ゴミ屋敷は、異臭や火災等の災害発生のリスクがあります。
ですから、いつまでも放置しておくわけにはいきません。
ゴミ屋敷に対して、行政代執行まで条例化している自治体もあります。
ですが、行政代執行は住居者に費用を請求できると定めているケースが一般的です。
なので、行政にゴミ屋敷を片付けてもらっても、結局は自費で支払うことになります。
であれば、自分達で業者に依頼した方が良いと考える人もいるのではないでしょうか。
そこで、ゴミ屋敷片付けの費用について、見てみましょう。
目次
ゴミ屋敷を片付ける費用について
ゴミ屋敷を自分で片付けるとなれば、基本的には不用品回収業者等に任せることになります。
なぜなら、自力での解決は現実的に難しいからです。
大量のゴミを搬出する体力と運搬する車両などを自力で用意するのは困難です。
なので業者に依頼することになります。
費用の大まかな相場や内訳を見てみましょう。
ゴミ屋敷片付け費用の決まり方
ゴミ屋敷の片付け費用は、以下の4項目の合計代金となります。
- 車両費
- 人件費
- 処分費用
- オプション
それぞれどのような項目なのかチェックしてみましょう。
車両費用
ゴミを運搬するために使用する車両費は、ゴミ屋敷を片付けた際に出てくるゴミの量によって変わります。
主な相場としては次のようになります。
- 軽トラック:3~4万円
- 2tトラック:5~8万円
- 4tトラック:20~30万
数字だけ見ると、同じ容量なら4tトラックよりも2tを2台の方が安いと思うかもしれません。
しかし、車を動かすためには人が必要になりますので、人件費が発生します。
つまり、自分で多少のゴミを処分するなどして搬出総量を抑えることで、安くできる部分です。
人件費
人が働けば人件費が発生します。
ゴミ屋敷の片付けで動員する人員は、ゴミの量次第です。
ですが、ある程度間取りによって決まります。
あくまでも一例ですが、人員と間取りは以下が目安となっています。
- 2人:1K、1DK
- 3人:1LDK、2DK
- 4人:2LDK、3DK、3LDK
- 5人:4LDK~
さらに、動員された人員がどれだけ作業を行うのかによって、人件費がある程度決まります。
この点もまた、ゴミの量次第です。
なので、車両費同様、事前に多少作業することで費用の抑制が可能です。
処分費用
処分費用は必ず発生する費用ではありません。
不用品回収業者であっても、家電リサイクル法適用品目を処分する場合は、リサイクル料金を支払う必要があります。
依頼者に請求されるので、対象品目が多いと処分費用も高くなります。
逆に衣服や一般ゴミだけで家電リサイクル該当品目が無い場合、処分費用として計上されるものはありません。
オプション費用
オプション費用とは、部屋の掃除・クリーニング等です。
ゴミの片付けだけでなく、部屋の掃除・クリーニングを行う不用品回収業者もあります。
ただし、全ての業者に用意されているものではありません。
季節性について
すべての業者ではありませんが、季節・タイミングによって費用が変わるケースもあります。
不用品回収業者は以下のように年末年始、年度末に需要が増える傾向にあります。
- 年末の大掃除
- 年度末で生活環境が変わり引っ越しする
そのため、これらの季節には割増料金を上乗せする業者もあります。
一方で、6月や9月などは、大掃除や引っ越しの需要が低くなります。
不用品回収業者の需要も若干低下することから、割引をする業者もあります。
住居環境
搬出されるゴミは、トラックまで人力で運びます。
そのため、以下の環境では費用が割増になるケースもあります。
- 階段の無いマンション
- トラックで近くまで入れず、スタッフが運ぶ距離が長い
ゴミ屋敷の片付け費用のシミュレーション
ある程度の目安をお伝えしました。
実際にゴミ屋敷の片付けを依頼した際の費用を、いくつかのパターンでシミュレーションしてみました。
ワンルームでゴミ屋敷としては軽度の場合
この場合、以下のようになるので、3~5万円程度になります。
- 作業スタッフ1人
- 作業時間は2時間程度
- 車両は軽トラックで十分
ただし、家電品が多い場合、処分費用が加算されるので少々高くなります。
ワンルームのゴミ屋敷
ワンルームであっても「ゴミ屋敷」で、今にも部屋の外にまでゴミが溢れるような状況の場合、スタッフは2人から3人が必要になります。
トラックも軽トラックでは足りない可能性があるので2tトラック、4tトラックの必要が出てきます。
作業時間も増えるので、人件費も上乗せされ、5~10万円程度かかりそうです。
3LDKの一軒家でゴミが溢れているゴミ屋敷
3LDKで家全体にゴミが山積されているゴミ屋敷の場合、3人以上のスタッフが必要になります。
トラックも2tでは厳しいです。
4tトラックでも、場合によっては2台必要になるかもしれません。
これらを踏まえると、20万円以上はかかるでしょう。
ゴミ屋敷の片付けを依頼する際の費用の注意点
ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する際の費用の目安をお伝えしました。
しかし、実際に依頼する時に気を付けるべき点があります。
費用の安い高いはもちろんですが、他にもいくつかチェックしておくべき点があります。
見積もりの内訳をチェックする
ゴミ屋敷の片付けを依頼する際には、必ず見積もりをしてもらいましょう。
その際に、見積もりの内訳も必ずチェックしておきましょう。
総額だけを見るのではなく、どこにどれだけの費用がかかっているのか見ます。
見積もりを細かい部分まで出してくれる業者か、大雑把な見積もり費用しか出さない業者かで信頼性が異なります。
見積もりの丁寧さは、信頼性や作業の丁寧さに比例すると考えてよいでしょう。
ですので、どのような見積もりを出す業者なのか要チェックです。
相見積もりを取る
相見積もりとは、複数の業者から見積もりを取り、比較することです。
見積もり費用だけを見ても、高いか安いかの判断は難しいのではないでしょうか。
日常的に利用するサービスであればある程度相場も理解できています。
しかし、めったに利用しないサービスは相場が分かりません。
そのため、単体で費用を提示されても客観的な判断が難しいでしょう。
そこで複数の業者に見積もりを出してもらうことで、比較できます。
結果、以下のようにいろいろと見えてくる点があります。
- 安い業者はどこなのか
- 不当に高い費用を請求していないのか
見積もりが最終価格なのかを確認する
出された見積もりが最終決定額なのか、変動するのか尋ねておきましょう。
変動する場合、作業後に見積もり額よりも大幅に上乗せした費用を請求される可能性もあります。
実際にこのようなトラブルが起きています。
見積もりの段階で全てを把握するのは難しいのも確かです。
あまりにも見積もりからかけ離れた費用を請求されてしまっても、対処に迷うことでしょう。
その点、見積もりが最終決定費用であればこのようなトラブルは起きません。
ゴミ屋敷の片付け費用はどのように決まるのかについてのまとめ
ゴミ屋敷の片付け費用は車両費用、人件費をベースに処分費用やオプションで決まります。
ゴミの量が多ければ多いほど、作業するスタッフが増え、時間もかかるので費用は高くなります。
また、住居環境によっても異なってくるので、まずは見積もりを取って大まかな目安を知ることも大切です。
行政による行政代執行の場合、行政の言い値を支払うことになります。
ですので、費用を支払うのであれば自ら納得して支払える業者を選んだ方が良いでしょう。