大切な家族や親族が亡くなって、葬儀を終えて少し落ち着いた頃。
故人が生前使っていたさまざまな“遺品”と向き合う時間がやってきます。
遺品整理を行う機会は、人生のなかでも数少なく、初めて行う人も多いです。
そのため、遺品整理をするタイミングがわからず、悩んでしまうもの。
そこで今回は、遺品整理を行う適切な時期についてご紹介いたします。
目次
遺品整理をするのに適した時期は4つある
遺品整理は、残された遺族にとって、気持ちに区切りをつける大切なものです。
故人が大切にしていた品物を処分することは寂しさもありますが、悲しみや思い出を整理することにも繋がります。
そんな遺品整理を行うに適したタイミングは次の4つです。
遺品整理をする時期1.四十九日を行う前
遺品整理だけに限らず、何をするときも「できることは早めに行うこと」は大切です。
残された遺族は、葬儀後すぐから仕事や家事・育児にと、普段通りの多忙な生活に戻ることがほとんどです。
遺品整理を遺族だけでするとなると、仕分けや処分にも時間がかかります。
また、身内で行う遺品整理は、故人への感情が絡むため、より作業が遅くなってしまいがちです。
そのため、しっかりスケジュールを組んだとしても、実際には予定より時間を要するケースが大多数です。
時間がかかることを事前に想定しておくのなら、四十九日を待たず、早めに遺品整理へ取り掛かるのが適切と言えます。
早めの遺品整理は害虫の発生や空き巣被害の防止にも繋がる
核家族化も進み、高齢の両親や親族が一人で暮らしているケースも少なくありません。
生前1人暮らしをしていた場合、故人がいなくなった後の家は、「空き家」の状態です。
誰も住んでいない空き家の状態が続くと、どんどん家は傷んでいきます。
害虫の発生のほか、火災の原因となったり、空き巣が侵入したりするリスクもあるのです。
こういった問題は、どれも近隣住民へ危害を与える可能性があるため、空き家になる期間をできるだけ短くすることが重要です。
遺品整理をする時期2.四十九日を終えた後
遺品整理を行う時期として、もっとも一般的なのが「四十九日後」のタイミングです。
四十九日を終えるまで、故人の魂は現世にいると言われています。
そのため、来世の行き先が決まる四十九日を終えてから、遺品整理を行って次の一歩を踏み出す人が多いのです。
四十九日は、故人にとっても遺族にとっても、気持ちの整理がつく節目となる日なので、遺品整理をするタイミングに適しています。
家族や親族が集まるので“形見分け”をしやすいメリットも
遺品のなかには、処分せずに遺族で使う“形見分け”をするものもあるでしょう。
形見分けは、トラブルを避けるためにも、遺族で話し合いをして納得して行うことが大切です。
四十九日を終えた後であれば、家族や親族が揃っていることがほとんどのため、形見分けをしやすいです。
仕事や育児など、それぞれが違う生活をしていると、遺品整理のために再度集まるのも簡単ではありません。
遺品整理のスケジュールを立てやすいのはもちろん、形見分けをトラブルなく行ううえでも、四十九日の後は最適な時期と言えます。
遺品整理をする時期3.いろいろな手続きの完了後
大切な人が亡くなると、悲しみに暮れる暇もなく、いろいろな手続きに追われます。
役場へ死亡届を提出し、通夜・葬儀の段取りを組まなければなりません。
それだけでなく、故人が生活していたライフライン(水道・電気・ガス)の解約や、加入していた保険の手続きなど、とにかくやることが山ほどあります。
そのため、故人が亡くなってすぐは、遺品整理にまで手が回らないことがほとんどです。
生前大切にしていた品々とじっくり向き合う時間ができてから、処分した方が遺品も気持ちも整理ができるでしょう。
遺品整理をする時期4.相続税がかかる前
相続する遺品のなかには、「相続税」が発生するものもあります。
相続税は必ず課税されるものではありませんが、故人が資産を所有していた場合、相続税がかかる可能性が高いです。
相続がかかるかどうか相続する人数などによっても異なりますが、3000万円以上資産がある場合、課税が必要になると考えらえます。
相続税には10か月の申告期限がある
この相続税にはで注意したいのが、「申告期限」です。
国税庁の公式HPでは、以下のように相続税の申告期限について記載があります。
相続税の申告は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています |
相続税が発生する遺品がある場合は、申告期限となる10か月を守らなければならないため、余裕をもって早めに遺産相続を済ませておく必要があります。
10か月と聞くと、たっぷり時間があるようにも思えますが、亡くなった後はやることが山積みです。
そのため、あっという間に時間は過ぎていきます。
「うちはそんなに遺産がないから、課税されない」と思っていても、隠れた遺産が見つかり、相続税がかかるケースも少なくありません。
まずは遺産がどれほどあるのかを把握し、相続税がかかりそうであれば、早めに遺品整理をしておくことを意識しましょう。
故人の住まいが賃貸の場合は、時期を待たずに急いだ方が良い
故人が生前、住んでいたのが賃貸物件だった場合は、できるだけ早く遺品整理を行いましょう。
賃貸では、契約を結んでいる間はずっと家賃が発生するため、遺族に金銭的な負担がかかってしまいます。
更新料を支払うタイミングだと、さらに出費が増えてしまいかねません。
まずは家賃の締め日を確認し、できるだけ早く退去できるように遺品整理も急いで行えるようスケジュールを組むことが大切です。
まとめ
今回、遺品整理を行う時期についてご紹介いたしましたが、あくまでも目安です。
必ずしも、このタイミングで遺品整理をしなければならないという決まりはありません。
自分の不用品ならためらわずに捨てられる人も、大切な人が愛用していたものだと、なかなか処分できないこともあるでしょう。
そのような場合は、自分のなかで気持ちの整理がつくまで、遺品整理を見送っても大丈夫です。
遺品整理を急がなければならない状況でないのであれば、一度落ちついてから遺品と向き合い、納得したうえでお別れをしましょう。
引用元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm