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遺品整理・生前整理

遺品整理でネコババってあるの?原因とネコババされやすい遺品を紹介

遺品整理でネコババってあるの?原因とネコババされやすい遺品を紹介

「遺品整理でネコババって本当にあるの?」

「身内や業者に大切な物を取られたらどうしよう……」

そんな不安を感じたことはありませんか。

遺品整理には見落としやすい点が多々あり、現金や貴重品の管理にはとくに注意が必要です。そこにあったはずの遺品が作業後になくなっていると、信頼していたはずの身内や業者を疑うことにもなりかねません。親族関係にひびが入ったり、精神面・金銭面で大きな負担を強いられたりするケースも見られます。

そこでこの記事では、遺品整理におけるネコババの実態を解説します。ネコババされやすい物品や場所、ネコババ予防策などもお伝えするのでぜひ参考にしてください

<この記事で分かること>

  • まさか! 想定外のあの人がネコババを……?
  • 【注意】ネコババされやすい遺品と場所
  • ネコババを避ける対策と優良業者の選び方
  • ネコババされてしまったときにすべきこと

目次

近年身内や親族の遺品整理ネコババが問題化

近年身内や親族の遺品整理ネコババが問題化

近年、遺品整理の現場で親族や業者のネコババが発覚してトラブルに発展するケースが増えています。故人が生前どんな財産を抱えていたかを完璧に把握するのは難しく、たまたま発見した人が「黙っていればバレないはず」などと考えて持ち去ってしまうのです。ここではネコババが起こる代表的な原因と、業者や遺族によるネコババの実態を解説します。

故人しか知らない遺品が隠れている!

遺品整理でネコババが起こりやすい最大の理由は、故人しか知らない遺品が数多く存在するからです。生前に現金や貴重品を家の中のいろいろな場所に隠して、家族に告げることなく亡くなってしまうケースは少なくありません。

防犯意識や生活習慣から、タンスの奥や古い箱、仏壇の引き出しなどに分散して貴重品を保管していた故人は意外と多いです。そのため、整理作業中に偶然見つけ出した人の判断次第では、ひっそりと持ち去られてしまうおそれがあります。

悪質な遺品整理業者がネコババ!?

残念ながら、悪質な遺品整理業者によるネコババもあり得ない話ではありません。とくに、遺族が立ち会わずに業者に作業を一任する場合、現金や貴重品の発見状況を遺族が把握しきれずに持ち去りを見抜けないことが多いです。

もちろん盗難は犯罪ですし、大多数の業者は貴重品を見つけたら必ず依頼者に申告します。しかし、ごく一部にはバレにくいのを良いことに無申告で持ち去ろうとする悪徳業者の報告もあります。業者選びを誤ると被害に遭うリスクが生じるため、信頼できる業者か見極める姿勢が重要です。

身内や親族がネコババすることもある!

身内だからといって必ずしも安心とは限らず、親族によるネコババが起こるケースもあります。単純な悪意だけでなく、感情や認識のズレが原因になることが多い点にも注意しましょう。「生前に献身的に世話をしてきた」「形見分けのつもりだった」など当人の中では正当化される行動でも、他の相続人からすると無断持ち去りにしか見えない場合もあります。

また、身寄りのない方が亡くなった場合には、近隣住民が善意を装って遺品整理を手伝い、不審な行動を取る例も報告されています。遺品整理では親族か第三者化を問わず、誰にどのような役割で関わってもらうか慎重に見極めることが欠かせません。

遺品整理でネコババされやすい遺品とは?

遺品整理でネコババされやすい遺品とは?

遺品整理では「価値が分かりやすく、持ち去っても気付かれにくい遺品」がネコババされやすい傾向があります。ここでは、実際に被害が多い遺品の種類と狙われやすい理由、実際にネコババされたときに生じる問題について解説します。

現金や証券類

現金や証券類は、遺品整理でとくにネコババされやすい遺品と言えます。発見した瞬間に価値が分かり、小さくて持ち去りやすいからです。これらは封筒や書類の間、タンスの奥、仏壇の引き出しなどにひっそりと隠されていることが多いです。

少額の現金は盗まれても証拠が残りにくいので、気付かれずに終わったり疑念だけが残ったりするケースは少なくありません。

一方で、証券類は現金に比べてバレる可能性が高いです。証券は名義や口座が管理されているため、紙の証券をネコババすると手続きの段階で本人の死亡や相続未完了が発覚し、あとあと問題になるおそれがあります。

ブランド品や宝石類

ブランド品や宝石類も、ネコババの対象になりやすい遺品です。見た目で高価だと判断しやすく、持ち運びやすいので悪意を持つ人に狙われやすいのです。

しかし、ブランド品や宝石は家族の記憶や写真、鑑定書・保証書などが残っていることも多く、盗まれた後に不足が発覚しやすい遺品でもあります。不足が判明すると遺産分割協議の段階で不信感や感情的対立を招くだけでなく、金額によっては窃盗として法的トラブルに発展するおそれもあります。

電子機器

電子機器も遺品整理でネコババされやすい遺品のひとつです。デジタルカメラやゲーム機、オーディオ機器などの電子機器は処分対象に見えやすい一方で、換金価値や保存データの価値が残っているため狙われやすいと言えます。

これらの電子機器は古く見えても中古市場で一定の需要があることが多く、遺族がその価値や相場を把握していないと不用品と誤認することが多いです。そのため、持ち去られてもすぐには気付けないケースも少なくありません。

写真やデータの必要性に気付いたり、第三者を通じて売却や使用の事実が判明したりしてネコババが発覚することがありますが、盗まれたという証拠がないと責任を追及できないおそれがあります。

アクセサリー

小型のアクセサリーや小物も、ネコババに注意が必要な遺品です。アクセサリーケースなどにいくつもまとめて保管されていると、個数を把握しづらく紛失に気付きにくいからです。

指輪やネックレス、時計などはサイズが小さく、遺品整理中にポケットに入れても目立ちません。また「形見としてもらった」という曖昧な言い分で無断持ち出ししようとするケースも考えられます。

後から不足が判明してもネコババか紛失かの判断が難しく、親族間の関係悪化につながるおそれがあります。

パソコンやスマートフォン

パソコンやスマートフォンは、財産面と情報面の両方からネコババに注意すべき遺品です。

物品として見るとパソコンやスマートフォンは中古市場で一定の需要があり、比較的簡単に売却できるため遺品整理中に持ち去られるリスクがあります。

さらに重要なのは、情報面のリスクです。パソコンやスマートフォンにはネット銀行や証券口座、暗号資産の管理情報や各種オンラインサービスのログイン情報が保存されている場合があります。

ネコババされると個人情報が第三者に渡り、不正送金や資産流出などの金銭被害につながるおそれがあります。連絡先や写真などの情報流出により、なりすましのような二次被害につながるリスクにも注意が必要です。

遺品整理でネコババされやすい場所

遺品整理でネコババされやすい場所

遺品整理では、故人しか把握しておらず第三者の目が届きにくい場所でネコババが起こりやすいです。目立たない場所で隠されていた遺品が見つかると、発見者の良心に委ねられてしまうのです。ネコババが起こりやすい代表的な場所と、盗まれやすい理由を詳しく見ていきましょう。

タンスの引き出し

タンスの引き出しは、遺品整理でとくにネコババが起こりやすい場所です。衣類の間や下着、ハンカチに包んで現金を保管する習慣を持つ高齢者は多く、家族にも教えていないケースが少なくありません。

遺品整理中にすべての引き出しを丁寧に調べるには手間がかかり、つい確認を怠りやすいのもネコババを見過ごす一因と言えます。現金や貴重品が紛れていても見過ごされやすく、目ざとく発見した人がこっそりポケットに忍ばせてしまう可能性があります。

本棚

本棚も、ネコババが発生しやすい場所のひとつです。本や書類に紛れて薄い貴重品が隠されていることが多く、見落とされやすいのが理由です。実際に、封筒に入れたへそくりや通帳、証券類、重要書類などを本棚に保管する人は少なくありません。

遺品整理で本棚の本を1ページずつ確認するのは面倒なので、大雑把にまとめてゴミに出そうとする人は多いです。しかし、偶然にもページの間に挟まっていた現金などを見つけ出すと、持ち去りのリスクが生じます。

倉庫

倉庫は、遺品整理で目が届きにくい場所の代表格です。普段あまり立ち入らないので何が保管されているか遺族も知らないケースが多く、ネコババのリスクが高まります。実際に、古い段ボール箱や使わなくなった家具の中に現金入りの封筒や骨董品をしまい込んでいる例も見られます。

また、倉庫は整理作業が後回しになりやすく、親族や業者など複数人が出入りする状況が生まれがちです。その結果、誰が何を見つけたのか分からなくなり、不正が起きても発覚しにくくなってしまいます。

仏壇の引き出し

仏壇の引き出しも、遺品整理でネコババが起こりやすい場所のひとつです。故人が信仰心から仏壇の中に、現金や通帳、貴重品などの大切な物をしまい込んでいるケースは少なくありません。そして、保管場所を家族に伝えないまま亡くなると、遺族が仏壇に触れるのをためらって確認が不十分になることがあります。

また、遺族が仏壇の構造や引き出しの位置を知らず、収納スペースに気付けず見落としてしまうケースも見られます。実際に、遺品整理業者や不用品回収業者が仏壇から貴重品を発見する事例はめずらしくありません。多くの業者は発見時に遺族へ報告しますが、悪質な業者に依頼してしまうと、無断で持ち去られるおそれもあるため注意しましょう。

遺品整理でネコババが起きやすい2つの状況

遺品整理でネコババが起きやすい2つの状況

遺品整理の際の確認体制が甘いと、ネコババが起こりやすくなります。

<こんなケースはネコババに要注意!>

  • 遺品整理を親族に丸投げ
  • 悪徳業者に頼んでしまった

遺品整理は精神的・時間的な余裕がない状況で行うことが多く、確認や管理が不十分だと不正を見逃してしまうおそれがあります。とくに注意が必要な二つの状況について、事前に意識すべきポイントをお伝えします。

遺品整理をすべて親族に任せてしまう

遺品整理に自分はほとんど関与せず、作業をすべて親族に任せてしまうとネコババが起こりやすくなります。「身内なら安心」と考えがちですが、その信頼関係が確認不足を招く要因になるので注意しましょう。立ち会いや記録を残さないまま整理をすると、もし持ち去りがあっても証拠が残りにくく、後からの確認も難しくなります。

また、遺品整理は精神的にも肉体的にも負担が大きい作業です。負担を一手に引き受けた親族が不満を抱えた結果、「手間賃代わり」「形見分けのつもり」といった認識で持ち去ってしまう可能性も考えられます。

後で遺品の不足に気付いても故意なのか勘違いなのか判断がつかず、不用意に追及すると親族関係が悪化するおそれもあります。こうしたトラブルを防ぐためには、任せきりにしないで自分も整理に関わったり、記録を残したりといった管理体制が欠かせません

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悪徳な業者に依頼してしまう

悪徳な遺品整理業者に依頼すると、ネコババのリスクが高まります。依頼者の目が届かない現場で現金や貴重品を発見すると、無申告で持ち去ってしまうのです。依頼者による立ち会いがないケースや遺品の量が膨大なケース、間取りが広いケースでは、とくに目が届きにくくなります。

ネコババをする業者は証拠を残さず悪事を働くため、見抜けなかったり泣き寝入りになったりするおそれがあります。悪徳業者にネコババされないためには、業者選びを慎重に行うことが欠かせません

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遺品整理でネコババされないための対策法

遺品整理でネコババされないための対策法

遺品整理の現場でのネコババを防ぐには、次の4つの対策が非常に重要です。

<遺品整理でネコババを防ぐ4大対策>

  • 事前に貴重品を仕分けておく
  • 遺品整理の現場に立ち会う
  • 探索してほしい貴重品情報を書き出して共有する
  • 写真や動画に遺品整理前の様子を記録

時間やメンタルに余裕がないと管理が甘くなりがちですが、事前のひと手間が後悔や揉め事を防ぐカギになります。具体的なポイントについて解説します。

事前に貴重品を仕分けておく

ネコババ防止で最重要とも言えるのが、事前に貴重品を仕分けておくことです。現金や通帳、貴金属など、とくに価値の高い物品は自分が把握している範囲で先に探し出し、取り分けておきましょう。

作業中に貴重品を発見した場合、発見者の善意にある程度委ねられてしまうので紛失や不正のリスクが生じます。その危険を避けるには、自分であらかじめ見つけ出して確保しておくのが確実です。故意のネコババだけでなく、誤って処分されることもなくなります。

遺品整理の現場に立ち会う

遺品整理の現場に立ち会うことは、ネコババ防止に効果的です。作業のすべてを監視する必要はありませんが、要所で確認を行うだけでも現場の緊張感が変わります。

自分が立ち会わないと貴重品の発見や処理が作業者任せになりやすく、後から状況を把握するのが困難になります。誰が何を見つけ、どのように扱ったのかをその場で共有できる環境を作ると不正防止につながります。

可能なら、作業の合間などにさりげなく感謝の声掛けをしてみましょう。目が届いている印象を与えて、連携を強める効果も期待できます。

探索してほしい貴重品を紙に書き出す

探索してほしい貴重品を紙に書き出しておくのも、ネコババ防止に有効な対策です。あらかじめ情報を共有しておけば確認漏れが防げるだけでなく、発見者に「把握されている貴重品だ」という認識が生まれて無断持ち去りを抑止しやすくなります。

紙にまとめておけば、親族や業者が同じ認識を持った状態で作業できます。ネコババ防止に限らず、見落としによる誤った廃棄や「伝えた」「聞いていない」といった認識違いのトラブルを避けるうえでもおすすめです。足並みが揃って、遺品整理全体をスムーズに進めやすくなります。

写真や動画に遺品整理前の様子を記録

遺品整理を始める前に、部屋や収納の状態を写真や動画で記録しておくのも重要です。整理後に「最初からなかった」「途中でなくなった」といった認識の食い違いが起こりそうになっても、事前の記録があればトラブルを防ぐことができます。

整理前後の状況を客観的に確認でき、事後確認にも使えるので、写真や動画はきちんと残すようにしましょう。映像記録は業者とのトラブル防止にも有効で、安心して遺品整理を進めるための備えになります

ネコババされないための遺品整理業者の選び方

ネコババされないための遺品整理業者の選び方

遺品整理でネコババを防ぐには、業者選びが重要なポイントになります。安心して任せられる遺品整理業者には、いくつかの共通点があります。

<安心できる遺品整理業者の共通点>

  • 遺品整理士が在籍している
  • 必要な許可を保有している
  • 作業内容や内訳が記載された見積書を発行している
  • 見積り金額が相場範囲内で、安すぎない
  • ホームページに会社情報や実績が分かりやすく記載されている

ここでは、ネコババを防ぐという観点から信頼できる業者を見極めるポイントを解説します。

遺品整理士が在籍しているか

遺品整理士が在籍しているかは、業者選びの重要な判断基準です。遺品整理士は一般財団法人遺品整理士認定協会の認定資格であり、遺品整理に関する法令やガイドラインを深く理解し、遺族の想いに配慮しながら適切に遺品を取り扱う専門家です。

遺品整理士が在籍している業者は倫理意識が高く、法令の理解が深い傾向があります。「資格があるから絶対に安全」とまでは言い切れませんが、一定の基準を満たす目安になります。ネコババ防止の観点でも、責任感のある体制かどうかを見極める材料になります。

遺品整理や遺品処分に必要な許可があるか

安心して任せるうえで、業務上必要な許可の取得を確認することも欠かせません。無許可業者はネコババや不法投棄などのトラブルを起こす可能性が高いので注意しましょう

<遺品整理に必要な許可>

許可名概要補足・注意点
一般廃棄物収集運搬許可一般家庭の不用品や廃棄物を集め、処理施設に運ぶための許可似た名前の「産業廃棄物収集運搬許可」では、一般家庭の不用品は取り扱えない
古物商許可まだ使える不用品の買取業務に必要な許可古物商許可がないと買取できない

なお、多くの自治体では一般廃棄物収集運搬許可の新規取得が難しくなっているのが現状です。そのため実際には、自社で一般廃棄物収集運搬許可を保有せず、保有する他社と提携して業務にあたっているケースも多く見られます。

内訳まで記載された見積りを発行してくれる

業者は契約前に遺品の量や種類などを調べて「見積書」を出しますが、その見積り内容が詳細なものかどうかは必ずチェックしましょう。内訳が丁寧な見積書を提示してくれる業者は、信頼性が高いです。

<見積書のチェックポイント>

  • 人件費、車両費、仕分け・搬出費などが個別に記載
  • 基本料金の範囲が明確
  • オプション費の作業内容が明確
  • 基本料金外になりやすい家電リサイクル費、供養、エアコン取り外し、ハウスクリーニングも確認できる

見積りが「作業一式」のように大雑把な業者や、そもそも書面を交付しない業者は不正な作業が紛れ込みやすいので選ばないのが賢明です。透明性のある見積りを発行し、質問したらきちんと説明してくれる業者を選びましょう。

見積りが他の業社と比較して安すぎない

見積り金額が極端に安い業者にも注意が必要です。安さだけを売りにして集客しようとする業者は、どこかでコストを削っている可能性があるからです。

たとえば、人件費を削減しすぎると管理体制が甘くなり、遺品の取扱いが雑になるおそれがあります。また、処分費を削りすぎれば法令に沿った処分ができなくなり、不法投棄など不正の温床になる場合があります。

作業当日に高額な追加料金を請求してくる業者もいるので、十分に注意しましょう。複数社を比較して相見積りを取り、適正価格の業者を選ぶことがトラブル回避の秘訣です

ホームページに手をかけている業者を選ぶ

ホームページの作り込みも、業者選びの参考になります。情報発信に力を入れている業者は、責任ある運営をしている可能性が高いからです。

<遺品整理業者のホームページのチェックポイント>

  • 会社情報(住所、固定電話番号の明記)
  • 保有許可の記載
  • 写真付きの作業実績
  • 料金体系

これらの情報公開は、お客様価を意識している表れと言えます。一方で、情報が極端に少ない業者のホームページでは、トラブル時の連絡先すら不明確なことがあります。安心して任せるためにも、情報公開して自社の姿勢を見せている業者を選びましょう

遺品整理で親族や業者にネコババされた場合の対処法5つ

遺品整理で親族や業者にネコババされた場合の対処法5つ

遺品整理で業者や親族によるネコババに気付いたら、感情的にならずに対処することが重要です。証拠を揃えたり適切な手順を踏んだりせずに「盗られた」と責めるだけでは、返還請求や責任追及が難しいのが実情です。

ここでは、ネコババに気付いた直後に取るべき行動と、相談先ごとの役割について解説します。正しい手順を把握して、被害を最小限に抑えましょう。

通帳をネコババされた場合は金融機関に連絡する

通帳やキャッシュカードがネコババされた疑いがあれば、まずは金融機関に連絡しましょう。故人の口座が凍結されていない状態だと、不正利用される危険性が非常に高いです。

役所に死亡届を提出するだけでは、銀行は自動的に故人の死亡を把握できるわけではありません。遺族が銀行に連絡しなければ口座は通常通り利用可能なままであり、とくに暗証番号が推測されやすいと被害が短時間で拡大する危険があります。

金融機関に死亡の連絡を入れると、口座凍結や取引履歴の確認といった不正防止措置が取られます。なお、口座の凍結解除や払い戻しは、原則的として相続手続きが完了した後に行われます。そのため、相続手続きが完了するまで故人の預貯金が引き出せなくなる点にも注意が必要です。

証拠集めをする

ネコババが疑われる場合は、証拠集めをしましょう。感覚的な「なくなった気がする」というだけでは第三者に事実を証明できず、返還請求や法的対応ができません。

<ネコババされたときに必要な証拠>

  • 盗られた品目の一覧(金額、特徴、購入時期)
  • ネコババの可能性のある人、推定日時、場所
  • 防犯カメラの映像
  • 目撃証言の聞き取り
  • 遺品整理前後の写真や記録
  • (業者利用の場合)見積書、契約書

証拠があればこの後の相談や交渉が有利になることがあるため、状況を客観的に示せる証拠を集めましょう

警察に相談する

明らかな窃盗が疑われたら、警察に相談すれば刑事事件として扱われる可能性があります。現金や貴重品の持ち去りは犯罪に該当することがあり、警察への相談によって被害届の提出や今後の対応について助言を受けられる場合があります。

ただし、証拠が不十分だと被害届が受理されないおそれがあり、事前準備が欠かせません。写真や記録、見積書、関係者の証言など、客観的に状況を説明できる証拠を整理しておきましょう。また、警察への相談内容が、弁護士相談や民事対応の判断材料になることもあります。

弁護士に相談する

ネコババに対して法的な解決を目指す場合は、弁護士への相談が有効です。弁護士は相続や契約、損害賠償といった観点から状況を整理し、返還請求が可能か、損害賠償を求められるか、警察への被害届や民事手続きの進め方などについて助言してくれます。遺品整理や相続トラブルに詳しい弁護士を選ぶと、現実的な対応策を提示してもらいやすくなります。

一方で、弁護士相談には費用がかかる点にも注意が必要です。相談料や着手金が発生する場合もあり、被害額が少額で証拠が乏しいケースでは費用対効果が見合わないこともあります。そのため、被害の規模や状況によってはまず警察や消費生活センターに相談し、その後に弁護士対応が必要かを判断するのもひとつの方法です。

消費生活センターに相談する

遺品整理業者とのネコババトラブルが疑われる場合、消費生活センターへの相談も有効です。消費生活センターは契約内容や経緯を確認したうえで、今後取るべき対応や相談先を案内してくれます。直接的な解決機関ではありませんが、状況整理と助言を得る窓口として役立ちます。

相談時には見積書や契約書、やり取りの記録などをできるだけ揃えて、経緯を詳しく伝えましょう。業者との話し合いのポイントや、警察や弁護士に相談すべきかどうかの判断について助言がもらえます。なお、法的措置や強制力をともなう対応が必要な場合は、警察や弁護士への相談が不可欠となります。

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見積り分への追加請求は一切なく、内容も丁寧にご説明しますので不安な点はご遠慮なくご相談ください。無料相談・無料見積りで、安心できる遺品整理をサポートします。

まとめ

遺品整理のネコババは、故人しか知らない保管場所や確認不足などの条件が重なると起こりやすくなります。悪質な遺品整理業者だけでなく、身内や親族がネコババするケースも多いです。

現金や貴重品、電子機器などが狙われやすく、タンスや本棚、倉庫、仏壇の引き出しのように目が届きにくい場所にはとくに要注意です。ネコババを防止するには、貴重品を事前に見つけて取り分けておいたり、作業現場に立ち会ったり、整理前に写真や動画で記録を撮ったりすると効果的です。

業者選びの際には、保有許可や見積り内容のチェックが欠かせません。万一ネコババの被害に気付いたら金融機関への連絡や証拠整理を行って、状況に応じて警察・弁護士・消費生活センターへ相談しましょう

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この記事の監修者

ゴミ屋敷片付けの専門業者「ゴミ屋敷バスター七福神」代表

監修者 竹本 泰志

年間20,000件以上のゴミ屋敷片付け・遺品整理の実績「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国規模で展開する株式会社クオーレの代表取締役。
複数の職を経て、2011年、25歳の頃に仲間と共に株式会社クオーレを設立。 不用品回収業としてスタートし、遺品整理やゴミ屋敷片付けを中心に手掛けるように。
現在は愛知の他、岐阜・静岡・神奈川・埼玉・千葉・栃木・東京・静岡・大阪・和歌山にも支店や支社を構え、 精力的に事業を拡大している。

新家 喜夫(ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長)

監修者 新家 喜夫ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長)

遺品整理やゴミ屋敷片付けが必要な方のために活動し、数々のメディア取材を受けてきた。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長を務め、著書も出版している。
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