廃品回収車が、どんなものでも無料で回収とアナウンスしながら巡回する光景をよく見かけます。
ちょうど処分に困ったり悩んでいる不用品があれば、無料なら依頼してみようかと思う人も少なくないでしょう。
しかし、何気なく廃品回収車に声をかけたことが引き金となって思わぬトラブルに巻き込まれる恐れもあります。
間接的に犯罪の手助けをする事になっていたり、はたまた自分自身が犯罪の被害者になったりする可能性があることをご存知ですか。
今回は、なぜ廃品回収車に不用品回収を依頼するとトラブルに巻き込まれる恐れがあるのかを紹介します。
目次
廃品回収車の正体は何の業者なのか
廃品回収業者は、一般的には使えない不用品・廃品を回収してくれる車のことですが、広義的にはリサイクル可能な不用品の回収も含まれています。
廃品回収業者の多くは、回収を行っていることを呼びかけながら車両で住宅街を回ったり、郵便受けにチラシを投函したりして回収する方法が一般的です。
回収対象となる品物は多岐にわたり、新聞・雑誌・古着とは別に大型家具・自転車等の回収を行ってくれるところもあります。
このような廃品・不用品の回収はボランティアで行っているわけではなく、廃品回収業者にとっては大切な仕入れであり、回収したこれらの不用品等を転売することで利益を上げているのです。
廃品回収車が本当に無料で引き取ってくれるケース
廃品回収車の多くは無料でさまざまな不用品・廃品を引き取ってくれます。しかし、不用品のすべてを無料で引き取ってくれるわけではなく、なかには断られるものもあるので注意が必要です。
ここでは不用品の処分にかかるコストや、無料で引き取る不用品のからくりなどについて解説します。
不用品を処分するには必ずお金がかかる!
通常、不用品・廃品のなかには家電製品・大型家具といったのものも多く、これらの処分にはリサイクル料がかかります。その一例として自治体が実施している粗大ゴミ回収を利用する際には、有料の回収チケットなどを購入して依頼しなければなりません。
その一方で不用品の無料引き取りを謳いながら、住宅街などを回っている廃品回収車を見たことがあるでしょう。また、自宅の郵便ポストに不用品・廃品の無料引き取りのチラシが投かんされていたことがある人もいるかもしれません。
無料を謳っている廃品回収車の場合、さまざまな不用品・廃品を回収して処分すればそれだけコストがかかり、赤字になってしまいます。
しかし、ここには無料で回収できる独自のからくりがあるため、リサイクル料を含む代金を支払ってもらわなくても経営が成り立っているのです。
転売できる不用品の無料引き取り
無料を謳っている廃品回収車の多くは、転売できる不用品のみを回収対象としています。
例えば自社に修理工場を持っている廃品回収業者の場合は、修理すればリサイクルできそうな家具家電のか回収を行い、修理・メンテナンスを行ってから転売するのが一般的です。
また、壊れて使えない電化製品の無料回収を行っているところもありますが、部品や鉄くずにして転売することで利益を上げています。電化製品に使用されている銀・鉄・レアメタルなどは高値で取引されることが多く、利益が出るので無料で回収できるのです。
これらの理由から、壊れて動かないから回収できないというわけではありません。どのようなものなら無料で回収してもらえるのかは廃品回収車によって異なるので、確認してください。
廃品回収車はリサイクル業者だけではない4つの可能性
廃品回収車という表の顔には、思いもしない裏の顔がが隠されているとも言われています。
- ・詐欺目的の業者
- ・無資格の業者
- ・法令違反を犯している業者
- ・空き巣狙い
詳しく紹介します。
詐欺目的の業者
最も多いと指摘されるのが、詐欺目的でターゲットを探している業者です。
まず大前提として理解したいのが、自治体により毎週実施される可燃ゴミや不燃ゴミに出せないゴミの処分については、費用がかかることを理解する必要があります。
つまり、本来であれば費用がかかる廃品の処分を本当に無償で行えるとしたら、その裏には何か特別な目的や理由があると考えてよいでしょう。
実際廃品回収車の多くが無料回収を謳いながら実際には有償であり、さらに回収作業の過程で強引に費用を請求するケースが後を絶たないと報告されています。
具体的な詐欺の事例は後に紹介しますが、詐欺の被害者にならないためにも、廃品を無料で回収、という文句を安易に信じるのは控えた方が賢明です。
無料ほど高いものはないのかもしれません。
廃品回収車が無資格の業者である恐れ
一般家庭から廃品を回収するためには一般廃棄物処理業許可や委託、提携が必要です。
正規の業者であれば、リサイクル品を販売するために、古物商の許可が必要です。
また古物商の許可と同時に産業廃棄物収集運搬許可を取得していれば、家電リサイクル法4品目に定められたエアコン・テレビ・冷蔵庫や冷凍庫・洗濯機や衣類乾燥機の回収もできるようになります。
裏を返せば、一般廃棄物処理業許可・古物商の資格を取得、委託、提携等がなければ合法のリサイクル業者とは言えません。
また産業廃棄物収集運搬許可証を取得、委託、提携等していなければ、エアコンやテレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の廃品回収はできません。
「ご家庭の不用品何でも回収します」を実現するためには、複数の資格が必要になってくるのです。
廃品回収車が法令を遵守していない業者である可能性
廃品回収車の中には、回収した家電製品を輸出したり、家電リサイクル法に反して適正な料金も支払わず、家電リサイクル法4品目に定められた家電を廃棄処分している恐れもあります。
回収した廃品の使える部分だけ取り出し、他の部分は不法投棄している可能性も否めません。
万が一回収した廃品に所有者の個人情報を特定できるような何かが残っていた場合、その情報が悪意の第三者に悪用される可能性もあります。
廃品の回収を依頼したそれだけのことで、知らぬ間に犯罪の片棒をかつがされていたという事態に陥る恐れがあることも、念頭におくべきでしょう。
空き巣に入る先を物色している
廃品回収車に収集を依頼したい家電や家具が重くて一人では搬出できず、搬出を手伝わせた結果、室内に業者を招き入れてしまうこともあるでしょう。
ただ廃品回収車だからと無条件に信じ込むのは危険です。
見ず知らずの出所も知れない他人を室内に招き入れて、室内を物色する機会を与えている可能性が考えられます。
また何気ない世間話で高齢者の一人暮らしなどと話せば、空き巣や詐欺といった犯罪のターゲットに自ら名乗り出ていることにもなりかねません。
普段なら住人しかいない地域に、廃品回収のアナウンスを流しながら練り歩く廃品回収車は、不審がられることもなく地域の様子を物色できる免罪符を掲げているとも言えます。
廃品回収車にまつわるトラブルの報告事例
消費者が巻き込まれたさまざまな問題に取り組む独立行政法人国民生活センターには、廃品回収車に被害を被った消費者から、日々相談が寄せられています。
国民生活センターで公表されたトラブルの事例を、具体的に紹介します。
依頼していない家財も搬出され、高額請求される
巡回していた廃品回収業者にテレビとオルガンの回収を依頼したところ、それ以外にも小型冷蔵庫やソファ、消火器などを勝手に持ち出し「回収費用として5万円」と請求してきた。
「1万円しかない」と言うと「内金として1万円を払い、残りは振り込んで」と言われた。
(80代 女性)
(参照元:http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen208.html)
無料で廃品回収と再度確認したのに・・・
「無料」とアナウンスしながらで巡回している業者を呼び止め、廃品回収を依頼した。
作業前に、無料であることを確認したが、積み終えたとたんに6万円を請求された。
話が違うと抗議したが、「回収代金は無料だが、積み込み料金は発生する」と言われた。
しつこく請求されたので、仕方なく手持ちの3千円だけ支払った。
残金は近いうちに取りに行くと言われた。(60代 女性)
(参照元:http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen254.html)
チラシの記載料金より高額な請求をされた
他県に住む親がチラシを見て、廃品回収を事業者に依頼した。
チラシには「廃品回収代金が8万円」と書かれていたが、実際には47万円請求され、支払ってしまった。(当事者:80歳代 男性)
(参照元:http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen317.html)
回収品が不法投棄されていた
自宅に廃品回収業者が訪れ、「不用品回収します」と言われた。
使えなくなったパソコンディスプレイと乗らなくなった自転車があったので、処分代金1,500円を支払って回収してもらった。
後日、回収してもらったパソコンディスプレイと自転車が道路わきに捨てられているのを発見した。(千葉県流山市の事例)
(参照元: https://www.city.nagareyama.chiba.jp/life/1002401/1002403/1002414.html)
廃品回収車のトラブルに巻き込まれた時の対処方法
廃品回収車には、言葉巧みに日常に忍び寄り、詐欺とも言える手口で不当に高額料金を搾取しようとする業者も少なくありません。
無料でないなら廃品回収は依頼しないと抗議しても、積み込んだ廃品は返却できなからとにかく料金を支払うようにと、強硬な態度をとる廃品回収車の業者も居るようです。
この時、自分一人で解決しようとするのは大変危険です。
身の安全のためにも、すぐに警察に通報するのが良いでしょう。
悪徳な業者は、高圧的な態度で高額料金支払いを迫ってくるケースもあります。
この事態をとにかく抜け出したいという思いから、お金を払ってしまうケースもあります。
不当請求であっても、一旦支払ったお金は返ってこない可能性が高いと言われます。
廃品回収業者に支払いしたものの、後日返金依頼をしてトラブルになる場合は、地域の消費者センターに相談を持ちかけてみましょう。
悪質な廃品回収車を見極める3つのポイント
廃品回収車も、全てが悪質な業者というわけではありません。
では、悪質な廃品回収車の業者による罠にかからないためには、どのように見極めたらよいでしょうか。
そのポイントは3つあります。
- ・「廃品回収車です」とアナウンスしている廃品回収車への依頼は避ける
- ・車に事業者名の記載があるか確認する
- ・無料回収と謳うチラシを投函する業者は注意
それぞれのポイントについて解説するので、参考にしてください。
巡回している廃品回収車は避ける
大前提として、「こちらは廃品回収車です」とアナウンスしている廃品回収車に声をかけないことが、最大の安全策でしょう。
少量であれば自治体の粗大ゴミ回収制度を利用するのが安心です。
また引っ越しなどに伴う自分では搬出できない大型のゴミや大量の不用品の回収なら、不用品回収業者に依頼するのも一つの方法です。
不用品回収業者は、インターネットで検索すれば、ホームページに料金体系も明示されており、無料で訪問見積もりのサービスを依頼することも可能です。
見積もりをとって、納得した上で廃品回収を依頼する方が、安心で安全です。
存在する会社か確認する
廃品回収車でアナウンスしたり、チラシを配ったりしている業者の場合、会社が存在しないケースも見受けます。
住所がない会社、住所地がアパートの一室、携帯電話の番号しかない、といった業者は悪徳業者のケースが多いので、廃品回収を依頼する前に名刺で確認しましょう。
この時、一般廃棄物処理業許可などの資格についても明記されているかも併せて確認しましょう。
名刺すら持っていなかったり、名刺に必要事項の記載がない廃品回収車の業者は、依頼は見合わせるのが安全策と言えます。
万が一トラブルになるようであれば、すぐに警察に通報して助けを求めましょう。
無料回収と謳うチラシを投函する業者は注意
無料回収を謳うチラシを投函する業者には注意したほうが良いでしょう。その理由として以下のような点があげられるからです。
- ・最終的に代金を請求される危険性
- ・不法投棄
- ・依頼品以外の物色
無料と謳いながら、不用品・廃品をトラックに積んだ後に代金を請求されるなどのトラブルが発生しています。「代金が発生するなら回収入らない」とはいえない状況にしてから請求する悪質なパターンが増加しているので注意してください。
また、自宅の不用品・廃品が無事無料で回収されたとしても、後日近くの道路脇に不法投棄されているのを発見したという報告も自治体や国民生活センターなどにあげられています。不法投棄は犯罪であり、火災・自然破壊などの原因にもなる行為です。回収を依頼した不用品がそのような原因になるとわかれば、良い気持ちはしないでしょう。
無料回収を謳う業者のなかには、自宅の中まで上がり込んで依頼品以外の物色を行うところもあります。さまざまな理由をつけて回収しようとする悪徳業者もあり、一度自宅にあげてしまうと無理矢理追い出すことも難しいので危険です。
このような理由から、無料回収を謳うチラシを投函する業者には依頼しないほうが良いといえます。
廃品回収車を利用せず、不用品を処分する4つの方法
廃品回収車を利用しなくても、不用品を処分する方法はあります。特に以下4つの方法なら、安全かつ確実に不用品が処分できるのでおすすめです。
- 自治体の粗大ゴミ回収
- リサイクルショップ
- ネットオークション・フリマアプリ
- 不用品回収業者
それぞれの方法について解説するので、参考にしてください。
自治体の粗大ごみ回収
各自治体では粗大ゴミ回収を行っており、これを利用すれば安全かつ確実に不用品の処分ができます。
依頼方法は自治体によって異なりますが、多くのケースでは粗大ゴミ回収専用のチケット・シールなどを取扱店で購入し、市役所に連絡をして回収の予約を取る方法が一般的です。
なお、取扱店は近所のスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどがあげられ、サービスカウンターなどでチケット・シールを購入したいと伝えると代金と引き換えで受け取れます。
回収してもらう際の費用については大きさ・件数などによって異なるので、自治体の公式サイトで確認してもわからない場合は、購入前に直接連絡をして確認しておきましょう。
リサイクルショップを利用する
再利用可能な不用品の場合は、リサイクルショップへ持ち込むと代金がかからないだけではなく、買取金を支払ってもらえる可能性があります。
店舗によっては出張・宅配などのサービスを展開しているところもあり、「近くにリサイクルショップがない」「直接店舗に持ち込むことが難しい」などの理由がある場合は、このようなサービスを展開しているところを利用してください。
ただし多くのリサイクルショップで買取可能なものは状態が良く、再利用が可能な不用品のみです。壊れて使えなくなったものについては、買取を断られる可能性があるので事前に確認しましょう。
ネットオークション・フリマアプリを利用する
使用回数が少ないものや保存状態が良いものについては、ネットオークション・フリマアプリを利用して売却する方法もあります。
自分で値段が設定できたり、リサイクルショップで買取不可とされたものでも売れたりする点はメリットといえるでしょう。
ただし、買い手が見つかったとしても自分で梱包して発送しなければなりません。梱包資材や発送料は出品者負担であることも多く、手間と時間もかかる点は考慮してください。
不用品回収業者に引き取ってもらう
不用品回収業者に引き取ってもらう方法もおすすめです。
無料を謳っている廃品回収車とは異なり、複数ある不用品回収業者を選定して依頼する点は信頼性が高いといえます。
多くの不用品回収業者では自社サイトを開設しており、実績・目安となる代金などを事前にチェックした後、メール・電話などで問い合わせをして見積もりを取ると良いでしょう。複数の買取業者に見積もりを依頼することで、適正価格が把握できて法外な代金を支払うなどのリスクが軽減されるからです。
不用品回収業者では、タイヤ・廃材といったリサイクル・リユースしにくいものまで幅広く回収しています。壊れたものも回収対象なので、不用品・廃品が自宅にある場合は依頼・相談してみてください。
安全な不用品処分は七福神にお任せください
ゴミ屋敷バスター七福神では、さまざまな不用品・廃品の回収を行っています。再利用可能と判断したものについては代金から値引きして買取するので、最終的な費用が安く抑えられるケースもあります。
24時間年中無休で対応しており、深夜・早朝の不用品の引き取り・回収も可能です。ご希望に合わせて回収後のハウスクリーニングも行っているので、面倒な掃除は必要ありません。
見積もり・相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
廃品の回収には費用がかかるものである、という理解のもと、少量であれば自治体の粗大ゴミに、大量であれば不用品回収業者やごみ屋敷清掃業者、遺品整理業者などに依頼することを検討するのが安全策です。
最近は高齢者を狙った廃品回収車によるトラブルも多発しています。
ご実家の親御さんがこういったトラブルに巻き込まれないよう気を配ることも大切です。
また不要な家電や家財が大量にある場合は生前整理も兼ねて、不用品回収業者や遺品整理業者などに無料見積もり依頼するのも一つの方法です。