普段、天ぷらなどの揚げ物を作った後の食用油はどのように処分をしていますか?
「少量だからそのまま排水溝に流してしまえ!」は排水管にも環境にも優しくありません。
使い終わった食用油は、適切に処分していく必要があります。
この記事では、
- 使用済み食用油を簡単に捨てる方法
- 使用済み食用油を捨てる際の注意点
- 食用油の上手な保管方法
- 古くなった油の見極め方
などをご紹介していきます。
食用油の処分方法に迷った際に、是非お役立てください。
目次
食用油は何ゴミ?自治体によって食用油の処分ルールが異なる
使い終わった食用油の処分方法は住んでいる自治体によって異なります。
紙や布に染み込ませたり、凝固剤で固めるなどの方法で「可燃ゴミ」として捨てる地域が多いですが、中には食用油のリサイクルを目的として、「資源ゴミ」扱いとしている地域もあります。
まずは自治体の回収方法を確認してください。
「資源ゴミ」扱いの場合、
- ペットボトルに詰めた状態で回収してもらう
- 回収場所に設置された容器に移し替える
など、自治体によって処分方法が異なるので、こちらも事前に確認しておきましょう。
「可燃ゴミ」として捨てる場合は液体のまま捨てることはできません。
簡単に家庭で行える処分方法は、これからまとめていくので試してみてください。
使用済み食用油を「排水溝に流す」のはNG!
油は液体なので、食器を洗うついでに一緒に流せば使用済み食用油を楽に処分できるように思えます。
しかし、使い終わった食用油を排水溝に流すのは間違った処分方法です。
油を排水溝に流すと、
- 油が排水設備に付着して排水管が詰まる
- 嫌な臭いが発生する
- 水質汚染に繋がる
などの弊害が起こる可能性があります。
油は冷えると固まる性質なので、排水管にこびりついて固まってしまうことがあります。
自分の家の排水管だけでなく、下水管などで固まってしまうと下水処理が正しく行えなくなるなど、周りの人に迷惑を掛けてしまうこともあるのです。
また、テレビなどでも問題視されているように、油が川や海に流れ出ると水質汚染が起き、魚などの生き物が住めなくなってしまうことも考えられます。
油を流して捨てるのは簡単ですが、自分だけでなく環境や他の住民にも悪影響を及ぼす恐れもあるので、使い終わった食用油は排水溝に流すのではなく、正しい方法で捨てることがマナーです。
食用油の簡単な捨て方
食用油をリサイクルに出せない場合は、油を液体とは別の形にして「燃えるゴミ」に出す必要があります。
そこで、簡単に処分できる方法を5つご紹介していきます。
新聞紙に染み込ませる
処分する油の量が少ない場合は、不要になった新聞紙に染み込ませる方法を試してみましょう。
油が冷めてから、新聞紙に油を染み込ませ、ポリ袋へ入れて捨てましょう。
その際に、自然発火を防ぐために少し水も染み込ませると安全です。
牛乳パックに油を注ぐ
飲み終わった牛乳パックがあるときは、牛乳パックを受け皿として油を捨てる方法もあります。
牛乳パックに新聞紙を詰めて、冷ました油を少しずつ注いで染み込ませるだけでOKです。
こちらも水を少し含ませて捨てましょう。
注いだ後は牛乳パックの口を粘着テープで留めると油汚れが他のゴミに付くのが防げます。
ポリ袋を使う
ポリ袋を2重にし、中に新聞紙などの吸い取りのいい紙を入れ、冷めた油を流し込む方法もあります。
こちらも少し水を混ぜて吸い込ませましょう。
注いだ後はポリ袋の口をしっかりと縛り、こぼれ出ないようにしたら完成です。
凝固剤を使用する
処分する油の量が多い時は、凝固剤を使って油を固める方法が楽です。
油が熱いうちに凝固剤を入れて溶かし、1時間放置するだけで簡単に固まります。
油が固まれば簡単に鍋から剥がれるので、手を汚さずに処分できます。
凝固剤はドラッグストアやスーパーなどで購入できますよ。
片栗粉や小麦粉で油を固める
凝固剤がない場合は、小麦粉や片栗粉を代用して油を固めることもできます。
捨て方は、使い終わった油に、小麦粉や片栗粉を入れ、しばらくそのまま放置すると油がドロドロに固まります。
固めた後は、ポリ袋に入れて捨てましょう。
使用済み食用油は2~4回繰り返し使える!
揚げ油は、きちんと保管をすれば2~4回程度使うことができます。
揚げ物をする際は、たくさん油を使用しますよね。
たくさん油を使ったのに、一回揚げものに使っただけで油を処分していたら、後処理も面倒ですし、何よりもったいない気もします。
せっかくなので、使用済み揚げ油は是非再利用をしてみてください。
使った油を美味しく再利用するためには、
- 油の使用後は、揚げ物のカスや食材の残りを取り除く
- 密閉容器に油入れ、冷暗所で保存する
- できるだけ早く使い切る
などの工夫が必要です。
特に肉や魚を揚げた後は、油が汚れやすいので気をつけましょう。
揚げ物を短い期間で行わないという場合は、大量に油を使わずに、ひたひた状態で揚げる「揚げ焼き」にするなど調理法に工夫し、少ない油で調理できるようにしてみてください。
そして、酸化してしまう前に、普段の炒めものなどに少しずつ使用済みの油を使って、数日以内に使い切るようにしましょう。
古くなった油の見極め方とは
使用済みの食用油を再利用する際は、油が傷んでいないかを確認してから使うようにしてください。
具体的には以下のような状態ではないかを確かめます。
- 油の色が褐色のような濃い色に変色している
- 嫌な臭いがする
- 熱した際に煙が出る
- 粘りが強くなりドロドロとしている
このような状態だと、油が酸化により劣化している可能性が高いです。
酸化した油を使い続けると、過酸化脂質という毒性の強い物質に変わり健康被害を及ぼす危険性があります。
健康被害は、下痢や吐き気、胸焼けなどの消化器症状や、動脈硬化など血管へのダメージに繋がるケースが確認されています。
油は一度酸化してしまうと、基本的には元に戻らないとされています。
一度しか使っていない場合でも、使用済みの油が空気に触れたり熱が加わったりするなど、保存状態が悪ければ酸化が進んでしまうので、気を付けなければいけません。
「おかしいな」と感じた場合は、油は使わずに処分するようにしてくださいね。
まとめ
使用済みの食用油の処分方法などをお伝えして参りました。
使い終わった食用油は、自治体によって処分方法が異なることが分かりましたね。
まずは、住んでいる自治体が決めている処分方法を確認してください。
油を「資源ゴミ」で出せる場合は自治体のホームページに記載されている方法で処分し、「燃えるゴミ」で使用済み油を処分する場合は、当記事で紹介したような方法で適切に処分をしていきましょう。
油を正しく扱い、安全に家庭で揚げ物を楽しんでくださいね。