近年、「ゴミ屋敷」はニュースなどメディアに取り上げられる社会問題となっています。
この状況を鑑み、各地の自治体では「ゴミ屋敷条例」と呼ばれる条例も生まれています。
ゴミ屋敷は、どうして生まれるのでしょうか。
そして、どのような人がゴミ屋敷を生んでしまうのでしょうか。
ゴミ屋敷の生まれる原因と、その対策とは何かを説明します。
目次
ゴミ屋敷とは?
「ゴミ屋敷」という言葉はよく耳にしますが、今のところ「これがゴミ屋敷」という明確な定義があるわけではありません。
ですが、特徴としては、
- ゴミ集積場ではない部屋や敷地内に、ゴミやモノが散乱し、山積みになっている
- 積んであるゴミやモノは、居住者が自ら集めてきたものである
- ゴミが積まれることによって悪臭や害虫の発生、崩落や火災などのリスクが生じる状態となっている
などが挙げられます。
イメージとしては、よくメディアで取り上げられる映像を思い浮かべればよいでしょう。
家じゅうモノで溢れかえり、キッチンのシンクやバスタブにまでゴミが突っ込まれ、足の踏み場も生活するスペースもほとんどないような家。
家の外や庭にまでもゴミやモノがはみ出ており、庭木や雑草は伸び放題で、悪臭が漂い、人が住んでいるのか、いないのかわからないような家・・・。
思わず「どうして、ここまで・・・」と驚いてしまいます。
このような家が「ゴミ屋敷」です。
どうして家がゴミ屋敷化してしまうの?
住み始めた時は普通の家だったのに、ふと気がつけばゴミ屋敷。
どうしてこうなってしまうのでしょうか。
どうして? その1〜仕事が忙しい・時間がない
とにかく仕事が忙しくて、家に帰ってくると、もうクタクタ。
ゴミなんて出している余裕がないことから溜まっていき、気がつけば手に負えなくなるというパターンです。
医療関係の人、IT関係の人、働くママなどにありがちです。
どうして? その2〜生活時間が合わない
夜勤のある職業の人は、ゴミ収集の時間にゴミを出すのが難しいことがあります。
居住者専用のゴミステーションがあるマンションなどならいいのですが、そうでない場合、ゴミ出しのために起きなくてはなりません。
なかなか捨てられないうちに、ゴミが溜まってしまいます。
どうして? その3〜モノを捨てられない
「もったいない」という気持ちから、モノを捨てられない人がいます。
今使っていないものや、壊れかけたものでも「いつか使えるかもしれない」「頑張ればまだ使える」と、どうしてか捨てようとしません。
この、もったいないと思う気持ちが高じて、ゴミまでも溜め込んでしまうようになっていきます。
どうして? その4〜片付けが苦手・面倒くさがり
片付けや掃除が苦手な人の家も、ゴミ屋敷になりやすい傾向があります。
現代では環境を守るため、ゴミの分別方法や収集日が細かく決められています。
そもそも片付け自体が苦手なのに、「どうして、こんなに細かいの」と、さらに面倒になり、ゴミを溜めてしまいます。
どうして? その5〜買い物が好き
買い物が好きで、必要以上に買い物を続けると、当然ながらどんどんモノが溜まっていきます。
趣味のコレクションなど、「観賞用」「保存用」と何個も買ったり、使わないのに同じシリーズの化粧品を全色揃えたり、不要なものをたくさん買うことで、モノがどんどん溜まっていくパターンです。
どうして、こんなに買っちゃうんだろう、どうして欲しくなるんだろう、と思ったことはありませんか?
モノがあり過ぎて、部屋のどこかにあると分かっているのに「どうして、ないの!?」と無駄な時間を使った上、また同じものを買ってしまうというケースもあります。
どうして? その6〜高齢
高齢になると体力が衰えて、溜まった重いゴミを持ち上げたり運んだりすることがどうしてもできず、やむを得ずそのままにしていることがあります。
また、細かい分別をする気力が湧かず、散らかしっぱなしになってしまうというケースも見られるようです。
認知症にかかってしまうと、さまざまな判断ができにくくなり、ゴミ出しの日がわからなくなってしまうことも。
さらに、同じものをたくさん購入してしまうなどを繰り返すうち、ゴミ屋敷になってしまいます。
どうして? その7〜精神的な疾患
ゴミ屋敷の住人の中には、精神的な疾患を抱えている人が多いといわれています。
原因は人それぞれですが、うつ病などの影響で生きる意欲が低下し、ゴミ屋敷化してしまうことが少なくありません。
どうして? その8〜新型コロナウイルスの影響
なかなか収束を見せないコロナの影響で、感染を避けるために外出を控え、飲食のデリバリーや通販を利用する人が大幅に増えました。
これらの購入手段ではどうしてもゴミが多く出るため、ゴミ屋敷も増えているそうです。
どうしてゴミ屋敷の住人になる?
家をゴミ屋敷にしてしまう人とは、どんな人なのでしょうか。
また、どうしてゴミ屋敷にしてしまうのでしょうか。
一人暮らしの人
新型コロナウイルスの影響で、仕事はリモートワーク、友人に直接会うこともない、という人は多いのではないでしょうか。
人と会わない、誰も家に遊びに来ない、このような生活を続けているうち、掃除や片付けをしなくなり、ゴミ屋敷の住人になってしまう人もいるようです。
高齢者
高齢になればなるほど家族や友人との別れも増え、孤独や虚しさを感じている人も少なくありません。
このようなことから、生きる気力を失い、家の片付けもできなくなってしまいます。
この傾向が進むと、自分の身の回りのこともする気力がなくなるセルフネグレクトという状態になってしまいます。
近年、一人暮らしの高齢者は年々増えていることから、このような高齢者の孤独死なども危惧されます。
女性も多い
意外かもしれませんが、ゴミ屋敷の住人には女性も多いようです。
外や仕事先では服装もお化粧もきちんとしているのに、家はモノが散乱したゴミ屋敷ということもあるのです。
女性は化粧品や衣類など生活必需品が多く、モノが貯まりやすいこと、少食で食べ残しが多いことから、もともとゴミが出やすい傾向があります。
また、仕事などのストレスから気力を失っていたり、非正規雇用や求職中で生活に不安があったり、早く結婚したいと焦っていたり・・・「どうして、私ばかり」「どうして私はダメなの」と自分を責める人も。
さまざまな原因や不安から何もしたくなくなり、掃除や片付けができなくなってしまう人も少なくないようです。
発達障害を持っている人
近年、よく話題に上るのが大人の発達障害です。
たとえばADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)などの場合、集中力や判断力に欠けたり、モノを溜め込んでしまう「ためこみ症」などが現れ、部屋を片付けられずにゴミ屋敷になりやすいと言われています。
気が付いたらゴミ屋敷! その対策は?
家をゴミ屋敷にしたいと思う人はいません。
「どうして、こうなってしまうんだろう」「どうして片付けられないんだろう」と苦しんでいる人が大勢います。
ゴミ屋敷から脱出するには、どのような対策を講じればよいのでしょうか。
家族や友人に相談する
ゴミ屋敷の住人には、真面目な性格の人が多いと言われています。
いろいろ頑張っているのに、家をこんなゴミ屋敷にしてしまって・・・と恥ずかしく思い、誰にも打ち明けられずに悩んでいませんか?
ゴミ屋敷は、心身ともに良い影響はありません。
また、悪臭や害虫、火災の発生などの危険が非常に高い状態です。
どうして私は、どうしてこんなことに・・・と1人で悩まないで、思い切って家族や親しい友人にSOSを発信しましょう。
必ず力になってくれるはずです。
自治体に相談する
ゴミ屋敷の問題は、自治体に相談することもできます。
近年、ゴミ屋敷問題に関する条例を定めている自治体が増えています。
今住んでいる自治体に、ゴミ屋敷に関する条例があるかどうか調べてみましょう。
解決方法は自治体によって異なり、清掃業者を紹介してくれたり、ボランティアの人が片付けを手伝ってくれたり、さまざまな方法があります。
まずは、自治体に相談してみましょう。
片付け専門業者に依頼する
自分ではどうしようもないレベルまでゴミが溜まってしまったら、片付け専門業者に依頼することを検討しましょう。
片付けの専門業者は、片付け・清掃のプロです。
必要なものと不用品の仕分けはもちろん、大量のゴミや不用品の搬出・処分、ハウスクリーニングまで、全てやってもらえます。
どんなにこびりついた汚れや悪臭もプロ仕様の道具や薬品で落とし、逆に「どうしてこんなにきれいになるの!? と言いたくなるほど、ピカピカにしてくれます。
費用はかかってしまいますが、人に知られず短時間で片付けられることが最大のメリットです。
どうして、どうして、と悩んでいても、ゴミは消えてくれません。
心機一転、健康な生活を取り戻すために、思い切って依頼するのも悪くない選択肢ではないでしょうか。
ゴミ屋敷はどうして生まれる?原因と対策を徹底解説 まとめ
ゴミ屋敷は、時間がない、片付けが苦手、モノを捨てられないなど、さまざまな理由から生まれます。
一人暮らしの人や忙しい女性、発達障害のある人などがゴミ屋敷の住人となり水傾向にあります。
ゴミ屋敷から脱出するには、家族や知人、また自治体などに相談する方法があり、人に知られず解決したい人、早く片付けたい人は片付け専門業者に依頼するとよいでしょう。