万が一の家事に備えて、自宅に「消火器」を置いているご家庭も少なくないでしょう。
しかし、消火器には“使用期限”があります。
使用期限を過ぎると、火災を鎮圧させられるどころか、破裂する可能性もあり非常に危険です。
不要になった消火器は適切な方法で処分し、新しいものに買い替えましょう。
今回は、消火器の処分方法と、処分する目安について詳しく解説いたします。
目次
消火器の使用期限は3~5年が目安
消火器にも、食料品と同じように製造年月や使用期限、品質保証期間などが書かれています。
家庭用消火器の使用期限は、3~5年が目安です。
しかし、必ずしも5年間使えるとは限りません。
新しいものを購入するときは、消火器の使用期限もしっかり確認して選びましょう。
使用期限内でもこんな消火器は処分を!
使用期限内であっても、消火器を処分したほうが良いケースもあります。
ご家庭に設置している消火器の状態をチェックして、処分が必要かどうか確認してみましょう。
1. 本体にさびや変色、腐食がみられる 2. へこんでいる 3. キャップに破損がある 4. 操作レバーが変形している |
期限は切れていなくても、消火器本体のさびが目立つ、色が変わっている場合は処分の対象です。
消火器は直射日光や湿気、気温の変化などに弱いため、設置場所によっては本体が傷む場合があります。
さびや変色が起きた消火器を使用すると、破裂する恐れもあるため危険です。
家庭に消火器を置いていると、子どもが触って倒してしまったり、誤って蹴ってしまったりすることも少なくありません。
「へこんだくらいなら大丈夫」と放置しておくと、小さな穴から消化液が噴き出し、命に係わる事故が発生する可能性もあるのです。
消火器を処分する方法は5つ
消火器は家庭用であっても、一般ゴミに出すことができません。
リサイクルが義務付けられているため、自治体での回収自体していないのです。
また、消火器は詰め替えができないことから、中身が入ったまま本体ごと処分する必要があります。
消火器を処分する方法は次の5つです。
消火器を処分する方法①特定窓口でリサイクルに出す
不要になった消火器は、「消火器リサイクル推進センター」が回収を行っています。
国内で製造された対象の消火器であれば、リサイクル処分を依頼することが可能です。
消火器リサイクル推進センターは、日本全国に『特定窓口』があります。
直接窓口へ不要になった消火器を持っていくと、処分が可能です。
『特定窓口』は、消火器リサイクル推進センターの公式HPにある“リサイクル窓口検索”より確認できます。
特定窓口を利用する際は、リサイクル料(600円)と収取運搬料(1000円~)がかかります。
リサイクルシールは特定窓口で購入できますが、2010年以降に販売された消火器には元々リサイクルシールが貼布してあるので買う必要はありません。
ですが、2010年よりも前に購入した場合やリサイクルシールが貼られていない消火器はシールの購入が必須です。
リサイクルシールの有無にかかわらず、収取運搬料は必ず発生します。
ちなみに、エアゾール式小家具や外国製小家具はリサイクルの対象外となるため要注意です。
対象外の消火器を処分する場合は、各自治体に問い合わせてみましょう。
消火器を処分する方法②指定取引所に持ち込む
リサイクル推進センターでは、特定窓口のほか、指定取引所への持ち込みによる処分も可能です。
指定取引所は特定窓口よりも数が少なく、全国に約200か所あります。
200か所と聞くと多いようにも思えますが、県内に2つしかないところも。
指定取引所へ持ち込むと、特定窓口では必要になる“収取運搬料”がかからないので、経済的なメリットは大きいです。
2010年以降に購入したリサイクルシールのある消火器であれば、処分料金がかかりません。
指定取引所へ持ち込みを検討する場合は、お住まいの地域に指定取引所があるかを確認してみましょう。
指定取引所の検索も、消火器リサイクルセンターの公式HPから行えます。
消火器を処分する方法③ゆうパック回収を依頼する
リサイクルに出したいけれど、近くに特定窓口も指定取引所もない場合は、『ゆうパック回収』を利用しましょう。
ゆうパック回収は、個人で利用できるサービスです。
消火器リサイクル推進センターの公式HPの記載のある“ゆうパック専用コールセンター”へ電話し、事前申し込みを行います。
その後、自宅に届いた専用のボックスに消火器を入れて発送するだけです。
ゆうパック回収は、送料以外にもコストがかかるため、6,000円と処分費用もやや割高です。
消火器を処分する方法④買い替えと同時に引き取ってもらう
消火器の販売店では、買い替えの際に古い消火器の下取りや引き取りに対応しているところもあります。
新しい消火器を購入するのであれば、引き取りサービスのあるお店を選ぶというのも検討してみましょう。
ただし、引き取り自体は行っていても、消火器の状態によっては引き取り不可の場合もあります。
店員さんに引き取りが可能かどうか、前もって聞いておきましょう。
消火器を処分する方法⑤不用品回収業者に依頼する
消火器以外にも処分したいものがある場合は、不用品回収業者への依頼が便利です。
古い消火器はもちろん、家具家電や衣類など、いらないものをまとめて回収してもらえます。
ほかの処分方法と比べると費用は少しかかることが多いですが、即日対応も可能なので、早く手間をかけずに処分できるのはメリットです。
まとめ
消火器は劣化があると、使用期限内でも処分しなければならない場合があります。
家庭用消火器の価格は3,000円~5,000円程度で購入できますが、できることなら使用期限内まで使えたほうが経済的です。
また、さびや腐食した消火器をそのまま置きっぱなしにすると、事故の危険性も高まります。
命を守るために設置している消火器が原因でけがをしてしまっては元も子もありません。
消火器を無駄に安全に備えるためにも、正しく設置することが重要です。
直射日光が当たる、湿度が高い場所や、気温の変化が激しい場所へ置くことは避けましょう。
子どもの手が届かない場所へ置き、地震が発生しても消火器が倒れないよう固定しておくと安心です。