「私は一人っ子だからいずれは実家の片付けを私一人で行わなければならない……」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。両親が歳をとって自力での片付けが難しくなったり、亡くなってしまったりした場合には、原則子どもが実家の片付けを行います。
兄弟が複数名いれば話し合ったり作業を分担したりできます。しかし一人っ子だと、実家の片付けを全て自分一人で行わなければなりません。
そこで今回は、一人っ子の実家の片付けについて、ポイントや行うタイミングといった観点から解説をします。一人っ子の方で、現在すでに実家の片付けをしなければならない状況にあったり、いずれ実家の片付けをしなければならない方は、ぜひ記事を最後までチェックしてみてください。
目次
実家の片付けが「つらい」「うんざり」という方が増えています
実家の片付けがつらい、うんざりと感じているのは、あなただけではありません。自分の家の片付けならまだしも、もう離れて何年も経つ実家の片付けをするのは、あまり気分が乗りませんよね。
兄弟が4人も5人もいれば、実家の片付けもそれほど大きな負担にはならないかもしれません。しかし少子化問題からも分かるように、兄弟の数は一昔前と比べると減少しています。
実家の片付けの負担もそれに伴って大きくなります。一人っ子であれば尚更です。
よって「実家の片付けを面倒だと感じてしまう私は悪い人なんだ」と自分を責める必要はありません。本記事では、一人っ子で実家の片付けが面倒だと感じている人が取るべき行動を、1つずつ丁寧に解説します。
実家の片付けは一人っ子でも大丈夫?
実家の片付けは、一人っ子でも行えます。しかし実家に残された不用品やゴミの量によっては、一人っ子だとどうしても時間がかかったり、そもそも一人っ子だと片付けられなかったりするケースもあります。
例えば休日を利用して実家の片付けを行うのであれば、週に1〜2日しか片付けられないため、2週間以上の期間が必要になるかもしれません。また現在住んでいる場所から実家までの距離が遠い場合は、頻繁に実家に帰ることができません。
両親がものを家に溜め込んでしまうタイプで、自宅のゴミ屋敷化を防ぐために実家の片付けを行うのであれば、片付けてはものが溜まるイタチごっこになることも……。一人っ子でも実家の片付けが行えるかどうかは、実家やあなたの状況次第です。
一人っ子が実家の片付けをするタイミングは大きく3つ
一人っ子が実家の片付けをするタイミングは、大きく以下の3つです。
- 通常の片付け
- 生前整理
- 遺品整理
それぞれ詳しく解説します。
通常の片付け
この記事を読んでいる大半の方は、以下のような理由で実家の片付けをしたいと考えているのではないでしょうか。
- 両親が高齢者となり自力では片付けられないので一人っ子の私が実家を片付けたい
- 両親が片付けられないタイプなので、一人っ子の私が実家を片付けたい
両親が高齢者の場合、自力で粗大ゴミを処分したり、高いところにあるものを処分したり、2階を片付けたりすることが難しいかもしれません。そういった場合は、仕事の休みなどを利用して、実家の片付けを手伝ってあげましょう。
また両親が片付けられない性格で、それを何とかしてあげたくて実家の片付けを手伝いたい方もいるでしょう。ただしこの場合、前述の通り片付けては散らかしてもイタチごっこになるので、片付けを手伝うというよりは、ものを溜め込まないようにする必要があります。
生前整理
残された遺族の負担を軽減するために、あらかじめ不要なものを処分することを、生前整理と言います。最近では、自分が亡くなった後のことを考えて、生前整理を行う高齢者の方が多いです。
しかし高齢者ですので、前述の通り自力で片付けを行うのには限界があります。両親が生前整理をしたいと言っており、それを手伝うために実家の片付けを行う一人っ子の方もいるでしょう。
生前整理の際は、まず両親に必要なものと不要なものを聞いて、不要なものを片付けます。また両親が亡くなってしまった後も残しておきたい思い出の品などは、事前に仕分けをしておくと、後々楽になります。
遺品整理
遺品整理とは、故人が残したものを整理して、家や部屋を綺麗にすることです。親が亡くなってしまった場合、兄弟で思い出に浸ったりしながら、遺品整理を進めるのが一般的です。しかし一人っ子の場合は、遺品整理を全て自分で行わなければなりません。
ものが多ければ単純に時間と労力が必要になります。また亡くなった親の家を一人で片付けるのは、精神的にも辛いものがあるかもしれません。
遺品整理は急いで行う必要はありません。家が賃貸で早く退去しなければならない場合などは別ですが、気持ちの整理がついてから遺品整理を行うと良いでしょう。
一人っ子が実家の片付けをする際のポイント
一人っ子が実家の片付けをする際のポイントは、以下の3つです。
- 玄関や廊下から片付ける
- 実家=自分の家ではない
- 捨てる順番は燃えるゴミ→燃えないゴミ→粗大ゴミ
それぞれ詳しく解説します。
玄関や廊下から片付ける
一人っ子が実家の片付けを行う際は、玄関や廊下から片付けるようにしましょう。なぜなら玄関や廊下は、片付けの際の動線になるからです。
実家の片付けでは、片付けたものを家の外に搬出して処分します。その際に、玄関や廊下が散らかっていれば、ゴミの搬出がしづらくなってしまいます。
特に粗大ゴミは、玄関や廊下が散らかっていれば搬出できないこともあるでしょう。もし玄関や廊下が散らかっていたり、処分しなければならないものが置かれていたりする場合は、玄関や廊下の片付けから行うようにしてください。
最初に玄関や廊下を片付けることで、その後の実家の片付けがスムーズに進むようになります。一人っ子でただでさえ実家の片付けの負担が大きいからこそ、少しでも効率的に片付けを進められるようにするべきです。
実家=自分の家ではない
一人っ子が実家の片付けを行う際は、実家=自分の家ではない点に注意をしましょう。さっぱり片付いた家で生活している方の場合は、散らかった実家を見ると、以下のような感情を抱くこともあるでしょう。
- なんでこれを捨てずに残しているの?
- この辺は全部捨ててもいいんじゃない?
もちろんせっかく実家の片付けをするのであれば、綺麗に片付けてあげるに越したことはありません。しかしあれもこれも処分してしまうと、両親との関係に亀裂が生まれかねません。特に相談なしでものを捨てることだけは避けましょう。
実家は、数年・数十年前まであなたが過ごした場所です。しかしだからといって、あなたがものの捨てる捨てないを判断して良い理由にはなりません。
捨てる順番は燃えるゴミ→燃えないゴミ→粗大ゴミ
一人っ子が実家の片付けを行う際は、ゴミを捨てる順番を意識しましょう。処分するゴミ・不用品は、大きく以下の3つに分類されます。
- 燃えるゴミ
- 燃えないゴミ
- 粗大ゴミ
先ほど、一人っ子による実家の片付けはただでさえ負担が大きいので、少しでも効率的な方法を選択するべきであると解説しました。少しでも効率的に実家の片付けを行いたいのであれば、「燃えるゴミ→燃えないゴミ→粗大ゴミ」の順番で片付けましょう。
基本的には、燃えるゴミのサイズが一番小さく、次いで燃えないゴミ、粗大ゴミとなっています。小さいゴミから順番に処分することで、その後のゴミの搬出が楽になります。
汚部屋・ゴミ屋敷化している場合は一人っ子の実家の片付けは不可能?
一人っ子による実家の片付けの難易度は、実家にあるものの量によって決まります。一般的な家庭であれば、時間さえかければ一人っ子でも片付けは可能です。しかし実家が汚部屋、ゴミ屋敷化している場合は、一人っ子による実家の片付けは現実的ではありません。
テレビなどで、汚部屋、ゴミ屋敷を片付けているシーンを見たことがある方も多いでしょう。汚部屋、ゴミ屋敷は、複数名で片付けを行ってやっと半日〜1日で片付けられます。それを一人で、それも普段は別のところに住んでいる状態で行おうとするのは、非現実的です。
実家がそれほど散らかっていないのであれば、これまで解説した方法で、一人っ子でも実家の片付けが可能です。しかし実家が散らかっている場合は、残念ながら一人っ子による実家の片付けは難しいでしょう。
一人っ子だけで実家の片付けができない場合の対処法
一人っ子だけで実家の片付けができない場合の対処法は、以下の3つです。
- 家族と共に片付ける
- 複数回に分けて片付けを行う
- ゴミ屋敷片付け業者に依頼する
それぞれ詳しく解説します。
家族と共に片付ける
一人っ子で兄弟がいなくても、両親が片付けを行える状態だったり、子供がすでに大きくなっていたりする場合は、一緒に実家の片付けを行いましょう。実家の片付けにかかる時間と労力は、片付けを行う人数が増えれば増えるほど少なくなります。
よって一人っ子だからと無理に自力で片付けようとするのではなく、できるだけ周りの協力を仰ぐべきです。事前に日程の打ち合わせをして、同じ日に実家に集まって一気に片付けを行えば、実家の片付けを1日で終わらせることも不可能ではありません。
複数回に分けて片付けを行う
一人っ子で1日で実家の片付けを終わらせることが難しいのであれば、複数回に分けて片付けを行いましょう。毎回できる範囲で片付けを行うことで、片付けを行う一人っ子の負担を減らすことができます。
ただし前述の通り、実家と現在暮らしている場所の距離が離れている場合には、この方法はおすすめできません。なぜなら実家にアクセスするための費用や時間が何倍もかかるからです。
また両親が部屋を散らかしてしまう性格である場合、片付けては散らかしてのイタチごっこになってしまいます。上記のようなパターンに当てはまっていない場合のみ、複数回に分けての実家の片付けはおすすめです。
ゴミ屋敷片付け業者に依頼する
実家に頻繁に訪れられなかったり、処分するものの量が多すぎたりする場合は、ゴミ屋敷片付け業者に片付けを依頼しましょう。ゴミ屋敷片付け業者に依頼をすれば、複数名のスタッフが、数時間〜半日ほどで実家の片付けを終わらせます。
依頼主は必要なものや不要なものを伝える程度で、他に何も作業をする必要はありません。またゴミはトラックを使って回収するので、ゴミをどうやって捨てるかを考える必要もありません。
まずは気になるゴミ屋敷片付け業者を複数者ピックアップして、相見積もりを取ってみましょう。ゴミ屋敷片付け業者の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:ゴミ屋敷片付け業者の選び方|ポイントや注意点を徹底解説します
兄弟がいるならまだしも、一人っ子での実家の片付けは簡単ではない
兄弟がいれば、実家の片付けを分担できます。2人兄弟であればかかる時間と労力は2分の1に、3人兄弟であればかかる時間と労力は3分の1になります。しかし一人っ子であれば、実家の片付けは決して簡単ではありません。
もちろん既にある程度片付いている家であったり、両親の協力が得られたりするのであれば、一人っ子でも実家の片付けは可能です。しかしそうでなければ、本記事でも紹介したようなゴミ屋敷片付け業者への依頼を検討してみてください。
まとめ
一人っ子の実家の片付けについて、ポイントや行うタイミングといった観点から解説をしました。一人っ子で実家の片付けに悩んでいるあなたが、どんな方法で実家の片付けを行えば良いのかが、明確になったのではないでしょうか。
一人っ子による実家の片付けは不可能ではありません。しかしかかる時間や労力を考えると、おすすめできるものではありません。
しかし実家の片付けを行わないまま放置していると、ますます手がつけられなくなっていきます。ぜひ自分に合った方法で、実家の片付けを早めに行ってみてください。