「無料で回収いたします」と拡声器でアナウンスしながら、近所を回っている廃品回収車を安易に利用するのは危険です。あとから思いもよらない料金を請求されたり、トラブルに巻き込まれたりする可能性もあり、状況によっては泣き寝入りする人もいます。
ただし、被害とみなされるのは物理的な金銭被害やトラブルのみで、アナウンスの声はうるさくてもすぐ逮捕できません。今回は、廃品回収車が捕まるケースや、アナウンスがうるさいときの対処法を詳しく解説します。
目次
廃品回収車の正体と怖い理由
廃品回収車は、自らが住宅街や街中を周り廃品回収を行う業者で、一見すると便利に感じます。しかし、廃品回収車の利用は「その場で判断」する人が多く、トラブルになりやすいという特徴があります。
即決・即断で廃品回収者を利用した結果、思わぬ被害を受けたりトラブルに巻き込まれたりしやすいのが現状です。廃品回収車の正体と、怖いと言われる理由を以下で詳しく解説します。
廃品回収車の無料引き取りは本当？
車で走っている廃品回収車の場合、よく耳にするのが「無料で廃品回収いたします」というアナウンスです。本来、廃品の廃棄処分には処分費用が掛かるため、無料で回収する廃品回収車は赤字になります。
無料の廃品回収で赤字が出ないのは、回収した品物をリユースしたり、電子機器類から希少金属を取り出して売却したりするからです。一般廃棄物収集運搬業の許可や古物商の許可がある無料廃品回収車なら、無料で引き取っても正規で金銭回収できるルートがあるため、赤字にはなりません。
しかし、廃品回収者のうち一般廃棄物収集運搬業の許可や古物商の許可などがない無料廃品回収車は、違法な処分方法を行なっている可能性があるため注意が必要です。
怪しい廃品回収車の特徴
怪しい廃品回収車は逃げ足が速く、証拠を残さないテクニックを駆使しています。
例えば、怪しい廃品回収車には次の特徴があり、身元を調べられたりしないよう、証拠を残しません。
- ・名刺に固定電話の番号がない
- ・ホームページで調べても業者の記載がない
- ・一般廃棄物収集運搬業の許可番号がない
- ・廃品回収車に社名が記載されていない
- ・携帯番号しか記載がない
廃品回収車ではありませんが、「◯月◯日に無料廃品回収に回りますので、処分したい品物を玄関先に出しておいてください」などと書かれたチラシを、ポストに入れている業者も要注意です。
チラシを信用して指定場所に不用品を出しておいた結果、回収されなかったり不法投棄とみなされ注意を受けたりなど、トラブルに巻き込まれる可能性があります。
廃品回収車の被害例
無料とうたった廃品回収車を利用した人の中には、次のような被害にあったケースもあります。
- ・最初に全て無料と言われたのに、トラックに積み込んでから「積み込み料金は別」と言って高額料金を請求された。
- ・処分品以外の品物を勝手に積み込まれてしまった。
- ・見積書ももらえず高額料金を提示され、抗議したら脅された。
本当に無料で廃品回収してくれる業者ありますが、廃品回収車のセールストークを鵜呑みにすると、上記のような被害に合いかねません。被害を回避するためにも、利用前に怪しい廃品回収車の特徴と照らし合わせ、悪質業者かどうかをよく確認することが大切です。
廃品回収車が捕まらない理由
廃品回収車を利用して被害にあったり、アナウンスそのものがうるさかったりした場合、捕まえて欲しいと考える人もいます。
明らかな罪で証拠も揃っているなら捕まえやすいですが、悪質な廃品回収車は行動も巧みで、警察もなかなか捕まえられません。廃品回収車が捕まらない理由を、以下で詳しく解説します。
被害に気が付くまで時間がかかるから
悪質な廃品回収車は、その場で話を完結させて、言葉巧みに廃棄物を出させたり品物を持ち出したりします。利用者が「騙された！」と気がつくのは、最終段階の支払い時や廃品回収車が走り去ったあとなので、リアルタイムでは警察に訴えにくいのが現状です。
「被害を受けた、どうしよう」と悩んでいるうちに、悪質な廃品回収車の行方もわからなくなってしまい、やっと警察に相談しても捕まえるのが困難になります。
廃品回収車のスタッフは証拠を残さない
悪質な廃品回収車のスタッフは、あとから訴えられないよう、証拠になるような書類を残しません。例えば、見積書や契約書には料金や回収品目が記載されるため、利用者に手渡すと違法行為の証拠が残り、警察に捕まったり訴えられたりします。
悪質な廃品回収車は、証拠がなければ警察も積極的に動けず、捕まえられないことを知っているため、その場のノリや勢いの会話だけで契約を進め、証拠になりそうな書類は渡しません。契約書や見積書を求めても応じず、不利になりそうなら脅したり怒鳴ったりすることもあります。
常に場所を変えているから
廃品回収車のアナウンスがうるさくても、なかなか捕まらないのは常に移動し場所を変えているからです。常に動き続けている廃品回収車は、警察に連絡している間に別の場所へ移動してしまい、現場に到着した時にはいなくなっているため捕まえられません。
もし警察へ連絡するなら、廃品回収車のナンバーや車種も控えておき、警察へ連絡するときに伝えて、あとからでも警察に対応してもらえるよう準備しましょう。
騒音だけで逮捕するのは難しいから
「アナウンスがうるさいから捕まえて欲しい」と訴えても、うつ病や不眠症など明らかな被害が認められなければ、警察は逮捕できません。なぜなら、拡声器の騒音を規制する法律がないからです。
騒音規制法という法律はありますが、対象になっているのは工場や工事現場、自動車の騒音で、拡声器の騒音は騒音規制法の対象外です。したがって、廃品回収車のアナウンスがうるさくても、法律違反を理由には取り締まれず、警察は逮捕できません。
ただし、各市区町村が定める条例に騒音規制条例・迷惑防止条例などがある場合、条例は法律の次に遵守するべきものと考えられているため、通報すれば警察も動けます。その場合でも、最初に行うのは注意勧告で、いきなり逮捕にはなりません。
廃品回収車が捕まるトラブル事例
騒音だけで廃品回収車を逮捕することは難しいですが、廃品回収車のスタッフが明らかに犯罪と思われる行為を行なった場合は逮捕できます。廃品回収車のトラブルに巻き込まれるケースは珍しくなく、相手の言いなりになって泣き寝入りする人もいます。
廃品回収車が逮捕される事例を知っておき、騒音以外のトラブルに巻き込まれたときの対処に役立てましょう。廃品回収車が捕まるトラブルの具体的な事例を、以下で詳しく解説します。
不法投棄していたとき
廃品回収車が不法投棄していた場合、該当する廃品回収車は逮捕されます。不法投棄自体が犯罪行為なので、廃品回収車が不法投棄したとはっきり証明できれば、警察もすぐに動いて逮捕することが可能です。
注意しなければならないのは、回収してもらったはずの廃棄物に、シリアルナンバーや登録番号などが記載されていた場合です。利用者が違法投棄したと疑われる可能性があるため、自身の潔白を証明するためにも、領収書や見積書は必ず保管して起きましょう。
不当に高額請求をされたとき
廃品回収車が、不当な高額請求を行なった場合も逮捕される可能性があります。廃品回収車の取引は、特定商取引法にしたがって行わなければなりません。特定商取引法第58条第7項・第8項では、事前に取引する品物の種類や金額・契約解除に関する項目などが記載された、契約書類の交付が義務付けられています。
金額が明記された契約書類を客へ渡さず、作業が終わってから事前説明がなかった料金を上乗せ請求するのは、特定商取引法違反に該当し逮捕の対象です。
例えば、事前に見積もりで無料と言われたが契約書類はなく、積み込んでから「人件費や作業代」を別途大幅に上乗せ請求した場合は、法律違反とみなされ廃品回収車は逮捕されます。
ただし、明らかな証拠がなければ違法だと証明できません。廃品回収車を利用する時は、事前に契約内容と見積もり金額が記載された書面を出してもらったり、契約するまでのやり取りを音声・動画で残しておくといった自衛が大切です。
押し買いや窃盗をしたとき
廃品回収における押し買いとは、利用者が回収してもらうつもりがない物を無理やり回収する行為のことです。廃品回収は特定商取引法第58条に従い、次の項目を守って行わなければなりません。
- ・業者名を明かす
- ・引き取る品物を明確にする
- ・契約内容を書面にする
- ・クーリングオフできる期間を説明する
- ・客を脅さない
- ・嘘の説明をしない
上記の項目を守らなかった場合は違法行為を犯したとみなされ、押し買いした廃品回収車が逮捕される可能性があります。
廃品回収車における窃盗とは、指定された不用品以外の品物を勝手に持ち出したり盗んだりする行為です。窃盗は、刑法第235条で定められた犯罪行為なので、窃盗を行なった廃品回収車は逮捕され、10年以下の懲役や50万円以下の罰則が課せられます。
空き巣に入ったとき
廃品回収車のスタッフが、廃品回収の名目で自宅に入り、後日空き巣に入った場合も逮捕されます。空き巣目的の廃品回収車は、廃品回収車を装って住宅街を周回しつつ、人がいなくなる時間帯や間取りをチェックします。
入念な準備をしてから空き巣に入るため、実際に被害に合うまで悪質な廃品回収車が犯人だと気づけません。全ての廃品回収車が空き巣を行なっている訳ではありませんが、周回する回数が多かったり、ゆっくりと家を観察していたりする業者には注意が必要です。
廃品回収車がうるさい時は警察に通報
廃品回収車のアナウンスがうるさい場合、すぐに逮捕できなくても警察へ通報するのは有効な手段です。通報する際、うるさい廃品回収車の細かな情報を伝えておけば、警察からの注意勧告や見回りなどを行なってもらえます。
ただ「うるさい」と伝えただけでは警察も対処しづらいので、注意勧告や見回りして貰いやすい情報を伝えましょう。廃品回収がうるさい時、警察に通報する方法と伝えるべき内容を、以下で詳しく解説します。
通報時に聞かれること
警察に通報した時に聞かれるのは、うるさい廃品回収車の細かな情報です。具体的には、廃品回収車の業者名や車のナンバー・車種、周回している場所の市町村名などの情報を求められます。
警察が細かい情報提供を求めるのは、より正確な情報を把握し対応しやすくするためです。可能なら、スマートフォンでうるさい廃品回収車の動画や写真を残しておくと、実際に通報する時も過不足なく情報提供ができ、伝達ミスも防げます。
通報は匿名でもできるので、廃品回収車があまりにうるさいときは、迷わず警察へ通報しましょう。
警察での対応
警察へ通報した場合、主に行われる対応は廃品回収車への注意勧告と地域巡回です。警察から注意を受けた人は、指摘された点を速やかに改善しなければならず、無視し続けると違法行為と判断し、逮捕されることもあります。
警察が地域巡回してくれた場合、警官が直接廃品回収車のうるささを確認し指導を行なうため、通報者が悪質な廃品回収車のスタッフから直接怒鳴られたり、脅されたりといったトラブルがありません。
法律にはひっかからなくても、各市町村の迷惑防止条例に違反している可能性があるので、廃品回収車がうるさいと感じたら警察に通報し、必要な対応をしてもらいましょう。
安全に不用品を処分する方法
無料の廃品回収車は、まともな業者だと便利ですが、悪質な業者はトラブルに巻き込まれる可能性があり危険です。廃品回収車の見極めは難しく、大丈夫だと思っても騙されてしまったり、業者に丸め込まれて泣き寝入りしたりする人もいます。
不用品は、無料の廃品回収業者に依頼しなくても処分可能です。不用品の安全な処分方法を知り、トラブル無しで気持ち良く不用品を処理しましょう。不用品の安全な処分方法を、以下で詳しく解説します。
自治体の粗大ゴミで処分する
不用品は、各自治体の粗大ゴミ回収で処分できます。自分で不用品を運び出したり、指定された日時・場所に不用品を出したりなどのデメリットはありますが、不当な高額請求や押し買いなどのトラブルに巻き込まれる危険はないため安心です。
自治体の粗大ゴミの出し方は、各地方自治体で定められています。廃品回収車の利用に不安を感じる人は、自治体ごとに設定されたルールを事前に確認し、粗大ゴミとして自治体で処分しましょう。
不用品回収業者を利用する
不用品回収業者は、自力で粗大ゴミを処分できないときに便利な方法です。事前に現場を下見して、必要なトラックの大きさや作業員数を割り出し、見積書を作成してくれるので、金銭面でのトラブルを心配する必要はありません。
業者によっては、時間帯や曜日を問わず対応してくれるため、自分の都合に合わせて粗大ゴミを処分できる点も見逃せないメリットです。トラブルを回避したり自分のスケジュールに合わせて不用品を処分したい人は、不用品回収業者の利用を検討しましょう。
安全な不用品回収業者の選び方
廃品回収車より安全と言っても、不用品回収業者のサービスは千差万別で、どの業者に頼んでも同じサービスを提供してもらえる訳ではありません。依頼する場合は事前に各業者の情報を集め、見極めることが大切です。
安全な不用品回収業者には、次のような特徴があります。
- ・事前に下見と見積もりをしてくれる
- ・料金が明確
- ・契約を急かさない
- ・ホームページや車両・名刺に、一般廃棄物収集運搬業の許可番号が記載されている
- ・ホームページで固定電話の番号や店舗の住所を記載している
各不用品回収業者の情報を集め、安全な業者の特徴と照らし合わせて、自分に合った不用品回収業者を選びましょう。
不用品の処分は七福神におまかせ
不用品の処分でお困りの方は、七福神にお任せください。七福神は、年中無休24時間即日対応可能で、急いで片付けたい方も安心してご依頼いただけます。一度お見積もりで金額が決定したら、追加料金を上乗せしないので金銭トラブルの心配もありません。
一般廃棄物収集運搬許可業車と提携しており、産業廃棄物収集運搬処理業・古物商許可証の認可も受けているため、不法投棄のトラブルに巻き込まれる不安も解消されます。不用品の処分方法でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
