部屋を片付けないまま家で過ごしていてゴミ屋敷や汚部屋になってしまった場合、そのまま放置していると様々な弊害を引き起こします。
そのうちの一つがゴキブリの大量発生です。
ゴミ屋敷に住んでいても気にならないという人であっても、さすがに大量のゴキブリと同居するのは嫌だという人は多いでしょう。
たった一匹のゴキブリが、いつの間にか増えてしまうこともあります。
ここでは、なぜゴミ屋敷にゴキブリが大量発生しやすいのか、ゴミ屋敷におけるゴキブリの駆除方法やゴミ屋敷の片付け方について解説します。
ぜひ最後まで読んで一緒にゴミ屋敷とゴキブリを解消しましょう。
目次
ゴミ屋敷でゴキブリが大量発生しやすい理由
部屋がゴミ屋敷状態になってしまうと様々な害虫が沸いてきます。
その中でも発生しやすい代表的な害虫の一つがゴキブリです。
ではなぜゴミ屋敷にはゴキブリが大量発生しやすいのでしょうか。
エサが多い
ゴミ屋敷は様々な物が片付けられないまま放置されており、掃除も行き届いていないことから、ゴキブリの餌となるものが家の中に豊富にあります。
例えば…
- 食べこぼしたお菓子のカス
- 食後に放置されたコンビニ弁当の容器
- 飲み残したまま置かれたジュース
- 出し忘れた生ゴミ
など、以上のものはゴキブリの餌として一般の人でもすぐに思いつくと思います。
しかし雑食のゴキブリにとってはそれ以外にも、キッチンで料理したあとの油汚れや人間の髪の毛、爪のカスやほこりなども立派な餌となるのです。
また、段ボールでさえゴキブリの餌になります。
このようにゴミ屋敷はゴキブリにとって餌が豊富で常に新しく餌が供給される、天国のような場所なのです。
隠れ場所が多い
ゴミ屋敷は物が散らかっていたり、積み重ねられていることが多いため、ゴキブリの隠れる場所がたくさんあります。
そもそもゴキブリは夜行性で、湿度が高く暖かいところを好みます。
ゴミが積み重なるゴミ屋敷や汚部屋には下に湿気が溜まることで暖かい場所ができやすく、そこがゴキブリにとって快適な場所になるのです。
また、掃除が行き届いていないため、ゴキブリの卵や幼虫なども放置していることから、繁殖がしやすいということもあります。
そもそも繁殖力が強い
ゴキブリというのは、1回の交尾で何回も産卵ができるという、とても繁殖力の強い生き物です
一度に数十個の卵を生み、多いと一生で20回も産卵します。
そのため、単純計算でたった1匹のゴキブリから500匹もの子供が生まれるということになります。
つまり、たった1匹のゴキブリを放置しただけで、急速に繁殖する事態となるのです。
しかもゴミ屋敷の場合は掃除が行き届いていないことが多いので、卵や幼虫が駆除されることなく繁殖します。
これにより、一層ゴキブリの大量発生に繋がりやすいと言えるでしょう。
ゴミ屋敷でゴキブリを放置することの問題点
ゴミ屋敷でゴキブリが大量発生しやすい理由はお分かりいただけたかと思いますが、それでは放置しているとどういう問題が生じるのでしょうか。
漏電や火災が起きる可能性が高い
家電の中は高温で多湿のことがあるため、ゴキブリにとっては居心地の良い場所です。
そのため、例えば冷蔵庫やエアコンなどの家電の中にゴキブリが入り込んでしまうことがあります。
その際にゴキブリの糞や死骸が原因でショートを起こして機械が故障することがあるのです。
また、ゴキブリがケーブルなどをかじってしまい、そこから漏電や火災が発生するケースもあります。
健康を害する
ゴキブリの死骸や糞は、アレルギーの原因になることがあります。
ゴミ屋敷では死骸や糞が掃除されずにそのまま放置されることが多いことから、それらが粉末状になって空中に舞い上がり、それを吸い込むことでアレルギー反応が出ることがあるのです。
またゴキブリはばい菌や病原菌などを持っていることから、ゴキブリが部屋の中にたくさんいるような環境で生活していると、感染症や食中毒を引き起こすこともあります。
近隣への迷惑になりトラブルになる
ゴミ屋敷で繁殖したゴキブリが増えてくると、そのうち家を出て近隣の住居へと行動範囲を広げていきます。
集合住宅の場合、ゴキブリはベランダや配管などを通じて近隣の住宅へと移動していくのです。
そうなれば、ご近所の家でもゴキブリが侵入・繁殖してしまい、これが苦情に繋がることもあります。
【併せて読みたい記事】
部屋にゴキブリがいるか確かめる方法!侵入経路と効果的な対策グッズ
ゴミ屋敷のゴキブリ駆除方法
ゴミ屋敷に大量発生してしまったゴキブリを駆除したい場合、より効果的に駆除するためにはゴキブリにとって快適なゴミ屋敷の克服も合わせて行う必要があります。
そのためには、以下のような手順で片付けるのが効果的です。
ゴキブリの侵入経路をふさぐ
ゴキブリはわずかな隙間からでも出入りできます。
特に古い家などの場合はドアや窓に隙間ができることが多いので、そういった侵入経路はできるだけ塞ぐなどの処理をしておくことが重要です。
燻煙タイプの殺虫剤を使用する前にも目張りはしっかりと行いましょう。
隙間がある状態で燻煙剤を焚けば、隙間から逃げたゴキブリが近所の家屋に大量に入り込むことがあり、それがきっかけで近隣トラブルになることがあります。
燻煙・霧タイプの駆除剤で部屋ごと駆除する
ゴミ屋敷に大量発生したゴキブリを駆除する場合には殺虫スプレーですべて対応するのは困難です。
燻煙剤や霧タイプの駆除剤を使用して、一気にゴキブリを駆除する必要があります。
ゴキブリの逃走経路をしっかりと塞ぎ、部屋の中のゴキブリを一網打尽にしましょう。
ただし、ゴミ屋敷の場合にはゴミや物が積み重なっていますから、その下などにゴキブリが隠れてしまうと駆除できません。
薬剤が行き渡らない可能性がある場所については、少しゴミを片付けるなどして薬剤が行き渡るようにし、事前にゴキブリが隠れられる場所をなくておきましょう。
ゴミや不用品を廃棄する
ゴキブリを駆除したら、次はゴミや不要品を片付けていきます。
まずは分かりやすいゴミから集めて廃棄していきましょう。
次にそこから必要なものだけを残し、不要なものを処分していきます。
このとき処分して良いか悩んだ場合には、一定の基準を決めて判断していくとスムーズに作業ができます。
(例)「一年間使っていないものは捨てる」など
ゴキブリの死骸や卵を駆除する
床にあるものが片付いて散らかっているものが無くなってきたら、駆除剤で駆除したゴキブリの死骸や卵を除去していきます。
ゴキブリは仲間の死骸や糞も食べますから、残しておけば他のゴキブリがそれを餌としてまた繁殖してしまうでしょう。
そのためゴキブリの死骸はしっかりと除去しておく必要があります。
ゴキブリの卵は硬い殻で覆われており殺虫剤の成分が届きにくいので、放置しておくと孵化して再び大量発生することになります。
卵を見つけたら必ずゴム手袋やビニール手袋をした上でティッシュの上から潰し、最後はビニール袋に入れてしっかり口を縛り廃棄しましょう。
部屋を掃除する
ゴキブリの糞尿は、他のゴキブリの餌になるため、糞尿を放置するだけでもゴキブリを集める原因となります。
部屋の掃除をする際には床や壁などに付着したものも含めて隅々まで掃除するようにしましょう。
ゴキブリ駆除剤の種類と長所・短所
薬局に行けば様々な種類のゴキブリ駆除剤が売られていますが、それぞれ駆除方法のタイプに応じて長所と短所があります。
そこで、代表的な駆除剤についてタイプ別に解説します。
スプレータイプの殺虫剤
実際に目の前にゴキブリがあらわれた際に最も効果があるのは殺虫スプレーです。
その場ですぐに駆除できるという点では即効性があります。
しかし、ゴキブリはとても足が速いので、うまくスプレーが掛けられずに駆除できなこともあるでしょう。
目の前にゴキブリが現れた場合にしか駆除できないので、隠れているゴキブリには効果がありません。
そもそも数匹であればスプレーでも対応可能ですが、大量発生してしまった場合にはスプレーだけで駆除することは困難でしょう。
燻煙・霧タイプの駆除剤
部屋に潜むゴキブリを一斉駆除したい場合、一度で部屋全体に効果があるという点では燻煙剤がおすすめです。
ゴキブリは夜行性で暗くて湿った場所を好むことから、ちょっとしたすき間などに隠れています。
燻煙剤は部屋の広範囲にわたって薬剤を拡散することができるので、そんな見えない場所に隠れているようなゴキブリにも効果があります。
またゴキブリだけではなくダニやノミなどにも有効なタイプも売られています。
ただし、使用する際には準備に手間がかかります。
- 使用する前には部屋を閉め切ってゴキブリの逃走経路を目張りなどで塞ぐ
- 家電やベッド、火災報知器など、室内の物には必要に応じてカバーをかける
- 近隣住民や大家、管理会社にくん煙剤を使用する事を事前に連絡する
- ペットや植物は部屋の外または屋外に出し、なるべく離しておく
など下準備が必要ですし、使用後にも薬剤がかかった物は洗うなどの後処理が必要になることがあります。
毒餌タイプの設置型駆除剤
ゴキブリの幼虫や卵を見かけたり、複数のゴキブリを見かけた場合には、近くに巣がある可能性があります。
そうした場合には、巣ごとの駆除ができる設置型の駆除剤がおすすめです。
毒餌タイプの場合、餌を食べたゴキブリだけではなく、そのゴキブリの糞や死骸を食べた仲間のゴキブリにも効果のあるものもありますから、巣にいる仲間のゴキブリについても駆除する効果を期待できます。
ただし、侵入経路やゴキブリの移動経路に応じてたくさんの薬剤を設置する必要があり、小さなお子さんやペットが誤飲する恐れがある点には注意が必要です。
ゴキブリ駆除は片付け業者に依頼するのも有効
ゴキブリが大量発生してしまったゴミ屋敷を自力で片付けるのは、労力的にも精神的にも難しい作業です。
そんな時には片付けの専門家である片付け業者に依頼することを検討してみましょう。
片付け業者に依頼することのメリットについてご説明します。
ゴミ屋敷の片付けができる
いくらゴキブリの駆除をしても、ゴミ屋敷のままではゴキブリにとって住みやすい環境であることに変わりはありません。
そこでまずはゴミ屋敷の克服が重要になります。
ゴミを廃棄し、不用品を整理して、必要なものは所定の場所に片付ける。
片付け業者であれば、面倒なゴミの廃棄や不要品の処分なども一気に請け負ってもらえますから、ゴミ屋敷の克服が容易になります。
ゴキブリの駆除と事後処理もやってもらえる
ゴキブリ駆除剤の使用にあたっては事前準備や事後処理が必要だったりしますが、そういった作業も全て業者側でやってもらえます。
また、ゴキブリが大量発生してしまった場合には、死骸もそれだけ発生しますが、駆除したあとの死骸や糞、卵の処分も業者側でしてもらえますし、室内の消臭などもしてもらえます。
ゴミ屋敷でのゴキブリ大量発生には専門業者におまかせがベスト
ゴミ屋敷は餌が豊富で隠れる場所も多いためゴキブリにとって非常に住みやすい環境にあります。
そのため一度増え始めてしまうと、大量発生しやすく、それをすべて駆除することは容易ではありません。
しかし、そのまま放置していると様々なトラブルに巻き込まれるリスクがあるでしょう。
目の前のゴキブリだけであれば、自力で駆除することもできますが、大量発生してしまった場合、死骸の駆除など後処理まで含めて考えると、なかなか難しいのが実際のところです。
そんな時には、片付け業者に依頼することをおすすめします。