賃貸物件では、入居者は管理人から部屋を借りている状態です。
そのため、ゴミが溢れるほどの汚部屋にしたり、悪臭を漂わせるようなことはしてはいけません。
ここでは、賃貸物件が汚部屋になった場合に強制退去になる可能性があることや退去にかかる費用、汚部屋の改善方法などを詳しく解説します。
汚部屋になる原因を理解して、どのように対処していけば良いのか考えていきましょう。
目次
賃貸物件で汚部屋にしてしまうと強制退去になる場合がある理由
借りている部屋を汚部屋にすることは、善管注意義務に違反していると考えられます。
善管注意義務とは、賃借人は賃貸人に対して賃借物を明け渡すまで善良な管理者の注意をもって賃借物を保管しなければならないという義務です。
一般的には入居者が汚部屋にしたからといって、即強制退去を促すことは難しいです。
しかし、汚部屋を片付けるよう再三の注意や内容証明郵便が送られたとしても対応しない場合は、明け渡し訴訟となる可能性があります。
東京地裁にて平成10年6月26日の賃貸物件に関するゴミ屋敷の裁判の判決では、
「賃貸人から再三の注意を受けていたにもかかわらず、事態を改善することなく、2年以上の長期にわたって、居室内に社会常識の範囲をはるかに超える著しく多量のゴミを放置するといった非常識な行為は、衛生面で問題があるだけでなく、火災が生じるなどの危険性もあることから、原告（家主）やその家族及び近隣の住民に与える迷惑は多大なものであるといえるのであって、このことは、賃貸借契約の解除事由を優に構成するものといわざるを得ない。」として、家主が賃貸借契約を解除、貸家の明け渡しを求めることができることが認められました。
すぐに強制退去と言われることはないものの、何度か注意があったのに対応しなかった場合は強制退去となることもあります。
参照：JA埼玉みずほ 貸家内がゴミ屋敷状態 契約解除して立退き要求する
賃貸物件を汚部屋にしてしまったときの退去費用
借りている部屋を汚すと、強制退去や損害賠償請求の対象となり得ます。
また、入居者には原状回復義務が存在するので、掃除やゴミを片付けずに汚い状態のまま退去すると、修繕や修復の際に発生した費用を支払わなければなりません。
借りている部屋の管理人などの考え方や契約内容によっても変わってくる退去費用ですが、以下に間取りごとの相場を記載するので参考にしてみてください。
| 間取り | 退去費用相場 |
|---|---|
| 1R | 約70,000円 |
| 1K | 約77,000円 |
| 1DK | 約90,000円 |
退去費用には、壁紙やフローリングの張り替え、トイレ・お風呂掃除、ハウスクリーニングなどが含まれています。
部屋の汚れ具合によって退去費用は変わってくるので、相場を確認し、何にどれくらいの費用がかかるのかを理解しておきましょう。
賃貸物件が汚部屋になる理由
賃貸物件の汚部屋問題が多くなってきていますが、なぜ汚部屋になってしまうのでしょうか？
ここでは、賃貸物件が汚部屋になる理由について詳しくみていきます。
単身世帯の増加
今、賃貸物件に住む単身世帯の数が増えています。
日々仕事で忙しく過ごしており、部屋には寝るためだけに帰るという人も少なくありません。
そのような生活を送っていると、ゴミ出しのタイミングが合わず、いつしか部屋の中にはゴミや物が溢れてくるようになります。
仕事のストレスから物を溜め込むなどして汚部屋になっていくこともあります。
近所との交流の減少
賃貸物件であるマンションやアパートに住んでいると、隣近所の人のことをあまり知らないという人もいるでしょう。
現代のライフスタイルにおいては、近所の人との交流の機会は少なく、お互いの生活を干渉することなく過ごしています。
そうなると近隣住民によるゴミ屋敷化の早期発見は難しいため、誰も指摘してはくれません。
管理人も、入居者の部屋を見るのは定期検査のときくらいでしょう。
コンビニやデリバリーの増加
今、24時間営業のコンビニやデリバリーなどが増え、いつでも手軽に食事を済ませられるようになりました。
これらを利用して日々の食事をしていると、プラスチックの容器が溜まりやすいです。
プラスチックゴミを出せる日が限られていることから捨てる機会がなくなり、部屋に放置してしまうことも増えてきます。
ゴミ分別の細分化
環境を守るため、今ではゴミのリサイクルが一般的になっています。
ここから、ゴミを細かく分別する必要が出てきました。
プラスチックゴミや不燃ゴミ、燃えるゴミなど、種類によってゴミ出しの日が異なるので、それに合わせて処分しなければなりません。
ゴミの日を逃したり間違えると次の機会にまで置いておかないといけないので、ゴミが溜まりやすくなります。
賃貸物件で汚部屋を放置するリスク
賃貸物件が汚部屋になった場合、強制退去や損害賠償などに発展することがあると解説しました。
さらに、汚部屋を放置すると以下のようなリスクも生じるため注意が必要です。
害虫が発生する
汚部屋のままの状態を放置していると、害虫が発生するようになります。
ゴキブリやハエ、ダニなどの害虫が発生し、部屋の中の衛生環境が悪化してしまうのです。
害虫は菌やウイルスを媒介することもあるため、その中で過ごしていると体調不良を引き起こす恐れもあります。
さらに、近隣の部屋にまで害虫が移動して繁殖する場合があるので、賃貸物件で害虫が発生すると周りの住人にも迷惑をかけることになります。
悪臭が発生するようになる
ゴミがあふれているような汚部屋では、悪臭が発生しやすいです。
ゴミが腐敗した臭いや水回りに発生したカビからの臭い、害虫による糞などの臭いといったように、いくつかの臭いが混ざり合った強烈な臭いが部屋の中に充満するようになります。
自身が借りている部屋だけでなく、隣に住む人の部屋にまで臭いが漂うこともあり、近隣住民とのトラブルにも発展しやすいです。
火災の危険性が高まる
ゴミや様々な不用品が散乱している汚部屋では、火災の危険性も高まります。
汚部屋で特に注意したいのが、トラッキング火災です。
コンセントに溜まった埃が原因で火災が発生する現象をトラッキング火災と言います。
火災は、借りている部屋が燃えてしまうだけでなく、自身や近隣住民の命の危険にも繋がります。
汚部屋では引火するとあっという間に火が燃え広がるため、大きな火災に発展しやすいです。
賃貸物件から無断で退去するのはNGである理由
賃貸物件で強制退去を命じられる前に、高額な退去費用を請求される前に、こっそり出ていこうとする無断退去はNG行為です。
自分では片付けられないからといって管理人に何も言わずに退去した場合、以下のような事態に発展することがあるので注意しましょう。
支払い督促が来る
もし家賃を未払いのまま無断で退去すると、賃貸契約の際に家賃保証会社に加入している場合は支払い督促が来ます。
家賃の支払い期日が1日でも過ぎると滞納になり、家賃に遅延損害金も加わることになります。
汚部屋である場合はここに原状回復費用が追加されるため、支払督促により請求される金額は思いの外高くなることがあるのです。
賃貸物件から無断で退去すると、結果的に多額の費用を支払うことにもなりかねません。
強制執行に発展する場合がある
賃貸物件から無断で退去し、その後来た支払督促にも対処せずに3ヵ月以上経過した場合は、強制執行へと発展する場合があります。
強制執行には、財産の差し押さえや明け渡し手続きなども含まれます。
支払いに応じなかったときは地方裁判所で手続きが行われることになるので、その場合は必ず対応しなければなりません。
賃貸物件の汚部屋を片付ける方法
賃貸物件に住んでいて汚部屋になってしまったときは、状況が悪化する前にできるだけ早く片付けに取り掛かることが大切です。
部屋の状態を見ると何から手をつけたら良いかわからなくなりますが、以下のポイントを押さえながら片付けると少しずつすっきりしてくるでしょう。
明らかにゴミと分かるものから処分する
最初に、明らかにゴミと分かるものからどんどん処分していきましょう。
ゴミ袋を何枚か用意して、分別をしながら捨てていくようにしてください。
プラスチックゴミ・可燃ゴミ・不燃ゴミと分けておくと、ゴミの種類に応じてどこに捨てれば良いかが分かるので作業が効率よく進みます。
段ボールや雑誌、新聞紙は玄関や部屋の一角にまとめるようにしておきましょう。
必要な物は箱などに保管する
汚部屋から抜け出すためには、明らかにゴミとわかる物を捨てていくことが必要です。
その作業をしているとき、自分にとって必要な物も出てくるでしょう。
必要な物についてはあとで改めて整理するとして、一旦箱に保管していきます。
段ボールや収納箱を用意してその中に必要な物を入れていくと、大切な物をうっかり捨ててしまった、どこにあるか分からないという事態を避けることができます。
掃除道具を揃える
ゴミを処分して必要な物を一時的に箱に保管したら、次に掃除道具を揃えましょう。
掃除道具としては、以下の物を揃えておくと良いです。
- 掃除機
- 雑巾
- モップやフローリングシート
- バケツ
- ゴム手袋
- ゴミ袋
掃除する箇所に応じて、追加で必要な物があれば揃えておくのもおすすめです。
お風呂掃除をするならスポンジや洗剤など、掃除箇所に応じて何が必要かを考えて用意してみましょう。
場所ごとにできる範囲で掃除をする
掃除道具の準備ができたら、場所ごとにできる範囲で掃除していきます。
賃貸物件で掃除しておくと良い場所について、それぞれの掃除方法をまとめました。
| 掃除箇所 | 掃除方法 |
|---|---|
| 壁紙 | 雑巾で乾拭きする水に濡らして絞った雑巾に洗剤を数滴垂らして、壁を上から下に向かって拭くカビがあったら、歯ブラシに漂白剤をつけて優しくこする雑巾を水洗いして固く絞り、水拭きする乾いた雑巾で乾拭きする |
| 床 | 掃除機でゴミを取り除く水に濡らして固く絞った雑巾で、端から拭く頑固な汚れには、雑巾に薄めた洗剤を含ませてこするカビがあるところには、アルコールを吹き付けて雑巾で拭く雑巾を水洗いして固く絞り、水拭きする雑巾で乾拭きする |
| キッチン | 排水溝に栓をして、40℃くらいのお湯をシンクの半分程度まで溜めるお湯の中に酸素系漂白剤を溶かす五徳などを入れる数時間つけ置きする五徳の周辺などを食器用洗剤を垂らしたスポンジでこする濡れた雑巾で五徳などの周りを拭き掃除するシンクに浸けておいた五徳などをスポンジで軽くこすりながら水で洗い流す |
| お風呂 | 浴槽を濡らして洗剤とスポンジを使って軽くこする細かい部分の汚れは歯ブラシでこする熱めのシャワーをかけて洗剤を洗い流すカビがある箇所にはカビ取り剤を吹き付けてキッチンペーパーとラップをかぶせ、30分程度おいてから洗い流す |
汚部屋の片付けを少しでも安く抑えるコツ
賃貸物件が汚部屋になってしまったら、自身で完璧に対処することが難しい場合があります。
一方、誰かに頼むとしても、できるだけ安く片付けてほしいと考えるはずです。
そこで、汚部屋の片付けを少しでも安く抑えるコツについて記載していきます。
できるだけ自分でゴミを処分する
何も手をつけていない状態で人の力を借りて片付けるとなると、その分時間も人件費も掛かり費用が高くなります。
そこで、自分のできる範囲でゴミを処分することを心がけましょう。
ゴミと分かるものは処分しておくだけでも、片付けにかかる費用を抑えられます。
業者を利用する際は相見積もりをとって比較する
片付け業者や不用品回収業者を探す際には対応エリアやサービス内容、料金などをチェックしていくと思いますが、たまたま調べて出てきた業者にそのまま依頼することはおすすめできません。
数多くの業者が存在するので、相見積もりをとって比較してから1社に絞るようにしましょう。
料金だけでなく、サービス内容や業者が力を入れている部分などについても考慮してください。
業者の支払い方法に注目する
賃貸物件を退去するタイミングでは、原状回復費用が発生する恐れがあるので余計な出費は抑えたいところです。
そこで、業者の支払い方法に注目して、分割払いや後払いに対応しているところを選んでみてください。
様々な費用が発生して出費がかさむ場合は、支払いに関してより柔軟に対応してくれる業者に依頼すると安心です。
賃貸物件の汚部屋でお困りならゴミ屋敷バスター七福神にご相談を！
賃貸物件を汚部屋にしてしまうと、強制退去になったり片付けや掃除が大変になります。
ゴミ屋敷の片付けや掃除でお困りの際は、事前見積もりを実施の上、明朗料金で汚部屋をきれいにすることができるゴミ屋敷バスター七福神にご相談ください。
汚部屋の片付けや掃除に関して、ゴミ屋敷バスター七福神では次のようなサービスを提供しています。
- 片付けや搬出作業
- 仕分け作業
- 不用品の回収、買取
- 簡易ハウスクリーニング
- 各種ハウスクリーニング
ゴミ屋敷バスター七福神では以下の代金が実質無料なのでお得です！
- 車両代
- 特急料金
- 見積費用
- 出張代
- 深夜料金
- 養生代
料金は間取りに応じて異なりますので、以下をご覧ください。
| 間取り | 料金 |
|---|---|
| 1R/1K | 33,000円～ |
| 1DK | 55,000円～ |
| 1LDK | 88,000円～ |
| 2DK | 121,000円～ |
| 2LDK | 154,000円～ |
【ご紹介】ゴミ屋敷バスター七福神の料金プラン
賃貸の汚部屋問題は早めに対処することが大切！困ったときはゴミ屋敷専門業者へ
賃貸物件に住んでいるなかで汚部屋化してしまった場合は、強制退去や損害賠償請求、近隣住民とのトラブルなどに発展しないよう速やかに片付けるべきです。
自分でできることに限界があるときは、ゴミ屋敷の片付け専門業者に相談してプロに徹底的に片付けてもらいましょう。
事前見積もりを実施した上で作業に入ってくれるので、費用面で不安に感じることもありません。
借りている部屋が手に負えないほど汚れているときは、業者に尋ねてみてください。
