遺品整理に50万円は妥当！？3LDKの費用相場と少しでも安くするコツ

「遺品整理で50万円かかると聞いたことがあるけれど、本当……？」

「ぼったくりの悪徳業者にだまされたらどうしよう」

など、遺品整理の費用でお悩みはありませんか？

遺品整理で50万円を超えるケースは確かにありますが、悪徳業者が不当な水増し料金で50万円以上の高額請求をしているだけの場合もあるため注意が必要です。費用相場や料金の決まり方をきちんと理解しておけば、トラブルを避けて安心しながら業者に頼むことができます。

今回は遺品整理で50万円かかるケースの解説や費用相場などを解説します。満足度を高くしながら安く抑えるコツもお伝えするので、参考にしてください。

この記事で分かること

• 遺品整理が50万円かかるケースと、不当な高額請求を見分けるポイント
• 遺品整理の費用相場と費用が追加されやすい項目
• トラブルを避けてお得に遺品整理をするコツ

遺品整理費用が50万でも妥当なケース

遺品整理の費用は処分する物の量や種類、スタッフの作業内容などによって決まります。このため、家が広くて物が多いケースや特殊な作業を要するケースでは実際に50万円や100万円を超える高額な費用がかかることもあります。

高額な費用が妥当なケースは、次の3つです。

1. 遺品整理先が3LDK以上の広さ
2. 特殊清掃が必要な現場
3. 遺品整理先がゴミ屋敷状態になっている

それぞれについて解説します。

遺品整理先が3LDK以上の広さ

3LDK以上の広さだと遺品整理の費用が高くなるのが一般的で、50万円を超えるケースも見られます。高額化するおもな理由は、部屋の数に相関して処分する物が増えたり、作業範囲が広くなったりすることです。

膨大な作業量に対処するために、荷物を積み込むトラックや作業スタッフの増員などが必要になって費用が高くなります。とくに長年住んでいた実家などは、居住年数に相関して大量の不用品が溜まっていたり、婚礼ダンスのような大型家具がたくさんあったりする場合があるため高額になることがあります。

特殊清掃が必要な現場

孤独死が起きた場合など、特殊清掃が必要な現場では特殊清掃費用と遺品整理費用を合算して50万円以上になるケースも少なくありません。特殊清掃では遺体から漏れ出た血液や体液をきれいに除去したり、死臭の完全脱臭処理を行ったりと専門的な工程をいくつも行うため、どうしても費用が高額化します。

とくに、亡くなってから発見までの時間が長くかかった場合は、汚染範囲が広まっているため入念な清掃を行わなければなりません。そのようなケースでは、1Rなどの小さな部屋でも特殊清掃費用だけで50万円を超える場合もあります。

遺品整理先がゴミ屋敷状態になっている

足の踏み場がなく天井付近までゴミが積み重なっている、いわゆるゴミ屋敷状態の家を遺品整理する場合にも高額な遺品整理費用が必要です。通常の遺品整理に加えてゴミ屋敷清掃を行わなければならず、ゴミ屋敷費用だけで数十万円かかってしまうこともあります。

ゴミ屋敷清掃では大量の物品の分別や搬出を行うため、人件費や車両費が高くなりがちです。さらに、ゴキブリやネズミなどが発生している場合には害虫・害獣駆除なども必要となるため、駆除作業への追加費用も発生します。

ゴミ屋敷清掃は1Rでも5万円前後、3LDKなど広い家では20万円以上かかるのが一般的で、家の状況次第ではさらに高額になる可能性があります。ゴミ屋敷清掃費用と遺品整理費用を合算すると、50万円を超えるケースは十分にあり得ます。

50万円の遺品整理費用は高すぎることも！

上記のように遺品整理で50万円以上かかるケースがある一方、50万円以下で済む事例も実際には多く見られます。不当な高額請求をしてくる悪徳業者もいるため、注意しなければなりません。

たとえば、現地に出向いてきちんと遺品の量や種類を見ることもせずに「見積もり金額は50万円です」と言ってくるような場合には、悪徳業者の可能性が高いです。

遺品整理の費用は回収する物の量や種類、搬出経路や作業内容などで変わってくるため、現地を水に正確な見積もりを出すのは非常に困難です。それにもかかわらず現地見積もりを省くような業者は、一律で高額な遺品整理料金を請求しているおそれがあります。

契約前に無料で現地見積もりを行わず、見積もり金額の詳しい内訳を説明しようとしない業者は避けたほうが無難です。

遺品整理の費用相場

遺品整理の費用は、物件に広さや遺品の量と種類、オプションの有無によって左右されます。ここでは遺品整理の費用を間取り、オプションサービス、特殊清掃、遺品の種類の4つの項目に分けて費用を解説します。

間取り別の相場

一般的に、部屋の数が多くなるほど遺品整理の費用は高くなります。実際には間取りではなく物の量が増えるほど高くなるのですが、部屋の数と物の量は相関関係にあるため間取りから大まかな相場を知ることができます。

実際には部屋が多くても物が少なければ安くなり、逆に1Rなどの小さな家でも物だらけだと高額化します。駐車場の有無や上層階からのエレベーター使用可否など、家の条件によっても費用が変わることにも注意しましょう。

オプションサービスの相場

基本料金に含まれていないオプションサービスを利用する場合には、オプション費用を追加で支払う必要があります。おもなオプションサービスの内容と費用相場を次の表にまとめました。

これらのオプション費用が積み重なれば、トータルの金額が高くなります。一般的には基本料金の範囲内には不用品の仕分けや搬出、処分などが含まれますが、どこまでが基本料金なのかは業者によって異なるため契約前に確認することが欠かせません。

特殊清掃の相場

特殊清掃が必要な場合、遺体を早期発見できたケースでも最低8万円程度の特殊清掃費用が必要です。発見までに時間がかかったり、浴室やトイレのように特殊清掃しにくい場所で亡くなっていたりすると、数十万円の費用がかかるのが一般的です。

費目ごとの特殊清掃費用の相場を表にまとめました。

遺体の腐敗の程度や亡くなった場所によって、費用に差が出る点に注意しましょう。

処分する遺品でも料金は変わる

処分しにくい遺品が多く含まれていると、処分に手間がかかるため費用が高くなります。たとえば、ペンキや塗料、ガスボンベ、有機溶剤や農薬、危険物、ペットの遺体や血液のついた物品、自治体での特定適正処理困難物に当たる金庫やタイヤ、ピアノなどの回収を多く依頼した場合には料金が高くなりやすいです。

バイクや自動車を処分する際も、廃車手続きなどの費用がかかるため一般的には高額になります。ただし、バイクやピアノなどは買取可能な状態ならば、売却して遺品整理費用から相殺することも可能です。買取サービスについては後述します。

少しでも遺品整理費用を安くする方法

少しでも遺品整理費用を抑えたい人は、次の4つの対処法を検討しましょう。

1. 遺品整理を自分でも進める
2. 複数の業者で見積もりを比較する
3. 遺品の買取サービスを利用する

これらのポイントを抑えれば、適正価格の範囲内でお得に遺品整理を進めることができます。それぞれのコツを詳しく解説します。

遺品整理を自分でも進める

費用を少しでも抑えたいのであれば、できる範囲で自分でも作業を進めることをおすすめします。自力で行えば業者の作業量が減るため、コストカットにつながるからです。

たとえば、遺品の仕分けやゴミ出しは自分でも行いやすい作業です。とくに、粗大ゴミ回収を活用すれば大型家具でも数百円～数千円程度で処分できるため、大幅に節約することができます。また、可燃ゴミや不燃ゴミ、資源ゴミなど自治体のゴミ収集は基本的に無料なので、業者に頼むより圧倒的にお得です。

ただし、すべての作業を自分で行うのは大変なので、体力に自信がない人や時間のない人は、無理せず業者に依頼することを検討しましょう。現地見積もりに来たスタッフに「できるだけ費用を抑えたいから、自分でできる作業内容を教えてほしい」と相談するのも効果的です。嫌な顔をせず丁寧に答えてくれる業者であれば、信頼性も高まります。

複数の業者で見積もりを比較する

適正価格で仕事をしてくれる優良業者を選ぶために、最低3社で相見積もりを取ることをおすすめします。複数の業者に現地見積もりを頼んで料金やサービス内容を比較検討すると、自分の予算や希望に合う業者を選ぶことが可能です。

不当に高額な見積もり金額を出してくる業者を避けるのはもちろん、異様に安すぎる業者も選ばないようにしましょう。格安業者は当日になってあれこれと追加請求をしてくる可能性があり、結果的に高額になるおそれがあります。

相見積もりを取る際には、金額だけでなく作業内容やオプションサービスの範囲も漏れなく比較しましょう。不明な点は必ず質問し、費用の内訳が明確な業者を選ぶことが大切です。

遺品の買取サービスを利用する

買取サービスを実施している業者を選べば、費用を安くできる可能性が高まります。状態の良い家具や家電、ブランド品や宝飾品などを売却できれば、遺品整理の費用から買取金額を差し引いてくれるからです。

また、遺品整理業者に頼む以外にも、売れそうな物は自分で買取専門の業者を選んで売却することも可能です。とくに骨董品やコレクター商品などは、そのジャンルに精通した査定員が在籍する買取専門店のほうが高額査定が期待できます。

インターネットの買取サービスを利用したり、近所のリサイクルショップに持ち込んだりと、自分の状況に合わせて買取先を選ぶことができるのでチェックしてみましょう。

遺品整理で後悔しないコツ

遺品整理で「こんなはずじゃなかった……」と後悔しないためには、金銭面と故人への思いの両面からしっかりと業者選びをすることが大切です。安さや「何となく」で選ぶと後悔や不満の残る遺品整理となり、あとあと親族間のトラブルなどにつながることもあるため注意しましょう。後悔しない遺品整理のコツを詳しく解説します。

価格だけで決めない

業者を選ぶときは価格だけでなく、サービス内容や対応への丁寧さなどにも満足できるかチェックしましょう。遺品整理は故人の思い出が詰まった品々を手放す作業であり、故人や遺族への配慮が不可欠だからです。

ただ安いだけの業者だと遺品の取り扱いが雑だったり、形見として残すべき思い出の品まで処分してしまったりすることもあるため注意しましょう。また、格安業者の中には高額な追加料金を請求したり、トラブルを起こしたりする業者もおり、そのような業者に頼むと後悔が残ることになりかねません。

遺品整理は故人を偲んで、遺族が新たな生活に踏み出すための大切なプロセスです。価格だけでなく実績やプロ意識の有無、サービス内容やマナーなどを総合的に判断して業者を選びましょう。

遺品整理業者の営業トークにハマらず、じっくり検討

業者によっては、見積もりを頼んだときなどに遺族の心情につけこんで営業トークをしてくる場合があります。営業トークで契約を急がせられても相手のペースにハマらず、むしろじっくりと比較検討するようにしましょう。

たとえば、「今すぐ処分しなければダメです」などと焦らせたり、「他社より圧倒的に安いです」と安さだけを売りにして契約を迫ったりする業者には注意が必要です。遺族に冷静な判断をさせないようにして、ずさんなサービス内容や不当な料金設定で契約を進めようとしている可能性があります。

契約を迫られたとしても、複数の業者で相見積もりを取って料金やサービス内容を冷静に比較検討しましょう。

親族間で遺品整理の優先順位を固める

遺品整理をスムーズに進めるためには、事前に家族間でしっかりと話し合って共通認識を持つことが大切です。価値観や事情は人それぞれなので、事前にすり合わせておかないと意見が対立してトラブルに転じるおそれがあります。

たとえば、費用を優先するのか、それとも少し高くても故人への配慮や思い出を大切にしたいのか、作業日数はどのくらいを想定しているのかなど複数の視点で話し合って優先順位を決めることが大切です。遺品整理の費用を負担する人がリーダーとなって、遺品整理の優先順位を固めておきましょう。家族全員が納得できる形で円満に遺品整理を済ませるためには、事前の話し合いが不可欠です。

まとめ

遺品整理で50万円かかるケースは実際にあり、間取りが広くて物が多い、特殊清掃やゴミ屋敷清掃も行わなければならないといった場合には50万円を超える可能性があります。一方で、きちんと現地見積もりもせずに50万円などの高額な費用を提示する業者は、悪徳業者のおそれがあるので注意が必要です。

遺品整理の費用は処分する物の量や種類、オプション利用の有無などで大きく変動します。少しでも安くするには、自分のできる範囲で遺品の仕分けやゴミ出しを行ったり、相見積もりや買取サービスを活用したりすることが重要です。

安さだけを基準に業者を選んだり、家間の話し合いが不十分なまま独断で業者と契約したりすると、後悔やトラブルにつながるおそれがあります。遺品整理は故人を偲び、家族が新しい生活に進みだすための大事なプロセスです。十分に吟味して、納得できる業者選びをしましょう。

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