としているケースが一般的です。

なお、上記のような自治体からの補助金をもらうためには、空き家バンクへ登録しなければなりません。「適切な相続・登記」「建築基準法が遵守された家屋」などの条件が設けられているので、事前に確認してください。

補助金の対象になる片付け作業

前述した条件を満たしたからといって、すべての片付け作業が補助金の対象になるわけではありません。補助金を受けられる可能性が高い主な片付け作業は以下の通りです。

  • ・リサイクル家電の処分
  • ・清掃や伐採
  • ・ゴミの処分
  • ・家財道具やゴミの収集と運搬

伐採については敷地内の樹木の伐採だけではなく、雑草の処分も含まれます。ゴミ屋敷のなかには広い庭付きの家屋もあり、長年手入れがされていない状態では雑草が生え放題になって自分での作業が困難なケースもあるでしょう。そのような場合に業者に依頼すると補助金が支給される可能性があります。

なおこれらの片付けは一例であり、すべての自治体で一律ではありません。どのような作業が対象になるのか、事前に確認してください。

空き家の片付けでもらえる補助金の金額

ゴミ屋敷化した空き家を片付けるための補助金

ゴミ屋敷化した空き家を片付ける際、補助金はどれくらいもらえるのでしょうか。
自治体によって補助金額は異なりますが、大まかな補助金の目安として、上限の費用は10万円の自治体が多く、それ以下の場合、かかった費用の半額、もしくは満額が補助金として支払われるケースが多いと言われています。

ゴミ屋敷化した空き家片付けのゴミの処理費用やハウスクリーニング、排水管などの清掃、樹木の伐採や除草にかかる費用が補助金を利用できる対象となります。
これらの条件に当てはまる場合、補助金を積極的に活用しながら片付けを行なっていきましょう。

空き家でゴミ屋敷となった実家を売却する方法

https://www.photo-ac.com/main/detail/28594031&title=%E4%BD%8F%E5%AE%85%E3%81%AE%E5%A3%B2%E5%8D%B4%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B

空き家だったものの、ゴミ屋敷となってしまった実家を売却したいと考えている人も多いのではないでしょうか。
ここでは実際に、空き家となっていたもののゴミ屋敷になってしまった実家を売却する方法をご紹介しましょう。

権利を得なければならない

空き家でゴミ屋敷となってしまった実家でも勝手に売却することはできません
もしもですが、他の場所で住んでいる両親が健在の場合、空き家ではあっても家の権利は両親が持っていますので、売却するのであれば両親を説得するか、あるいは両親から委任してもらい、売却を進めることになります。

既に相続している場合

空き家を既に相続している場合、権利を持っていますのでゴミ屋敷を売却できます
不動産業者に売却できないかを相談してみましょう。
但し、不動産の売却の可否・価格は不動産価値によって決まります。

ゴミ屋敷となってしまった場合、不動産価値は低いです。
駅や商業施設から近いなど、建物以外の付加価値があれば高値での売却も期待できるのですが、建物以外に付加価値が見られない空き家は、不動産価値は低いです。

ゴミ屋敷になってしまった空き家の不動産価値が低い理由

ゴミ屋敷になってしまった空き家の不動産価値が低い理由

空き家だったはずの実家がゴミ屋敷になってしまったので売却をと考えても、先にお伝えしたように建物以外の部分に価値がなければ相場よりも低額での売却になるでしょう。
なぜ売却価格が低くなるのか、その理由としては下記が挙げられます。

需要がない

一言で言えばゴミ屋敷に需要がないからです。
不動産価格も、基本的には需要と供給のバランスで決まります。
欲しいと思う人がいれば高額での売却となりますし、欲しい人が少なければ低額となってしまいます。

残念ながら、ゴミ屋敷だった家を欲しいと思う人はそうそういないでしょう。
ただし駅や商業施設から近い、あるいは近年再開発が見込まれることによる投機目的など、「家以外」の部分に価値が見られる場合には高値で売却できる可能性があります。

そのままの状態では住めない

ゴミ屋敷のままでは生活はできません。
そのため、不動産業者としてもゴミ屋敷を購入したらゴミ屋敷を片付けなければなりません。
片付けた際、腐食が激しければリフォーム、あるいは取り壊しが必要になることもあります。

いずれにせよ、ゴミ屋敷を買取った不動産業者側も、何らかの手を加えなければならないので、売却価格が低くなってしまいます

ゴミ屋敷となった空き家を高く売却する方法

ゴミ屋敷となった空き家を高く売却する方法

ゴミ屋敷となってしまった空き家の需要は低いです。
しかし、高く売る方法もありますのでいくつか方法をご紹介しましょう。

ゴミ屋敷のゴミを片付けてから売却する

ゴミ屋敷のまま売却するのではなく、専門業者に依頼してゴミ屋敷を片付けてから売却した方が高値で売れます
綺麗な状態であれば住居需要が高まるからです。

専門業者に依頼することで費用はかかりますが、家の状況によっては専門業者に依頼した費用を回収できるほど、高値が付くケースもありますし、もしもですが、自力でゴミ屋敷を片付けることができれば、費用をかけずに資産価値を高めることができます。

リフォームしてから売却する

ゴミ屋敷をリフォームしてから売却することで、先の話同様、不動産価値が高まる可能性があります
ただし、リフォーム前には片付けが必要になります。
リフォーム業者に依頼するか、あるいは専門業者に片付けだけを依頼するかになりますが、いずれにせよ通常のリフォームより費用がかかります。

ゴミ屋敷の空き家をそのまま放置するリスク・デメリット

ゴミ屋敷の空き家をそのまま放置するリスク・デメリット

ゴミ屋敷となってしまった空き家ではあっても、日常生活に支障がなければすぐに対策を講じる必要はないと、悠長に構えてしまいがちです。
しかし、ゴミ屋敷となってしまった空き家をそのまま放置していると、様々なリスク・デメリットが待ち構えています。

固定資産税

ゴミ屋敷ではあっても相続していた場合、固定資産税を支払う必要があります。
「大した額じゃないから」と思っているかもしれませんが、特定空き家に指定されてしまうと、住宅用地の軽減措置を受けることができなくなります。

住宅用地に関しては、固定資産税は6分の1、都市計画税は3分の1の軽減措置が適用されているのですが、特定空き家となると軽減措置がなくなります
つまり、固定資産税は6倍、都市計画税は3倍となります。

特定空き家とは?

特定空き家とは行政による空き家の調査を受けて空き家に指定されます
特定空き家の指定を受けると、行政の指導や勧告を受けることになります。

助言・指導→勧告→命令→行政代執行

上記流れとなっており、勧告を受けることで住宅用地特例の対象から外れ、固定資産税が6倍に、都市計画税が3倍になります。

固定資産税を払わなかった場合

空き家で住んでいないからと固定資産税の支払いを拒否した場合、延滞金が発生します
1ヶ月目までは年7.3%、2ヶ月目以降は年14.6%、と延滞金が膨らみます。
但し、期間、あるいは延滞税特例基準割合によって異なりますので、詳しくは下記の国税庁ホームページでご確認ください。

参照:国税庁延滞税について

災害時の責任問題

もしもですが、災害時にゴミ屋敷のゴミによる損失を与えた場合、その責任は法的権利を持つ人間の責任となります
例えばですが、台風の際にゴミ屋敷のゴミが突風によって他の家にぶつかって損失を出してしまったり、地震が起きた際、揺れによってゴミが隣家の出入り口を塞いで出れなくなってしまったりといった問題が発生した場合、住居の有無に関わらず、権利者の責任となります。

さらなる不法投棄のリスク

空き家がゴミ屋敷になってしまう理由の一つが不法投棄ですが、放置すればするほど、さらに不法投棄が増えるリスクがあります。
不法投棄をしても誰にも何も言われないと分かれば、ゴミを持て余している人にとっては貴重な場所となってしまいます。
さらには不法投棄のゴミがさらなるゴミを生むなど、ゴミ屋敷がさらに悪化するリスクがあります

片付けの手間・費用が増える

ゴミ屋敷のゴミが増えれば増えるほど、片付けの手間が増えます
業者に依頼する場合、ゴミ屋敷の片付け費用はゴミの量と比例しますので、ゴミの量が増えれば、依頼費用も増えます。

空き家のゴミ屋敷を放置するということは、誰が捨てたのか分からないゴミによって生まれたゴミ屋敷の片付け費用を自ら負担しなければならないことになります。

侵入者リスク

空き家だと思われると、人が入り込む可能性があります
窃盗犯、ホームレスなどが入り込み、家を荒らすだけではなく、住み着いてゴミを残し、ゴミ屋敷化のきっかけをもたらすリスクがあります。

空き家をゴミ屋敷にしないための対策

空き家をゴミ屋敷にしないための対策

とある芸能人が、実家の空き家の遺品整理を依頼したら200万円かかったとテレビで発言して話題を集めました。
このことからも、ゴミが増えてからの整理は何かと大変で、かつ空き家をゴミ屋敷にしないことが大切だと分かります。

そこで空き家をゴミ屋敷にしないための対策をご紹介しましょう。

生前から実家を気にする

空き家にする前の段階から気に掛けるのがベストです。

生前から実家を訪れ、両親とコミュニケーションを取っておくことで、もしもの時でも「どうすればよいのか分からない」を防ぎます。

また、足を運ぶことで両親も家を綺麗にしておく理由ができます。

ゴミ屋敷化してしまう理由の一つに、誰も家にこないので掃除をしなくなる点が挙げられますが、適度に足を運ぶことで掃除意欲を高める効果もあります。

すぐに処分する

相続したらすぐに処分するとよいでしょう。
実家であれば、空き家ではあっても思い出があることでしょう。

しかし、いつまでも残しておくとゴミ屋敷リスクが高まってしまいます。
頻繁に足を運び、空き家ではあっても生活感をもたらすことができるのであれば良いでしょう。
しかし、足が遠のくと次第に生活感が損なわれ、周囲からゴミを捨てられるなどしてゴミ屋敷化が進んでしまいます。
そのため、相続したら、ゴミ屋敷化する隙を与えずに処分することが大切です。

こまめに手入れをする

空き家を処分したくないのであれば、手間はかかりますがこまめに足を運び、生活感を出すことが大切です。
空き家だと知られると不法投棄リスクが高まります。

しかし頻繁に人が出入りし、「誰かいる」と思わせれば、不法投棄リスクは大幅に軽減します。
手間がかかるかもしれませんが、空き家を残しておきたいのであれば、こまめに足を運んで手入れをしましょう

空き家に住む

空き家そのものに住むのも手です。
もちろん引越しをして、住居としてです。
空き家にしておくのは勿体ないものの、足を運んで手入れをするのは面倒だと感じており、かつ現在の住まいが賃貸であれば空き家をリフォームするなどして住むのも良いでしょう。

人が住んでいれば、少なくとも知らない間にゴミ屋敷になることはないはずです
思い出の家とも一緒に住めますので、一石二鳥です。

ゴミ屋敷化した空き家の片付けは七福神にお任せください

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ゴミ屋敷と化した空き家のなかには自分での片付けが困難なケースもあり、無理矢理自分で片付けようとしても思うように進まず、途中で断念してしまうことも少なくありません。

ゴミ屋敷の空き家は放置しておくと近所迷惑だけではなく、地震などの災害が起こった際の事故・トラブルの原因にもなるので、可能な限り早めに片付けをしたほうが良いでしょう

ゴミ屋敷バスター七福神では、ゴミ屋敷と化した空き家の片付けを承っています。不用品のなかにリユース・リサイクル可能なものがあった場合は買取を行い、作業費と差し引いての請求も可能です。

一般社団法人ゴミ屋敷清掃士認定協会公認のゴミ屋敷清掃士も在籍しておりますので、ぜひご相談・お問い合わせください。

空き家がゴミ屋敷になってしまった時のまとめ

空き家がゴミ屋敷になってしまう理由は不法投棄や住人の高齢化・病気が多いです。
また、野良動物や害虫、さらには不法侵入者の影響で実家の空き家がゴミ屋敷になってしまうリスクもあります。

ゴミ屋敷になってしまった空き家は固定資産税や災害時の責任問題、侵入者リスクがありますので、できればすぐにでも処分したいところです
ゴミ屋敷の不動産価値は高くはありませんが、片付けやリフォーム後であれば資産価値が高まる可能性もありますので、上手く活用して売却処分するか、自ら住むという選択肢もありますが、放置は様々なリスクがあるので気を付けましょう

ゴミ屋敷の片付け,
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この記事を読んで少しでもゴミ屋敷や汚部屋を掃除したい、
要らない不用品を整理したいなど片付け・清掃を検討された場合は
是非、まずはお気軽にゴミ屋敷バスター七福神へご相談ください!

この記事の監修者

ゴミ屋敷片付けの専門業者「ゴミ屋敷バスター七福神」代表

監修者 竹本 泰志

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。

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